老後2,000万円問題を筆頭に、日本の将来・老後への不安は日に日に大きくなっているように感じます。
2022年度から成人年齢が18歳に引き下げられたことで、高校生でも自らの意思で投資を始めることが可能になっています。
ただし、実際は証券口座の作成自体は年齢に関係なく可能です。
未成年は親権者と合わせた手続きが必要になるというだけで、中学生でも小学生でも証券口座を持つことは出来ます。
そこでこの記事では、幼少期から長期の積立投資を行ったらどれだけの資産を形成出来るのか、過去の長期データを参考に検証してみます。
40歳から投資を始めるよりも、生まれてすぐ始めた場合には40年も長く投資が出来ます。
これを読んでいる親御さんも是非、参考にしてみて下さい。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
誕生〜60歳まで毎月100円投資し続けた場合
少額の投資は資産の増加を見込むよりも経験を積むことが重要であることは、以下の記事で詳しく紹介しました。
しかし、投資期間が60年と長くなればその限りではありません。
想定される利回りごとに、どれだけ資産を増やすことが出来るのかを見てみましょう。
平均年間利回り7.15%(米国株200年平均)
詳細は以下の記事をご覧下さい。
幾度と無く暴落を経験し、恐慌や戦争を乗り越えて、唯一右肩上がりを継続してきたアセットが株式です。
その平均利回りは、200年で100万倍になったことから年平均7.15%程度となります。
この利回りで、毎月『100円』の積立を継続した場合に資産がどのように増えていくのかをシミュレーションします。
楽天証券の『積立かんたんシミュレーション』を使って計算しました。
結果は以下の通りです。
60年間で積み立てた元本は72,000円、総資産額は119万円になりました。
小学生のお小遣いレベルの積立を、定年退職するまで続けていたら119万円になるという話です。
これは毎月100円での計算ですので、もし1,000円ずつ積み立てていれば1,190万円になっているわけですから、なかなかバカに出来ない金額です。
いかに投資期間が重要かが分かります。
平均年間利回り10%(全世界株10年平均)
次に、年間利回りを10%にしてみましょう。
詳細は以下の記事を参考にされて下さい。
これほどの分散投資をしていても10%という利回りが得られるのは、2011年以降の株高に支えられたことは無視出来ません。
ただ、決して株価上昇要因ばかりの環境だった訳ではありませんから、今後も十分に想定される範囲の数字だと思います。
シミュレーション結果は以下の通りです。
毎月100円の投資ですから積み上げた元本は先程と同じ72,000円ですが、資産総額は471万円にもなりました。
たった毎月100円を、全世界株式に分散して積み上げ続けたら、60歳で471万円です。
もし毎月1,000円なら、4,710万円です。
だんだん予想が付いて来たと思います、次は更に運用利回りを上昇させたシミュレーションです。
平均年間利回り15%(S&P500 10年平均)
先程紹介した全世界株式はETF『VT』での実績でしたが、こちらはETF『VOO』による実績値です。
シミュレーション結果は以下の通りです。
なんと、毎月100円の積立で資産総額は6,129万円です。
毎月100円で、です。
もし毎月1,000円であれば6億円以上になった計算です。
複利効果、恐るべしですね。
次は、満を持してレバナスの登場です。
平均年間利回り26%(レバナス15年平均)
レバナスはNASDAQ100に2倍のレバレッジをかけた投資信託で、ETFであればQLDかUOPIXになります。
レバナスでのシミュレーションは以下の通りです。
毎月100円の積立で、資産総額は232億円になります。
何かの間違いではありません。
毎月たったの100円を積み立て続けるだけで、老後2,000万円問題など彼方に吹き飛んでしまいます。
とてつもない運用益です。
平均年間利回り61%(レバナス設定後3年平均)
最後におまけです。
流石にこの平均利回りが60年間続くことは考えにくいですが、可能性がゼロでは無いのでシミュレーションはしておきましょう。
結果は以下の通りです。
毎月100円の積立を60年間継続すると、資産総額は628京3,716兆円です。
地球が丸ごと買える金額です。
あまりに非現実的な金額に見えますし、実際にそうでしょう。
しかし、最高のパフォーマンスを複利で継続すれば、毎月100円程度の積立でも計算上はここまで膨れ上がるということが、長期間の投資の凄さであることが伝わればと思います。
誕生〜80歳まで毎月100円投資し続けたら
ここまで見て来たシミュレーションよりも更に20年延長した場合にどうなるのか、一覧表にしてみました。
人生100年時代と言われて久しい昨今、元気な80歳も増えて来ました。
あくまでも数字遊びですが、あながち有り得ない状況でも無くなりそうです。
つまり、定年がどんどん後ろ倒しになり、働く70歳も珍しく無い今、引退が80歳になる未来も現実味を帯びて来ていると言えます。
取り敢えず、数字だけざっとみてみましょう。
年間利回りと資産総額の関係は以下の通りです。
年間平均利回り | 80年後の資産総額 |
---|---|
7.15% | 501万円 |
10% | 3,459万円 |
15% | 12億円 |
26% | 3兆9,908億円 |
61% | 9,254垓1,879京4,618兆6,068億円 |
60年でも複利効果が凄まじいことが分かりましたが、80年となると一層とんでも無いことになっていますね。
億、兆、京の次の桁、垓(がい)は見たことが無い方もいるかもしれません。
桁の名称はまだまだ心配は無用です、あと10個以上、つまりまだあと30桁以上は増やせますので。
桁の名称を何故か覚えたくて小学生の頃に暗記しました、何の役にも立っていませんが。
現実的には想定利回りは10%程度か、レバレッジを使って15〜20%程度が関の山だと考えられます。
それでも80年あれば毎月100円でも老後は安心です。
毎月100円を誕生後から80歳まで国民全員で運用すれば、積み立て額は1億人だとしても年間1,200億円です。
これくらい国費で賄って、GPIFより積極的な投資枠としてS&P500での運用をしてもバチは当たらないと思います。。。
毎月の積立金額を増やせるのであれば、なお安心です。
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100円投資:まとめ
ETFは1株単位での取引になりますので、小学生のお小遣いでは毎月積み立てるのは難しいかもしれません。
しかし100円ならそれも可能なケースは少なく無いのではないでしょうか。
年間1,200円、これなら出せそうではありませんか?
小学校卒業までは親が毎月100円を投資信託で積み立てることでも良いかもしれません。
そんな少額で、一見資産形成など到底期待出来ないように見える積み立てでも、読んで字の如く『塵も積もれば山となる』のです。
しかもその塵は、雪だるま式にどんどん大きくなります。
積もるだけでなく成長していきますので、どれだけそのために時間を確保出来るかが極めて重要になります。
20年、40年の差を埋めるのは大変です。
思い立ったが吉日、親から子へ、可能な限り早い時期から投資を開始することを多くの方が実行することで日本としても資産が巨大に成長します。
産業や労働力で勝ち目のない後進国、日本が進むべき道は投資国家だと思います。
若い世代から年配の方々まで広くお金に困らない社会を作っていければ良いですね。
全く投資について分からない、一から学んでみたいと言う方には、無料で学べるオンラインツールもありますので活用してみても良いかもしれません。
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