2026年10月17日見直し:日経平均が1989年の終値高値を更新した2024年の事実を反映しました。過去の米国系列を、将来やすべての市場の上昇保証として扱わない説明に改めています。
戦時中/戦後の株価は?
暴落するの?上がるの?
過去に幾度もあった世界情勢が不安定な時期に、株価はどのように変動したのでしょうか。
2021年から2022年にかけてロシア/ウクライナ情勢が世界的に影響を与える中、一見して株価は低迷期に突入する動きを見せましたが、ロシアの侵攻が伝わってからは連日上昇に転じました。
一方でエネルギーや穀物供給問題も重なり、インフレ懸念も加速しました。
世界情勢が不安定になることは人類史上何度も経験してきており、太平洋戦争を始めとして参考になるシーンが沢山あります。
その時、何に投資していたらどうなっていたでしょうか。

この記事では『超長期』的な視点で過去を振り返り、決して平穏が約束されたわけではない現在・未来にどのような心積もりでいるべきか、解説します。

- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴17年 (学生時代から)
- レバナス(為替ヘッジなし)とFANG+をメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
過去200年の米国株チャートをどう読むか
ジェレミー・シーゲル(Jeremy J. Siegel)氏の名著『株式投資』で分析されている以下のグラフを参考にします。集計期間や配当・物価の扱いも確認して読みたい資料です。
これは実際の株価の推移から、インフレ率を差引いて実質リターンを示したものです。


同氏は米ペンシルベニア大学経営大学院(ウォートン・スクール)の教授で、専門は金融論。
その著書『株式投資(Stocks for the Long Run)』および『株式投資の未来(The Future for Investors)』は世界的なベストセラーになったことで有名です。
この200年にも及ぶチャートは、1801年時点で1ドルを株式や国債、金などに投資をしていたら2001年にどの程度の価値になっていたのかを示しています。
過去に高い収益を得た市場があっても、すべての国や将来の期間で同じ結果になるとは限りません。配当の再投資、物価調整、通貨、費用、データの対象をそろえて読みます。


では、実際の株価はどのように推移してきたのでしょうか。
米国株式市場にフォーカスして、過去の記録を確認していきます。
広告
米国株の推移(1915年〜2022年の過去資料)
100年を超える株価の推移を、先ずはインフレ調整をせずに見てみましょう。



最も歴史の長いダウで先ず確認します。
データはMacrotrendsを使用しています。


全体を通して右肩上がりの傾向は超長期でも変わりません。
株価が低い時期はLinear表示だと分かりにくいので、右側のLog表示で確認します。
最も巨大な暴落は何と言っても1930年の世界恐慌です。
また2度に渡るオイルショックを含む1965年から1982年は20年近くに渡って米国株は低迷を続けます。
2000年以降のITバブルの崩壊やリーマンショックも長期の低迷をもたらしました。
それらと同様に、太平洋戦争の期間にも一定の低迷期間が見られます。
それでも米国株式市場にはそこまでの影響は(少なくとも表面的には)無かったことが分かります。
当然、敗戦国の日本の株価は大暴落をきたしましたが。。。
次に、ダウとS&P500を比べてみます。
S&P500は1927年からのチャートをMacrotrendsから引用しています。


概ね同じ形のチャートになっていますね。
S&P500の方が幾分ボラティリティが小さく、右肩上がりの傾向が強いかもしれません。
長期の図ではコロナショックが小さく見えますが、当時の投資家にとって下落の負担が小さかったわけではありません。表示期間や尺度で印象が変わることに注意します。
そして、やはり戦争というものは株式市場に暗い影を落とします。
実質的に経済への影響が出ること、また世界中のマインドに変化が起こることも要因だと考えられます。
米国市場の最後に、NASDAQ総合指数を見ておきましょう。
1971年から2022年までのチャートは以下の通りです。


オイルショックの最後から2022年までのチャートですが、ダウやS&P500に比べて安定した右肩上がりに見えます。
横軸で表示している期間が短いのでそう見えるというのもありますが、実際にオイルショックの底と2022年1月との直線上にITバブルの崩壊とリーマンショックの底が位置しており、これが直線性を強調しています。
とは言え、要所要所で暴落と低迷期間を経験していますので、いかに『積立が大事』かということが改めて長期的視点でも浮き彫りになりました。


ちなみに、2003年3月に起きたイラク戦争の影響は暴落という形では現れず、ITバブル崩壊の底からの立ち上がり時期に重なっています。
各国の戦争に対する関わり方や、世界経済への波及効果によって、一概に『戦争があると株価が低迷する』とは言えません。
その事を踏まえると、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻はある程度の株価への影響があるパターンだと思われます。
ここまでのグラフは2022年までの過去資料です。戦争の影響と、同時期の金利・物価・企業業績の影響を切り分けるのは簡単ではありません。
広告
日本株の推移
では、日本の株式市場はどのように推移してきたでしょうか。
第二次世界大戦後、1949年に東京証券取引所が再開された後からの推移は以下の通りです。


敗戦国である日本は、戦後の復興とそれに引き続く高度経済成長期を長く経験し、日経平均が当時の終値高値を付けた1989年末まで勢いよく上げていきます。
日経平均は2024年2月22日、終値3万9,098円68銭で、1989年12月29日の終値最高値を更新しました。「バブル高値へまだ戻っていない」という旧版の現状説明は訂正します。以下の画像は2022年までの記録です。
日本株の長い低迷を、企業が育つ素地がないという一つの理由で説明するのは適切ではありません。利益、評価倍率、業種構成、政策、為替など複数の要因を分けて考えます。



過去の低迷だけで、日本株を含める意義がないと結論づけることはできません。投資家の基準通貨や地域分散、現在の価格も判断材料になります。
ただ、一つ参考にするならば、1970年代に2度発生したオイルショック中でも株価が上がり続けたことです。
こうしたショックの影響をどのように・どれだけ受けるかは国によって平等では無いにしても、経済が力強く成長している時にはこのように上昇を続けることが出来るというのはプラスに捉えることが出来ると思います。
戦争や金利上昇の影響は、資源、貿易、企業利益、政策を通して変わります。「長期なら上がる」と一括りにせず、損失が続いても生活を維持できる資金配分を考えます。
今後も米国株の優位が続くとは断定できません。過去の順位だけで投資先を決めず、地域の偏りや自分の基準通貨も考えたいところです。
広告
まとめ
社会情勢が不安定な時には、平時にも増して資産運用の行く末が気になるものです。
経済への大打撃は世界的な株安を引き起こすのか、それとも影響は限定的で直ぐに上昇基調を取り戻すのか。
絶対的な予測は当然不可能ですが、似た状況は過去に幾度も訪れているわけですから、都度『過去のどのような事例が参考になるのか?』を考えることは無駄では無いと思います。
過去データだけで将来は決まりません。積立は購入時期を分ける方法の一つですが、生活費の現金を確保する、投資額を減らす、地域や資産を分散するなど、家計に合わせた対応も考えられます。



重要なのはどのインデックスが長期的な成長を遂げるのか、です。
米国株、日本株、新興国株、全世界株を比較する際は、同じ期間と通貨、配当の扱いで比べます。2024年の高値更新があっても、すべての投資家が同じ成績や回復時期になったわけではありません。
分散投資と積立投資を継続しながら投資環境を常に観察することを怠らず、複数の情報源から正しい情報を得られるように自ら動くことが大切です。
説明の見直しと参照資料
日経指数公式:2024年2月の高値更新(2026年10月17日確認)
SEC Investor.gov:株式の種類と投資リスク(2026年10月17日確認)

















コメント
コメント一覧 (1件)
[…] あわせて読みたい 戦争で株価は?超長期(100〜200年)で見る米国株価の推移 戦時中/戦後の株価は?暴落するの?上がるの? 過去に幾度もあった世界情勢が不安定な時期に、株価は […]