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全世界株(オルカン)と米国株(NASDAQ100, SP500)の重複:両方買って意味ある?

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分散投資は大事だけど、
いくつも買って重複は大丈夫?

全世界株式(オールカントリー)全米株式S&P500など様々なインデックスに連動する投資商品が出回っていますが、幾つもの投資商品を重複して持っている状態は投資先の重複が大きくなります。

例えば、

  • 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド

この2つを同時に持っていると、どれだけの重複が発生しているのか理解出来ているでしょうか?

ETFでは例えば、

  • VT:Vanguard Total World Stock Index Fund ETF(全世界)
  • VTI:Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF(全米)
分散投資と中身の重複についての説明

なんとなく全世界と米国株と聞くと、重複は米国の分だけだからせいぜい多くても被りは20〜30%かな?

などと思ったら大間違いです、実際は50%以上が重複しています。

全米株式(VTI)とS&P500(VOO)では80%以上が重複しています。

この記事では、分散投資を行う上で選択肢に上がる全世界、全米、S&P500、NASDAQ100などの各種ファンドが互いにどの程度重複しているのかを解説します。

自分が保有しているファンド、保有を検討しているファンドの組み合わせに意味があるのかを今一度見直してみて下さい。

目次

全世界株と全米国株の重複

まず最初に、冒頭でも挙げた人気商品、全世界株全米株の重複を見てみましょう。

全世界株(オールカントリー)の代表的な商品には以下のものがあります。

投資信託:

  • 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド

ETF:

  • VT:Vanguard Total World Stock Index Fund ETF

投資信託は基本的にETF『VT』を組み入れるので、VTの値動きに追従します。

VTがベンチマークとするFTSE®︎ グローバル・オールキャップ・インデックスは、全世界の大型〜小型株およそ8,000銘柄で構成され、全世界で投資が可能な市場時価総額の実に98%以上をカバーしています。

対する全米株式の代表的な商品には以下のものがあります。

投資信託:

  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • SBI・V・全米株式インデックスファンド

ETF:

  • VTI:Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF

こちらも投資信託はVTIを組み入れますので、VTIの値動きに追従します。

全米のおよそ4,000の企業に分散投資するCRSP米国総合指数をベンチマークとします。

では、全世界(VT)と全米(VTI)とで、投資先にどれくらいの重複があるでしょうか。

よくあるTop10銘柄の比較は以下の通りです。

構成比率順位VTVTI
1Apple Inc.Apple Inc.
2Microsoft Corp.Microsoft Corp.
3Alphabet Inc.Alphabet Inc.
4Amazon.com Inc.Amazon.com Inc.
5Tesla Inc.Tesla Inc.
6Berkshire Hathaway Inc.NVIDIA Corp.
7NVIDIA Corp.Berkshire Hathaway Inc.
8Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.Meta Platforms Inc.
9Meta Platforms Inc.UnitedHealth Group Inc.
10UnitedHealth Group Inc.Johnson & Johnson
Vanguard社HPより (2022.2.28data)

赤文字にした銘柄がGAFAMと呼ばれる企業ですが、それ以外の顔ぶれを見ても相当似ているのが分かります。

Top10を構成する銘柄のうち、9社が重複しています。

もちろんそれぞれの構成割合は違いますが、このTop10以外の数千社の違いがどの程度のものか、視覚的に確認したものが以下の図になります。

VTとVTIの重複確認結果
クリックで拡大出来ます

重複分析はETF research centerにて行いました。

表の右端にある『Overlap』は、ここでは上位5銘柄しか表示されていませんが、全部で1,726銘柄が重複しています(表の左下に表示がある通りです)。

この表の意味は、例えば1位のAPPLE INC.であれば、VTIに6.0%、VTに3.6%が含まれていますので、APPLE INC.だけで全体の3.6%が重複している(2.4%分だけVTIに多く含まれている)ということになります。

トータルで見ると59%もの重複があることが分かります。

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VTは全世界と言いつつも、半分以上は米国株ということです。

チャートの比較も見ておきましょう。

VTが設定された2008年以降のチャート比較です。

VTとVTIのチャート比較
クリックで拡大出来ます

押し並べてVTI(全米)の方がVT(全世界)よりも好成績なのが分かります。

これは主に米国株のうちのGAFAMに代表される巨大テック企業株が含まれる比率の違いによるものです。

2000年台以降はこれらの巨大企業に市場が牽引されてきた背景がありますので、GAFAMの比率が高いほど上昇率が高いと言っても過言ではありません。

実際に、VTとVTIで組入比率に大きな差がある銘柄をピックアップしてみると以下の通りです。

VTとVTIで差のある銘柄一覧
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重複とは別に、VTIにはGAFAMが多く含まれることがよく分かると思います。

この違いが、セクター別で見ると以下のようになります。

VTとVTIのセクター別の違い
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VTIにはGAFAMが多く含まれますから、当然VTIの方が情報技術セクター(Tech)が多くなります

通信やヘルスケアセクターもVTIの方が多くなっています。

一方で、金融や素材、エネルギーセクターはVTの方が多くなっています

景気が良く、インフレが抑えられている時期にはハイテク企業が躍進しますので、それが如実に表れているとも言えます。

セクターについて分からない方は以下の記事を参考にされて下さい。

全米国株とS&P500の重複

VTとVTIを比較したのと同じ要領で、全米株式S&P500の比較をしてみます。

S&P500の代表的な商品には以下のものがあります。

投資信託:

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

ETF:

  • VOO:Vanguard 500 Index Fund ETF
  • SPY:SPDR S&P500 ETF

投資信託もVOOで運用されるため、基本的にはVOOを比較対象とします。

SPYは最も歴史の長いETFでもあり、VOOと運用成績に遜色はありませんが、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドが採用している方に合わせました。

重複は以下の通りです。

VOOとVTIの重複

全米株式と言っても、その84%がS&P500と重複していることが分かります。

VOOとVTIで異なる銘柄リスト
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VOOはVTIよりも大型株に偏っていて、この表の左側に示した『VOOに多く含まれる銘柄』のリストはGAFAMを含むお馴染みの企業だと思います。

セクター別で見ても、VOO(S&P500)にはVTIよりもハイテクセクターや通信サービスセクターが多く含まれていることが分かります。

VOOとVTIのセクター比較
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とは言え、全世界株と全米株との違いよりはその差は小さく、最も大きな違いがあるハイテクセクターでさえ1%程度に留まります。

全米株(オールカントリー)とS&P500はほとんど同じと言えるでしょう。

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当然といえば当然です、S&P500がそもそも全米株の指標になるように設計されているので、大きな乖離が無いように500社の選定がされていますので。

チャートも念のため確認しておきましょう。

VOOとVTIのチャート比較
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Y-bow

はい、同じですね。

S&P500とNASDAQ100の重複

続いてS&P500NASDAQ100、米国株インデックスの両雄の比較です。

NASDAQ100の代表的な商品には以下のものがあります。

投資信託:

  • iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
  • eMAXIS NASDAQ100インデックス

ETF:

  • QQQ:Invesco QQQ Trust Series 1

NASDAQ100はつみたてNISAや新NISAでは選択出来ない不遇のインデックスでもあり、S&P500よりもハイリスクとして知られています。

そのため投資信託やETFの充実度もS&P500に比べると低くなっています。

NASDAQ100に連動するETFとしては、しばしばQLD(レバレッジ商品)との比較に登場するQQQを用います。

QQQ(NASDAQ100)とVOO(S&P500)の重複は以下の通りです。

QQQとVOOの重複。

ここまで見てきた比較と異なり、重複が50%を切っています

NASDAQ100は今でこそS&P500をも牽引するレベルに成長したGAFAMを擁しているために大きな値動きはS&P500に近いですが、その他のTop10以下の銘柄にはS&P500と重複する銘柄がそれほど多くないことが分かります。

QQQ(NASDAQ100)とVOO(S&P500)の重複リストは以下の通りです。

QQQとVOOの銘柄リスト
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GAFAMの比率が大きく異なることが分かります。

VOOとVTIとの違いでは大きくても1.1%の違いだったのに対して、QQQとVOOの間では差のある上位10銘柄はGAFAMを終身に全て1%以上です。

セクター別に見るとその差は歴然です。

QQQとVOOの組入セクター比率の違いまとめ
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NASDAQ100がハイテク銘柄を集約したインデックスであるだけあって、ハイテクセクターだけで20%以上も差があります

金融セクターはNASDAQ100には含まれませんので、S&P500に含まれる金融セクターの10%あまりも丸ごと差が付きます。

ハイテクセクターが急成長した2010年代は特にですが、チャートからも大きな差が見て取れます。

QQQとVOOのチャート比較
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どちらも見事な右肩上がりになっていますが、QQQ(NASDAQ100)の方がVOO(S&P500)よりも傾きが急になっているのが分かります。

これは縦軸が対数表示になっていますので、非常に大きな差です。

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これだけ上がれば、NASDAQ100にレバレッジをかけて大儲けが出来るのも納得です。

全世界株とNASDAQ100の重複

最後に、最も分散された全世界株と、米国のハイテクセクターに集中するNASDAQ100との比較を行ってみます。

全世界株はETF『VT』を、NASDAQ100はETF『QQQ』をそれぞれ比較対象とします。

QQQとVTの銘柄重複率

QQQに含まれるほとんど全ての銘柄がVTに含まれている一方で、QQQがハイテクセクターに偏っていることが影響して重複率は22%と大きくありません。

セクター別の比率の差を見ると、その大きな偏りがよく分かります。

QQQとVTのセクター別比率の違い
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具体的に大きく比率が異なる銘柄は、もう予想が付くと思います。

QQQ(NASDAQ100)はVOO(S&P500)と比べてもGAFAMの比率が高いのが特徴ですから、VTとの比較では尚更です。

QQQとVTの構成銘柄で比率の異なるトップ10企業リスト
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QQQに多い銘柄(表の左側)は純粋にNASDAQ100の構成銘柄トップ10がずらっと並んだ状態です。

一方VTに多く含まれるとした右側の列は、NASDAQ100の中でも構成比率の低いものが並んでいることになります。

QQQ(NASDAQ100)とVT(全世界株)の2つを比べるだけでは、QQQの圧勝で終わってしまうので面白くありません。

そこで、重複の少なかったこの2つを50%ずつ保有した場合と、さらにVOO(S&P500)を加えて比較してみました。

QQQ, VT, VOOのチャート比較
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VTとQQQを均等に持っている場合は、VOOだけを持っている場合と運用成績がほとんど変わりません。

VT(全世界), QQQ(NASDAQ100), VOO(S&P500)を持つならVOO(S&P500)だけでも十分、とも考えられます。

これは過去10年程度の成績に過ぎませんが、重要なのはポートフォリオの中の重複をしっかり把握しておくことです。

ファンドの重複:まとめ

最も分散された全世界株と、ハイテクに集中するNASDAQ100とであれば、それぞれを別個に保有する意義は大きいように思います。

しかし、全世界株と全米株、あるいは全米株とS&P500などの組み合わせであれば、その内実は重複が大きくなりますので分散投資という意味ではあまり意味が無いかもしれません。

自分のポートフォリオを考える時には、人に勧められたからとか、手数料が低いからとか、話題の人気商品だからとか、そんな理由で商品を選ばないようにしましょう。

投資先が同等なのであれば、手数料の違いや運用資産総額の多いものを選ぶなどは良いと思います。

比較検証出来る情報やツールはいくらでもありますが、この記事でまとめた内容を取り敢えずは頭の片隅に入れておくと良いと思います。

ちなみに私はNASDAQ100に2倍のレバレッジをかけたレバナスと、GAFAMを全く含まない半導体関連銘柄3倍レバレッジETFであるSOXLの組み合わせがお気に入りです。

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