S&P500は上がりすぎ?対数チャートで分かること・分からないこと

投資・お金:SP500は上がりすぎ?まだ上がる?対数チャートで確認を題材にしたイメージ

2026年10月17日見直し:将来の株価上昇を断定する表現と、対数軸なら形が変わらないという説明を修正しました。掲載チャートは2022年当時の記録です。

米国株は上がりすぎじゃない?
SP500はまだ上がる??

チャートを見ると、右肩上がりを続けていてバブルのようにも見えますよね。

良い加減もう上がり過ぎで、頭打ちになるのでは?と心配される声も聞くことがあります。

Y-bow

長期投資を始めるときでも、「今が高すぎるのでは」と気になるものです。まず、チャートの見え方と投資先の割高・割安を分けて考えましょう。

結論からいうと、対数チャートは値動きの割合を読む道具です。将来の上昇や、現在の価格が適正であることを保証するものではありません。以前の「全く心配は不要」という表現は撤回します。

S&P500は対数チャートで見るのが大事

NASDAQ100のチャートの見方は関連記事でも扱っています。そこでも、過去の形を将来の上昇保証にしないことが大切です。

この記事ではNASDAQ100よりも多くの銘柄に分散投資が可能な人気インデックス、S&P500に着目して『バブル的な上昇をしているのか?』を解説します。

特に “いつの時代も” 直近の株価がバブルに見える現象についてはより詳細に、実際のチャートを用いて説明します。

この記事で確認したいのは、同じデータでも縦軸によって印象が変わることです。「割高ではない」という結論には、企業利益や評価倍率など、別の確認が必要です。

売買を決める根拠をチャートの見た目だけにしないための、読み方の解説としてご利用ください。

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Y-bow医学博士
  • 投資家・個人事業主・医学博士
  • 投資歴17年 (学生時代から)
  • レバナス(為替ヘッジなし)とFANG+をメインに積立中
  • 地銀→野村證券→ネット証券
  • FIRE済み:好きで働いてます

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目次

いつでもバブルの様相を見せるS&P500

先ずは実際のチャートを見てみましょう。

S&P500の1956年以降のチャート(2022年2月末時点)は以下の通りです。

SP500の1956年以降のチャート
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以下の画像は2022年当時に掲載した過去のチャートです。現在値や最新の高値を表すものではありません。古い画像から正確な終値や過去最高値を読み取る比較はせず、縦軸による見え方の違いに注目してください。

いかにもバブルかのような、近年の上昇ぶりが目立ちます。

Y-bow

しかし本当にそうでしょうか?

少しずつ過去の時点にずらして行ってみましょう。

2019年12月末時点に遡ると、チャートは以下の通りでした。

S&P500の2019年末までのチャート
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バブルの様相ですね、この時点も中々の急騰ぶりです。

この図も過去の掲載画像です。表示期間と価格指数・配当込み指数の違いを確認し、現在の投資成績と混ぜないようにします。

さらに遡り、1999年12月末時点です。

SP500の1999年末までのチャート
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相変わらずすごいバブルの様相ですね。

1469まで上がっています。

さらにさらに遡ってみましょう。

以下のチャートは1987年8月末までのチャートです。

SP500の1987年までのチャート
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相変わらずバブルの様相ですね。。。

329まで上がっています。

似た急上昇に見える図が複数の時点で現れます。ただし、この見た目だけで各時点がバブルだった、またはバブルではなかったと判定することはできません。

Y-bow

もう何が言いたいのか分かりますよね。

皆さんが普段目にしているLinear表示(%表示でも同様)では、一定のペースで(例えば毎年4%ずつ)上昇していくチャートを見るとどの時点でもバブルのように見えます。

当然です。

100の4%は4ですが、1,000の4%は40です。

同じ4%の上昇でも4上がるのと40上がるのとでは見た目が大きく異なります。

それは縦軸が割合変化に適した表示方法になっていないためですので仕方がありません。

では、どうすれば適した表示にすることが出来るでしょうか。

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対数チャートで見るS&P500

バブルに見えるLinear表示のチャートも、縦軸をLog表示(対数表示)にすることで上昇ペースを正しく把握することが出来るようになります。

最初に紹介したS&P500の1956年からのチャートで実際に見てみると、以下の通りです。

S&P500の1956年以降のチャート:対数表示との比較
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左側に示した『バブルに見える』チャートも、対数表示にすると直線的に右肩上がりになっているのが分かります。

先ほどのように時期を遡って確認してみましょう。

2019年12月末までのチャートをLinear表示とLog表示で比較したものは以下の通りです。

SP500の2019年までの対数チャート
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印象は2021年までと変わらないですね。

対数軸では、同じ上昇率が同じ縦方向の距離になります。ただし、期間、縦横比、軸の上限・下限を変えると、見た目の傾きや形の印象は変わります。「期間を変えても全く同じ形」とする説明は正確ではありません。

もともと増減の割合が反映されていますので、切り取った部分がただ同じ形のまま表示されています。

折角なので1987年8月末までのチャートも示してみます。

SP500の1987年までの対数チャート
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相変わらず対数表示では直線的な上昇です。

この対数チャートは2022年までのチャートに表示されている1987年までの部分と全く同じ形です。

一方でLinear表示は切り取る期間によって全く印象が変わってしまうのです。

それがよく分かるように、切り取った期間がどのように『見えるのか』を以下に比較してみました。

SP500の期間別表示比較
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Linear表示では、2022年までの期間を表示していた時には1987年まではとてもなだらかで、バブルの様相は全く感じませんでした(左上)。

ところが、1987年までを切り取って見てみると、途端に1983年以降は急騰してバブルかのように映ります(左下)。

対数軸は割合の変化を比較しやすい表示です。同じ期間を比べる場合も、軸の範囲と縦横比をそろえて見ます。

現在の株価がバブルの様相を呈しているような上がり過ぎなのか、長期的な視点で見て一定割合での成長を続けているだけなのか、見誤らないようにしましょう。

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将来の株価を考えるときの確認点

ここまでで分かるのは、複利で増えるデータを通常の目盛りで描くと、後半ほど急に見えることです。現在のS&P500が割安か割高かは、これだけでは分かりません。

ではこの先も同じように上がり続けると考えても良いのでしょうか。

未来のことは(少なくとも2022年現在の科学水準では)誰にも確定的なことは分かりません。

参考になるのは過去の動向と伸び代の可能性だけです。

過去の動向については、数々の暴落や戦争を経験してきた人類史での超長期株価推移を見れば分かります。

米国株の長期の歴史は関連記事で確認できます。ただし、対象国、配当、物価、通貨、期間の条件で比較は変わります。すべての市場・期間で株式だけが増えるという一般則にはできません。

だから今後も上がる、ということでは確かにありませんが、人類は常に新しい価値を生み出しており、今この瞬間に働いている方が、そして休み無く働いているコンピューター(A.I.)が、それを継続しているのです。

日本はすでに人口減少が始まっていますが、世界の人口はまだ増加を続けています。

人口や技術革新は企業活動を考える材料になります。ただし、人口増加が続くか、成長の利益がどの企業へ届くか、それが既に株価へ織り込まれているかは、別々に確認する必要があります。

その中心地が米国で無くなれば、その時に地球の中心を担う国家や集団がその価値を高め続けることでしょう。

地球文明はまだまだ伸び代が大きく、その伸び代は我々の想像を遥かに超えるものです。

Y-bow

私自身が科学者なので身に染みて分かりますが、人類が目指している研究成果は果てしなく広がっています。

今はまだ夢物語かもしれませんが、一昔前までは病院の検査機器や携帯電話も夢物語で、飛行機で空を飛ぶことさえ当たり前ではなかったのです。

そしてこの先には、以下のように圧倒的な技術革新も待っていることでしょう。

私は技術革新が企業の成長につながる可能性に期待しています。ただ、社会が進歩することと、ある指数を今の価格で買って利益が出ることは同じではありません。長期の低迷や大幅な下落も想定して資金計画を立てます。

50年後、100年後にこの記事がもし残っているようなことがあれば、その時代の方々に是非コメントして頂きたいものです。

2022年当時の株価はバブルだったでしょうか?

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終わりに:S&P500の値動き

S&P500はNASDAQ100よりも分散が効いていることもあり、値動きが比較的穏やかな傾向にあります。

それでも長期的に見るとご覧頂いた通りかなりの値上がりを記録しており、ともすればバブルかと思われる場合もあるようです。

しかし一定の割合で成長し続ける時のチャートの理解は説明した通りで、適宜対数チャートで確認するようにしましょう。

例えば国の成長を知るためのGDP成長率というものを目にすることがあると思います。

GDPの成長も『割合=率』で表します。

当然、成長した社会がさらに成長する時には、小さな社会が成長する時よりも絶対値では大きく成長するからです。

成長した規模と成長率は別々に読む必要があります。GDP成長率も株価の上昇率も、比較の条件をそろえることが大切です。

Y-bow

この10年で増えたGDPはドングリ何個分でしょうか。。。

長期の視点は判断を整理する助けになりますが、損失をなくす方法ではありません。近く使う資金、分散、費用、想定する下落幅を、チャートと合わせて確認してください。

正しいお金の知識を付けて投資に臨みましょう。

説明の見直しと参照資料

Investor.gov:分散投資でも市場下落の損失はなくならない(2026年10月17日確認)

金融庁:NISAと投資の基本(2026年10月17日確認)

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