SPYの長期投資は儲かる?
積み立てたら元本割れしない?
SPYは、米国の大型株指数S&P500に連動する運用を目指すETFです。長い運用実績がありますが、株式に投資する商品なので、大幅な下落や元本割れは起こり得ます。
そしてS&P500に連動するETFの中ではもちろん、米国ETFの中でも最も歴史の長い(運用期間の長い)ETFです。
投資は長期に、かつ出来れば積み立てを継続することが重要ですが、そうした結果どのような資産形成が可能だったのかをSPYを例に見てみましょう。
設定日は1993年1月22日です。本記事のグラフは、元記事を作成した2022年までの過去検証として掲載しています。2026年までの最新成績を示すグラフではありません。
この記事ではSPYが設定された1993年から2022年までの長期投資、そしてITバブル崩壊直前やリーマンショック直前から投資を開始した場合のシミュレーションを紹介します。

本記事で見たいのは、最終的にいくら増えたかだけではありません。買い始めた時期によって、損失を抱える期間がどう変わったかにも注目してください。
記事中の過去シミュレーションは、元記事作成時にPortfolio Visualizerで作成したものです。米ドルでの運用結果と、日本の投資家の円での手取りは異なります。為替、分配金の再投資、税金、売買費用をそろえなければ、他の商品の成績と直接比較できません。

- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴17年 (学生時代から)
- レバナス(為替ヘッジなし)とFANG+をメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
SPYとは
SPYは長い運用実績を持つ大規模なETFです。純資産額や世界での順位は日々変わるため、最新値は運用会社の公式ページで確認してください。
State StreetのSPY公式ページに掲載された年間の総経費率は0.0945%です(2026年10月16日確認)。売買手数料や為替交換の費用は別に確認します。
SPYの分配は四半期ごとです。金額、権利に関わる日付、支払日は公式の分配履歴で確認してください。分配利回りは価格や分配額によって変わり、一定の利回りが約束されているわけではありません。
最新の価格・純資産・保有銘柄・分配履歴は、State StreetのSPY公式情報をご確認ください。SPYDは別の商品です。
そしてSPYの銘柄構成は、S&P500そのものです。
| 構成銘柄 | 構成比率(%) |
|---|---|
| アップル(AAPL) | 6.74 |
| マイクロソフト(MSFT) | 5.95 |
| アマゾン(AMZN) | 3.71 |
| アルファベット(GOOGL) | 2.16 |
| アルファベット(GOOG) | 2.02 |
| テスラ(TSLA) | 1.94 |
| エヌビディア(NVDA) | 1.75 |
| バークシャーハサウェイ(BRK/B) | 1.66 |
| メタ(FB) | 1.35 |
| ユナイテッドヘルス(UNH) | 1.26 |
| Top10合計 | 28.54 |
上の表は2022年3月時点の上位銘柄で、現在の比率ではありません。S&P500は幅広い業種に投資しますが、時価総額の大きい企業の影響を強く受ける点は変わりません。
S&P500は主に米国の大型株を対象とする指数です。米国の小型株まで幅広く含む全市場指数や、米国外も含めた全世界株式指数とは投資範囲が異なります。
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1993年からの長期投資
設定された時点で一括投資を行った場合
VS
2022年まで積み立て続けた場合
で見比べてみます。
一括購入とホールド
一括で購入した後、ひたすらにホールドし続けた場合の資産額の推移は以下の通りです。


この図の対象期間では資産が大きく増えています。ただし、対数目盛では大きな金額の増減が小さく見えることがあります。最終倍率だけでなく、途中の下落率と回復までの期間も確認しましょう。
積み立て
一方、積み立て続けた場合はどうでしょうか。
毎月100ドルずつ積み立てたシミュレーションは以下の通りです。


青い線がSPY、赤い線が元本(現金:CASHX)です。
この過去の試算では、下落中も積立を続けた結果、その後の回復局面で評価額が投入元本を上回っています。ただし、この結果を別の開始日や将来にも当てはめることはできません。
最初から投資できる現金を持っている人が分割して買う場合と、毎月の給与から積み立てる場合は、出発点が違います。一括と積立を比較するなら、投入元本、投資に回した時期、待機資金の扱いをそろえて考える必要があります。
次はそのような状況を見てみましょう。
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ITバブル崩壊直前からの投資
1999年末に一括で投資を行った場合
VS
同じく積立投資を開始した場合
で比べてみます。
それぞれのチャートは以下の通りです。


先ほどと同じく青い線がSPY、赤い線が元本(現金:CASHX)です。
一括投資と積立投資とでそれほど大きな違いが無いように見えますが、例えばリーマンショック後の2010年4月末には積立であれば元本を上回ります。
しかし一括の場合には2010年4月ではまだ元本を上回ることが出来ていません。



一括投資の場合には2013年3月にならないとリーマンショックから立ち直れませんでした。
ITバブルの崩壊はS&P500よりもNASDAQ100の暴落が目立ちましたが(実態を伴わないバブル)、多くの業種が総崩れしたリーマンショックはS&P500にも多大な影響を及ぼしました。
→ 次はそのリーマンショック前から投資を始めた場合について見てみましょう。
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リーマンショック直前からの投資
2007年末から、同様に一括で投資を始めた場合と積み立てを始めた場合の資産額の推移は以下の通りです。


青い線がSPY、赤い線が元本(現金:CASHX)です。
一括と異なり、積み立てでは2009年のうちに元本を上回ることが出来ています。
一括だと3年以上に渡って元本割れが続くことになり、精神的にかなりしんどい時期が続きます。



今見れば、チャートはその後上昇するのでさほど気にならないかも知れませんが、リアルタイムでこのような暴落を経験すると『元本割れの継続』は思いのほかダメージが大きいものです。
下落中にも買う積立では、平均購入価格が下がる場合があります。一方、相場が上がり続ければ、後から買う分の価格は高くなります。積立は購入時期を分ける方法であり、損失をなくしたり、必ず回復を早めたりする仕組みではありません。
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SPYの長期保有で確認したい下落リスク
長期の対数チャートでは、短期間の急落が小さな凹みに見えることがあります。しかし、その時点で生活費や教育費が必要な人には、大きな損失です。チャート全体の見た目と、家計が受ける影響を分けて考えましょう。
長期で保有するには、下落しても使わずに済む資金を投じていることが前提になります。
過去の含み益が大きくても、その後の損失に上限ができるわけではありません。保有額が増えたときほど、下落率を金額に換算して確認することが大切です。
「15年保有すれば元本割れしない」という保証はありません。対象市場、開始時期、配当、物価、為替、税金の条件によって、長期の成績も変わります。
下の図は元記事で掲載した過去の集計資料です。集計条件を現在の本文だけでは十分に再現できないため、将来の期待利回りを6〜7%と置く根拠には使用しません。資金計画では、複数の利回りと下落ケースを試しておきましょう。


S&P500への投資を考えるときには、過去の上昇だけでなく、将来使う資金をどこまで株式に振り向けられるかが大切です。米SECの資産配分の解説でも、運用期間とリスク許容度を分けて考えています。
同じS&P500を投資対象にする非上場の投資信託も、毎月の金額指定積立などに使えます。SPYと比べる際には、年間の保有費用だけでなく、分配金の再投資、税金、為替費用、注文単位を確認します。
初めての投資なら、商品を選ぶ前に、生活費の予備と、何年後に使う資金なのかを整理しておきましょう。具体的な準備は投資初心者の最初の一歩にまとめています。



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コメント
コメント一覧 (5件)
[…] 赤がSPY(S&P500)、青がINDLです。 […]
[…] SPYは最も歴史の長いETFでもあり、VOOと運用成績に遜色はありませんが、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドが採用している方に合わせました。 […]
[…] ETF『SPY』を用いて、一括で投資を行った場合と積立で投資を行った場合の資産総額の推移は以下の通りです。 […]
[…] ベンチマークとしてS&P500に連動するSPYと重ねてみました。 […]
[…] SPYはS&P500に連動するETFです。 […]