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ブロガーやYouTuberが収益ゼロでも個人事業主になるべき理由

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私は個人事業主として様々な事業所得を持っており、本業と副業収入の比率は概ね50:50です。

副業解禁に伴い、多くのサラリーマンが収入を増やそうと様々な副業を始めています。

中でもブログやYouTubeで収益を上げることは、参入障壁の低さとSNS等の延長的な意識からかブームとも呼べる流れに乗って人気を博しました。

次いで動画配信は一般に広く普及し、撮影・配信機材の進化と手軽さも相まって、人気ユーチューバーの後を追う若者が増えました。最近では年齢問わず、独自の有益なコンテンツを配信する方も増えたように思います。

しかし、その収益が上がっても尚お金の管理には疎いのが日本人。お金に関する教育不行き届きから、知らずに搾取されている人のなんと多いことでしょう。

そこでこの記事では、正しく節税を行い、収益を上げても搾取されることが無いように最低限のお金の知識を提供します。

読み終わる頃には、どうすれば自分の収益を守れるのかがイメージ出来ているでしょう。

目次

収入と税金の関係

細かな数字は後でいくらでも知ることが出来ますので、まずは日本の課税の構造をざっくり理解しておきましょう。

税率計算は煩雑と思われるかも知れませんが、構造自体は極めて単純です。

皆さんが働いた対価として会社などからお給料を受け取りますが、その総額から一定の金額を控除(言わばタックスフリー部分)し、残りの部分にそれぞれの収入に見合った税率を掛け算して納税額が決定します。

所得税、住民税といった税金はサラリーマンであれば毎月の給料から天引きされていますので、意識していなければ『なんか税金高いよねー』くらいで終わってしまうと思います。

税金と課税所得の関係

これらの税金は皆さんを雇用している会社が責任を持って国や自治体に納めていますので、脱税の心配などはありません。しっかりと国民の義務を果たしているわけです。

なおご存知の通り日本は累進課税制度を取っています。所得区分ごとの税率を詳しく知りたい方は国税庁のHPに資料がありますのでそちらをご確認下さい。

個人事業主の経費とは

個人事業主になると何が変わるのかについて、『経費』を計上することで節税が出来るというイメージがあるのではないでしょうか。

ざっくりですが、間違ってはいません。実際には、個人事業主でなくても副業を始めれば『その副業のために要したお金』は経費として計上することが出来ます

経費にはどんなものが挙げられるでしょうか。

ブロガーやYouTuberであれば、例えば以下のようなものが考えられます。

○ 経費に出来るもの

・有料テーマ、サーバーレンタル代、キーワード検索ツール等の使用料
・パソコンや執筆・撮影に要する専用機材一式
・デスクやスタジオなどの環境整備費用

ただし、いずれもその副業に『専用』である必要があります。

言い張るだけではなく、客観的に見てそれが妥当であるか否かが重要なポイントになります。従って、以下のようなものは経費として認められません。理由は、私生活や本業でも使用する可能性が指摘されるためです。

× 経費に出来ないもの

・YouTube撮影用の衣装(スーツや靴、ネクタイなど)
 →本業でも着用出来るため
・撮影用のiPhone

 →私生活でSNSやゲームにも使うため
・テーマと直接関連の無い旅行費用

 →取材と割り切れない観光と区別不能なため

ただ一部に例外もあり、家事按分という考え方があります。

これは副業『専用』では無いものの、明らかにその副業に使っていることが客観的に説明可能なものです。

例えば以下のようなものが挙げられます。正しく説明出来るのであれば経費に計上が可能ですので、税理士や会計士などに相談してみましょう。

経費に出来る場合があるもの

家賃の一部
 →自宅の一室が撮影?編集の作業部屋になっている場合
ガソリン代の一部
 →副業のために週末だけレンタルスペースに移動する場合など
通信費の一部
 →動画や記事のアップロードに必要な回線の利用など

これらを経費に計上出来るかどうかは、行なっている副業によって様々です。ここに挙げた例はほんの一部ですが、重要なのはその『考え方』ですので、ご自身の副業内容に照らして考えてみましょう。

例えば、有名ユーチューバーが『ネタとして』腕時計を購入し、レビュー撮影後に売却したような場合には、購入金額と売却金額との差額は経費として認められるかもしれません。売却せずに廃棄するのであれば全額が経費として認められる可能性もあります(※廃棄して拾ってきた、などという言い訳は通用しません)。
しかし撮影衣装として腕時計を購入した場合には認められません。税務署を納得させられるだけの説明が出来ませんし、本業の給与所得控除の中には身だしなみを整えるための経費が含まれていると考えられるためです。

個人事業主になる意味

上で説明した経費計上は、何も個人事業主でなくても出来ることです。

副業を始めて収益が上がれば、例えばGoogleアドセンスで年間30万円の収益があり、そのためにPCやサーバー等の経費が5万円かかっていれば、30万円からその5万円を控除した25万円が課税対象になります(要確定申告)。

では、あえて開業届を出して個人事業主になるメリットは何があるのでしょうか。

ここでは節税という観点でのみ説明することにします。

個人事業主になるということは、所得の種類が『雑所得』から『事業所得』になります。事業所得にも要件があり、ある程度の規模と継続性などが指摘されますので、本気で臨む副業がある場合に検討しましょう。

個人事業主になって事業所得を持った場合のメリットは、大きく分けて以下の5つがポイントになります。

1. 青色申告特別控除(65万円)を受けられること
2. 他の所得(複数の副業、不動産による家賃収入など)と損益通算が出来ること
3. 赤字の繰り越し/繰り戻しが3年間可能なこと
4. 30万円未満なら少額減価償却資産を一括で計上出来ること
5. 家族への支払い分を経費にすることが出来ること

ちょっとごちゃごちゃしていて分かりにくいでしょうか。簡略化して図解してみましたので、この方が少し分かりやすいかもしれません。

経費計上による節税の図解

特に副業を始めたばかりの頃は青色特別控除の額はバカになりませんし、初期投資として必要になるPCや撮影・編集機材などの高額製品を一括で経費計上出来ることはとても大きいです。

青色進行特別控除だけで、実質毎月54,000円までは非課税ということになります。

そして複数の副業を行なっている場合には、黒字部分と赤字部分を相殺することも出来ます。そして赤字は3年先まで繰り越すことも出来ます。

収益ゼロの年に10万円の赤字を出して、翌年は10万円の黒字が出た場合、それらを相殺することが出来るのです。

税制上のメリットを100%享受するためには、副業についてだけでなく国の税金の仕組みを良く勉強しなければなりません。日本人のマネーリテラシーの低さは特筆すべきレベルですので、この記事を読まれた方は良い機会です。ぜひ正しいお金の知識を身に着けるようにしましょう。

今の仕事に不満があり、独立したいと考えている人にとっても、大変良い勉強になると思います。

個人事業主になるべき理由まとめ

ブログにしろYouTubeにしろ、副業として少なからぬ収益を上げている方も増えてきました。

しかし、税金の仕組みを知らないがために必要以上に税金を払い続けている人もまた多くいます。

正しいお金の知識を持って、効率よく資産形成を進めていきましょう。

例えば、副業収入が小さくても投資に回す意味はあります。税金の仕組みどころか投資にも疎い方が多いと思いますので、一度考えてみましょう。

また、投資で得られるリターンを甘くみている人も多いようです。なぜ日本がこれほど貧しくなって、副業しなければ満足に遊ぶお金も捻出出来なくなってしまったのでしょうか。投資について今一度考える時間を取るのも良いと思います。


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