投資に関心を持つ方も増えてきて、NISAやiDeCoの利用者も少しずつ増加しているようです。
そんな中でも米国株は長期的な値上がりを期待した長期投資に活用されることが多く、FIREを目指した若者にも人気が出てきています。
米国株と一口に言っても、様々なインデックスが存在します。
- NASDAQ100
- S&P500
- ラッセル1000
- ラッセル2000
- CRSP USトータル・マーケット・インデックス
など、各種規模感で取り揃えられています。
NASDAQ100やS&P500は有名ですが、その他はあまり馴染みが無いという方も多いかもしれません。
NASDAQ100やS&P500は大型株で構成されていますが、中小規模の銘柄も含めたインデックスもあり、中でも米国市場の大半をカバーする4,000もの銘柄を含むのが『CRSP USトータル・マーケット・インデックス』です。
この記事では、中型/小型株を含めて広く米国株に投資が可能な『CRSP USトータル・マーケット・インデックス』に投資をする方法について、初心者にも分かり易く解説します。
シミュレーションについては以下の記事を参考にされて下さい。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
米国株(大型/中型/小型株)への投資方法
長期投資は分散、インデックス投資が基本になります。
個別銘柄を漁るのは不毛だからこそ、皆さんも広く米国株への投資を考えていらっしゃるのだと思います。
その上で、NASDAQ100やS&P500には含まれない小型株も含めて、広く米国株全体に投資をする分散投資も人気を集めています。
NASDAQ100やS&P500も大変に魅力的なインデックスですが、より広く分散投資したいという方に向けた投資商品が存在しています。
米国の4,000にも登る銘柄の指数となるのが『CRSP USトータル・マーケット・インデックス』で、それに連動するETFが『VTI(Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF)』です。
ETFはExchange Traded Fundsの略称で、日本語では上場投資信託と呼ばれます。
投資信託とETFの違いが良く分かっていない方は、以下の記事を参照ください。
ではこのVTIに投資するにはどうすれば良いのか、次はその説明をします。
VTIに投資するには
VTIに投資する方法は大きく分けて二つあります。
- VTI(ETF)を購入する
- VTIに投資する投資信託を購入する
どちらも利用可能です。
VTIに投資する投資信託は主に以下の3つです。
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天投信投資顧問)
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(SBIアセットマネジメント)
- 楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(楽天投信投資顧問)
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは通称USA360と呼ばれる商品で、投資金額のうち90%はレバレッジ無しのVTIへの投資になります。
ただし残る10%部分の一部を担保に270%分の米国債へ投資を行うもので、ややトリッキーな商品のためここでの紹介は割愛します。
興味のある方は以下の記事をご覧下さい。
ETFにするか、投資信託にするか、決める際に最低限把握しておきたいポイントは以下の通りです。
投資信託 | ETF | |
---|---|---|
経費率(手数料) | 0.0938〜0.162% | 0.03% |
最低購入金額(購入単位) | 100円 | 1株〜 (※3万円程度) |
自動積立 | 可 | 可 |
配当金の自動再投資 | 可 | 不可 |
NISA | 対象 | 対象外 |
運用資産規模 | 5,527億円(楽天VTI) | 22兆8,833億円 |
※2022.4.8現在の参考価格 |
ETFの方が優れた点は、極めて低い手数料と、圧倒的に巨大な運用額です。
投資信託の方が優れた点は、少額での投資が可能なことと、配当金再投資の手間がかからないことです。
加えて投資信託の方はNISAが使えます。
楽天VTIもSBI・VTIも、結局はこのETF『VTI』の一部ですので、実質的には投資先は一緒です。
VTIの不便なところ(配当金を自動で再投資出来なかったり、100円単位で購入できなかったり)を、手数料を上乗せして解消したものが投資信託です。
いずれについても購入手続き自体は簡単で、特に手続きが全てオンラインで完結する主なネット証券会社での手続きについては以下の記事にまとめています。
お得な証券会社もピックアップしているので、ぜひ参考にされて下さい。
VTIの中身を確認
VTIは米国株およそ4,000銘柄で構成されることは冒頭で紹介した通りです。
その内訳を見てみましょう。
ただ4,000銘柄を並べてもポートフォリオのイメージが掴めませんので、セクターごとにどの程度の割り振りになっているのかを紹介します。
以下の通り、全体的な比重は情報技術セクターが高めではありますが、11のセクターに分散されているのが分かります。
セクター | 構成比率 |
---|---|
Basic Materials(素材) | 2.10% |
Consumer Discretionary(一般消費財) | 15.30% |
Consumer Staples(生活必需品) | 5.10% |
Energy(エネルギー) | 3.80% |
Financials(金融) | 11.70% |
Health Care(ヘルスケア) | 12.60% |
Industrials(資本財・サービス) | 12.80% |
Real Estate(不動産) | 3.50% |
Technology(情報技術) | 27.70% |
Telecommunications(通信) | 2.60% |
Utilities(公共事業) | 2.80% |
具体的な銘柄Top10は以下の通りです。
構成比率上位10銘柄 | |
---|---|
1 | Apple Inc. |
2 | Microsoft Corp. |
3 | Alphabet Inc. |
4 | Amazon.com Inc. |
5 | Tesla Inc. |
6 | NVIDIA Corp. |
7 | Berkshire Hathaway Inc. |
8 | Meta Platforms Inc. |
9 | UnitedHealth Group Inc. |
10 | Johnson & Johnson |
この10銘柄で、2022年2月28日時点の構成割合は24.70%となります。
これが他のインデックス、例えばS&P500等とどの程度被りがあるのかについては、その調べ方と併せて以下の記事が参考になると思います。
例えばVTIはS&P500とは84%の重複があります。
だからS&P500で良い、のかどうかは個人の判断によります。
資本財セクターや不動産、金融セクターなどはS&P500よりも若干VTIの方が高くなっています。
終わりに
米国株に幅広く分散投資することを目的に作られたETF『VTI』は、ETFとしてはもちろん、投資信託としても購入することが可能です。
人気の楽天証券やSBI証券はもちろん、多くの証券会社で取り扱いがあり、購入の敷居はかなり下がったと言えます。
手っ取り早く楽天証券で買ってしまうのが私は良いと思います。
大和レバナスも楽天レバナスも、少額からの積立OK
SOXL、TECLなどのETFも積立・ポイント投資が可能に(2021.12〜)
楽天カードでの投資ならポイントも貯まり、ポイント投資でSPU+1%upも!
今後は益々資産形成の必要性が高まり、自分で運用することが求められるようになっていきます。
その時にコアとなる資産をVTIで運用することも考えられるでしょう。
米国株への投資は本当に選択肢が増えましたが、小型株まで含めたほぼ全ての米国株への投資を考えた場合には、この記事で紹介した3商品を知っておけば十分です。
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天投信投資顧問)
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(SBIアセットマネジメント)
- VTI(バンガード)
VTIも、2021年末からは楽天証券でポイント投資の対象にもなりましたので、より身近に感じられるかもしれません。
もちろん他の金融商品についても知った上で投資先を検討するべきですが、まずは投資してみるというのも良いでしょう。
正しい情報を十分に収集して、資産形成を進めましょう。
例え100円の積み立てだとしても、長期に渡れば馬鹿になりません。
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