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VT, VTI, VOO|長期積立ならどれが良い?成績比較と買い方

VT-VTI-VOO-comparison
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全世界?全米?SP500?
投資するならどれ?

・VT=全世界株式
・VTI=全米株式
・VOO=S&P500

にそれぞれ投資が可能なETFです。

これらのインデックスに投資可能なETFは他にもありますが、設定からの期間が長く手数料も少ないVTを運用するVanguard社のETFに絞って比較してみます。

なおVanguard(バンガード)社は世界3大運用会社の一つとされ、Black Rock(ブラックロック)社に次ぐ規模です(3位はState Street(ステート・ストリート)社)。

またこれらのインデックスに投資が可能な投資信託もありますが、この記事ではETFに限定して解説します。

VT, VTI, VOOの長期積立投資の成績比較

投資信託とETFの違いについては以下の記事を参考にされて下さい。

目次

VT, VTI, VOOの違い

まずそれぞれの銘柄に関する説明です。

VT(Vanguard Total World Stock ETF)

VT(Vanguard Total World Stock ETF)は、『FTSE Global All Cap Index』というインデックスに連動するETFです。

簡単に言えば、全世界の先進国・新興国にまとめて投資をする銘柄です。

米国に限らず、あらゆる株式を対象としていて、保有銘柄については四半期ごとにリバランスされます。

その内訳については時価総額加重平均で調整されるため、その時々で強い国に偏ります

従って、2022年現在は圧倒的に米国偏重です。

その半分以上が米国株で構成されていて、Top10銘柄はS&P500のTop10とほとんど一緒です。

Y-bow

VT, VTI, VOOの上位10銘柄の比較は3種類の紹介の後に並べて紹介します。

VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)

VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)は、『CRSP US Total Market Index』というインデックスに連動するETFです。

CRSPとは『Center for Research in Security Prices(シカゴ大学証券価格調査センター)』の略で、シカゴ大学ビジネススクールの一角です。

時価総額加重平均で、全米株式のほとんど全て(99%程度、3,500社以上)を含むインデックスとなっています。

USトータルというだけあってVT以上にS&P500に近い構成で、Top10はS&P500と全く一緒です。

投資信託『楽天・全米株式インデックス・ファンド』や『SBI・V・全米株式インデックス・ファンド』でもお馴染みです。

Top10はS&P500と同じですが、多くの小型株も含みます(影響は小さいですが)。

VOO(Vanguard S&P 500 ETF)

VOO(Vanguard S&P 500 ETF)は、『S&P500』というインデックスに連動するETFです。

SP500はVT, VTIが連動するインデックスよりも圧倒的に知名度が高く、日本でも人気の米国インデックスの一つです。

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しているアメリカの代表的な株価指数の一つで、その名の通り500社の米国大型株で構成されています(2022年現在、厳密には505銘柄)。

米国企業全体の株価指数となることを目指して算出されているだけあって、米国の成長を如実に表す指標になっています。

このインデックスに連動する投資信託も多くあり、積み立てを行っている方も少なくないのでは無いでしょうか。

構成銘柄の比較

VT, VTI, VOOの構成銘柄Top10と、そのTop10銘柄が全体に占める割合は以下の通りです。

VT, VTI, VOOの銘柄Top10
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この3つのETFの上位10銘柄のうち、Top8は全てに共通です。

VTIとVOOはTop10銘柄が完全に一致していて、全体に占める割合も25.10%(VTI)と30.10%(VOO)と肉薄しています。

VTだけは15.40%ですのでやや低めであるものの、全体としてかなり類似している様子が伺えます。

表中で、いずれも3位に位置している『Alphabet Inc.』はGoogleのことです。

また『Meta Platforms Inc.』はFacebookのことです。

つまり、VT, VTI, VOOのいずれもTop6はGAFAM+テスラという構成になっています。

これだけ見ても、全世界とは言いつつ結局米国に偏る、という状況がよく分かります。

これはVTが分散出来ていないという意味ではなく、今は米国が強いので米国を多めに取り入れているに過ぎません

仮に米国が凋落し、米国株式市場がボロボロになって、他国が台頭した場合にはその台頭した国の銘柄が多勢を占めることになります。

その時、VTIやVOOは大きく下げる一方で、VTだけは下げ幅を抑えて上昇に転じる、ということも考えられるでしょう(あくまでも可能性として)。

では次に、それぞれの運用成績を確認してみましょう。

Top10は似ていてもそれ以外の部分には違いがありますので、それがETFの価額としてどのように反映されてきたか、確認してみます。

VT, VTI, VOOの成績比較

まずはそれぞれのチャートを見てみましょう。

VT, VTI, VOOの過去の推移は以下の通りです。

VT, VTI, VOOの過去のチャート
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Top10はあれだけそっくりだったにも関わらず、VTの一人負けの様相です。

右側のチャートは縦軸を対数表示にしていますので、『傾き』が重要な指標になります。

こうして見るとあまり大きな差はありませんが、VTだけ若干傾きが緩やかになっています。

これらを長期に積み立てた場合はどうなるでしょうか。

それぞれ毎月1万円(100ドル)を積み立てた場合の結果は以下の通りです。

いずれも元本よりも大きく値上がりしていますが、やはりVTだけがやや成績が悪い様子が分かります。

VT, VTI, VOO積み立てシミュレーション
クリックで拡大出来ます

年間崩落率を見ても、2011年や2015年はVTだけが下落するなど、イマイチな傾向が目立ちます。

ただ一方で、2012年や2017年などはVTが最も成績が良く、2022年も1月末までの1ヶ月間ではVTの下落が最も小さく抑えられていることも特徴的です。

GAFAMの調子に大きく左右されますが、その寄与度はVTが最も小さく、VOOが最も大きくなっています。

これら巨大ハイテク企業の成績が良ければVTよりもVTIやVOOが大きく上がり、そうでなければVTの成績が相対的に良く見える場合がある(相対的にGAFAMよりもその他企業の成績が良い場合がある)ことを表しています。

全体の傾向として、VTは人類が進歩する限り上昇し続け、その中心地が米国である間はVTIVOOといった米国集中型のETFの方がパフォーマンスが良い、ということです。

より多くの企業に分散し、GAFAMを始めとした米国への集中投資を少しでも緩和しておきたいという場合にはVTは良い選択肢になるでしょう。

一方で、米国が経済と技術開発の中心地である限りは、米国株により集中した投資が出来るVTIやVOOがより良い選択肢となるでしょう。

リスク許容度と分散の考え方次第で選ぶことになりますが、もちろん同時に持つことも出来ますので、これらの成績はポートフォリオを組む時の参考にして頂ければと思います。

この後はおまけで、さらにリスクを取って米国に投資する時に取り得る選択肢(NASDAQ100とレバレッジの利用)との比較をしてみます。

QQQ, QLDとの比較

QQQ(NASDAQ100に連動するETF)、QLD(NASDAQ100に2倍のレバレッジをかけたETF)の2つと比較してみます。

QLDは当サイトで度々解説を行っている『レバナス』のETFバージョンだと思って頂ければOKです。

SNS界隈では特にレバナスの人気が高まってきており、Googleトレンドで見ても2021年夏以降に急激に検索頻度が上昇しているのが分かります。

このレバナス(≒QLD)が、VTやVTI、VOOと比較してどのような成績なのか、過去のチャートは以下の通りです。

QLDとVTIとの比較
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見ての通りQLDが圧倒的な成績で、QQQを見てもVT/VTI/VOOよりも大きな上昇を見せています。

これは2010年代以降に特にGAFAMが強いことから顕著で、NASDAQ100はGAFAMが40%以上を占めますのでその影響が強く出ているためです。

積み立てた場合と、年毎の崩落率は以下の通りです。

VT, VTI, VOO, QLDの積み立てシミュレーション
クリックで拡大出来ます

VTがVTIやVOOよりも成績が悪かった年(GAFAM好調:2013年、2014年、2015年、2018年など)はもちろんのこと、VTがVTIやVOOよりも上がった年(2012年、2017年)もQQQが好調です。

未来永劫この傾向が続く保証は何処にもありませんが、ただ傾向としてVTよりもVTI/VOOが強いような時期は、QQQ/QLDがさらに強いと言えるかもしれません。

レバナス/QLDへの積み立て投資が如何に資産形成に有利に働くかは以下の記事をご覧頂ければ分かると思いますが、ポートフォリオの一部にでも入れておけると良いかもしれません。

他方、これだけ大きなリターンが見込める米国株式市場にあって、NASDAQ100の強さは際立っているにも関わらず、日本国内ではつみたてNISAの指定インデックスに選ばれず、2024年以降の新NISAでも投資することが出来ないのは残念です。

NASDAQ100に投資したいのであれば、NISAは諦めて特定口座で運用しましょう。

まとめ

一口に米国株投資と言っても、様々な選択肢があります。

全世界を対象とする投資『VT』にするのか、米国株全体に投資する『VTI』にするのか、厳選した大型株に投資する『VOO』にするのか。

時としてVTの成績が他に勝る場合もあれば、GAFAMが好調な時にはVOOが最良の成績を出す場合もあります。

いつ、何が起きるか分からず、米国一強時代がいつまで続くかも分かりませんので、保守的に考えればVTが安全とも言えるでしょう。

ただ、現代においては米国が非常に強く、中でもNASDAQ100の最強時代が続いてきています。

Y-bow

投資の世界では『隣の芝が青く見える』状態の心理は投機的な発想を生むため危険です。

それを抑える目的でNASDAQ100やレバレッジ商品をポートフォリオに組み込んでおくのは『アリ』だと私は考えます。

何より私のポートフォリオはハイリスク商品(レバナスやSOXLなど)が大きなウェイトを占めていますので、それでFIRE出来ることは一つの参考情報になるかと思います(時期にもよるのであくまで参考まで)。

まずは自身のリスク許容度を知り、また投資出来る期間の長さを踏まえて、どのような積み立てを行っていくのかを考えてみて下さい。

当サイトの情報が難しいと感じる場合や、信用に欠けると感じられた際には、ファイナンシャルプランナーなどに相談してみるのも良いでしょう。

以下に紹介しているサービスは投資家目線で使えるだろうと判断したもののみを取り上げていますので参考にされて下さい。

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