株価が低迷している時は特に、この先本当に上がっていくのか不安になりますよね。
いくら100年、200年に渡って上がり続けているとは言え、本当に大丈夫だろうか、と。
NASDAQ100に連動する投資信託で長期積立を行なっている方の中には、まだ積立期間が短いと含み損を抱えてしまっている場合もあるかもしれません。
大丈夫です、長期的には右肩上がりになると考えられます。
過去を振り返ってももちろんそうですが、NASDAQという市場についての理解を深めることで、さらに安心感を得ることが出来ると思います。
この記事ではNASDAQという市場が何故投資に値するのか、今後も上がり続けると考えられる納得の3つの視点を解説します。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
NASDAQは上場要件が攻撃的
NASDAQには3つのクラスがあり、上場要件が厳しい順に、
- グローバル・セレクト・マーケット
- グローバル・マーケット
- キャピタル・マーケット
があります。
最も下位のキャピタル・マーケットの上場要件にはEquity Standard(資本基準)、Market Value of ListedSecurities Standard(流動性基準)、Net Income Standard(利益基準)が設定されています。
この3つの基準項目に対して、以下のように定められています。
要件 | 資本基準 | 流動性基準 | 利益基準 |
---|---|---|---|
株主資本 | 500万ドル | 400万ドル | 400万ドル |
時価総額(浮動株) | 1,500万ドル | 1,500万ドル | 500万ドル |
事業継続年数 | 2年 | − | − |
時価総額 | − | 5,000万ドル | − |
継続事業利益 (直近1年 or 過去3年中の2年) | − | − | 75万ドル |
浮動株式数 | 100万株 | 100万株 | 100万株 |
株主数 | 300 | 300 | 300 |
マーケットメーカー数 | 3 | 3 | 3 |
買値 売値 | 4ドル 3ドル | 4ドル 2ドル | 4ドル 3ドル |
この3つの基準のうち、いずれか一つの基準を完全に満たすことが上場要件です。
上場を維持するための要件は別途定められていて、この上場要件をやや緩和した内容になっています。
上位2つのクラスについてはさらに厳しい要件が課せられています。
この要件、赤字でも、売り上げがなくてもOKというところがポイントです。
そして実際に売り上げが無い企業が上場するケースも少なくありません。
売り上げゼロで数十億円の赤字を抱えたままでも上場するケースもあり(例:ASLAN Pharmaceuticals)、その企業の将来性が高く評価される背景が伺えます。
日本でも実は東証マザーズでは黒字であることが要件になっていませんが、実質的に売り上げもなく利益も無しでは上場は出来ないでしょう。
NASDAQはこれから開発と事業拡大を狙う技術力のある新興企業が、その開発のために資金を調達する場でもあるのです。
日本は保守的な考え方が強く、小さくてもそこそこ出来上がった会社を上場させるというイメージです。
将来大きく化ける可能性のある企業を多く抱え、インキュベーションすることが出来るのがNASDAQです。
(上場廃止基準は時価総額や株主数など細かく設定されていますのでポンコツ企業が生き残ることは出来ません)
日本人的な感覚では、売り上げが出て黒字の会社が安定で上場に値する、と考えてしまいがちです。
ところが、そのせいで小さく成長性も無い事業をこじんまりまとめた会社が増えてしまうのです。
上場とはそもそも、市場から開発資金を調達して事業を拡大することが目的です。
この間違ったことをしていないのがNASDAQです。
だからGoogle、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft、テスラ、NVIDIAなどが育ってきたんです。
日本にはGAFAMは生まれないというのは、そもそもそんな素地が無いからです。
日本のスタートアップ投資はナンセンスすぎて大変です(経験談)。
NASDAQ100指数はいつの時代も選りすぐりの企業集団
NASDAQ100というのは、NASDAQに上場している企業のうち金融銘柄を除いて時価総額が大きいTop100で構成される株価指数です。
Top100社の時価総額加重平均株価指数です。
時価総額加重平均株価指数とは:
組入銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計で除算して求めるもの
Wikipedia 時価総額加重平均型株価指数より
要するに、企業価値の高い100社を、“大きい会社ほど指数に大きな影響を与える”ように計算されたものです。
そのことから、NASDAQ100に占める100企業の構成割合/比重はTop100の中でも上位の巨大企業が大きくなっています。
そのイメージを視覚的に把握するのに便利なツールがネット上にあり、最も使い勝手の良い私のおすすめは大和アセットマネージメント社の『オーナーシップ電卓』です。
日々最新のデータに更新されているわけでは無いのであくまでも参考にして頂ければと思いますが、金額を入力するとその金額でどの企業にいくら投資したことになるのかが自動計算されるツールです。
面積はその企業のNASDAQ100に占める割合をそのまま反映しており、以下の図のようにいかにGAFAMの比率が大きいかが分かります。
例えば100万円と入力するとGAFAMの合計金額は82万円となります。このオーナーシップ電卓は『レバナス』で計算されていますのでレバレッジ2倍、つまり投資金額の2倍になっています。
つまり、100万円で200万円分の投資が行われることを表していますので、この表示金額の2分の1がNASDAQ100に占める割合となります。
82万円なら41%ということです。
他にも手軽に確認出来る資料は沢山ありますが、ブルームバーグのETF(QQQ)のページが分かりやすいかなと思います。
2022年2月時点ではGAFAMの占める割合はおよそ41%、テスラとNVIDIAの2社でおよそ8%と、これら7社でほぼ半分を占めている状態です。
見方によってはNASDAQ100指数の動きはこれらの巨大企業の株価に引っ張られ、Top100のうち11位以下が“その他大勢扱い”になってしまっているとも言えます。
しかしこれは、それだけ強い企業の成長を強く反映出来る指数であるというのが本質です。
仮にGAFAMが凋落すれば、それら企業のNASDAQ100への影響力が弱まったり、場合によってはNASDAQ100から外されたりするだけのことです。
もちろん一過性に大暴落をきたす恐れはありますが、NASDAQ100は常にNASDAQの最強100社が選出されますので、長期的に見れば人類文明の発展とともに右肩上がりになることが期待されます。
人類文明の発展は果てし無く続く
NASDAQ100が科学技術・産業の発展に伴って、歴史が示す通り今後も上昇し続けると仮定すると、NASDAQ100がどこまで上がるかは科学技術・産業がどこまで進歩するかにかかっていることになります。
スマホもPCも十分に高性能になり、電気自動車も性能が向上し、過去100年とこれからの100年では伸び代が随分と違うのではないかと心配になる方もいるかもしれません。
この点は全く心配無いと思います。
NASDAQ100は上がりすぎなのかを検証した記事でも触れましたが、科学技術・産業の進歩は指数関数的に加速しながら進んでいて、その流れは当面変わらないと予想されます。
50年前にiPhoneやノートPCの登場を予見出来なかったように、50年後の新技術は予見出来ません(各分野の最先端研究者にはそれぞれの未来が見えているかもしれませんが)。
SFの世界にしか無かったものが次々に現実になってきていることを考えると、スペースコロニーへの居住もそのうち実現するのでしょう。
核融合炉も出来ているかも知れません。
進歩の先は相当な伸び代があります。
宇宙の文明レベルの尺度に照らしても、人類はまだ下の下ですから、1,000年、2,000年と安心して長期投資に臨みましょう。
終わりに:NASDAQ100は上がり続ける
投資の本質は企業の成長です。
地球レベルで見て株価/企業価値が上昇しないのであれば、それは人類社会の衰退を意味します。
そうであれば投資という概念も崩壊し、全てが“当たり”を狙うギャンブルと化してしまいます。
逆に、地球レベルで見て株価/企業価値が上昇するのであれば、必ず右肩上がりになるインデックスは存在します。
その中でもNASDAQは世界中から強豪が集まる市場であり、さらにそのTop100で構成されるNASDAQ100がいかに強力なインデックスかは推して知るべしです。
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