2026年10月17日確認:SPXLとSOXLの取り違えを訂正し、2022年の図表と現在の条件を区別しました。ベア型の日次目標と、将来の株価は保証されないことを補っています。
株価が低迷してるけど
ベアなら儲かるの?
株価が低迷している期間、長期的に積立を継続するモチベーションあるいはその決意が揺らぐことがあるかもしれません。
大きな下落、長引く株価低迷は狼狽売りを誘うだけではなく、ともすればベア型レバレッジ商品に関心が向くこともあろうかと思います。
株価が下がった時に儲けが出るベア型は、株価が低迷すればするほど魅力的に映るかもしれません。
そこでこの記事では、米国株インデックスにベア型でレバレッジをかけるETFについて取り上げ、それが長期投資には向いていないことを改めて解説します。

ベア型レバレッジETFが長期投資に向いていないことは多くの方が頭では理解されていると思いますが、不況が長引くとベア型でもいけそうな錯覚に陥ってしまうこともあります。
改めてその成績・値動きを確認することで認識を改め、正攻法での資産形成を目指すきっかけになればと思います。

- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴17年 (学生時代から)
- レバナス(為替ヘッジなし)とFANG+をメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
ブル型・ベア型とは
- ブル型とは、株価が上昇している時に利益が出るようにデザインされた金融商品です。
- ベア型とは、株価が低下している時に利益が出るようにデザインされた金融商品です。
ブルは雄牛のことで、レッドブルのロゴマークでお馴染みですが、ツノを突き上げる動きが株価の上昇をイメージしています。


ベアは熊のことで、背中を丸め、腕を振り下ろす動作が株価の下落をイメージしています。
先物取引あるいは信用取引では、『安く買って高く売る』以外に、『高く売って安く買う』ことが出来るためベア型という手法が成立します。



つまり、先に売っておいて後から買い戻すという投資手法です。
レバレッジ投資の際には先物取引が活用されますので、買いから入るか売りから入るかでブル型とベア型を作り分けることが可能になります。
このことからも明らかなように、ベア型が利益を上げられるのは株価が下がっていく場合です。
そうしないと“後から安く買う”ことができません。
次は実際に同じインデックスに連動するレバレッジETFで、ブル型とベア型の成績を確認してみます。
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SPXLとSPXS
レバレッジETFにはさまざまなレパートリーがありますが、米国株の代表的なインデックスであるS&P500を対象とした1対の3倍レバレッジETFを取り上げて、それらの特性を説明します。
- SPXL: Direxion Daily S&P 500 Bull 3X Shares
- SPXS: Direxion Daily S&P 500 Bear 3X Shares
| SPXL | SPXS | |
|---|---|---|
| 運用会社 | Direxion | Direxion |
| ブル or ベア | ブル | ベア |
| 設定日 | 2008年11月5日 | 2008年11月5日 |
| レバレッジ倍率 | 3倍 | 3倍 |
| 経費率 | 0.95% | 0.95% |
| 資産総額 | 26.5億USD | 4.69億USD |
SPXLについては以下の記事に詳しくまとめていますので、関心のある方は参考にされて下さい。
同じ運用会社(レバレッジETFでお馴染みのDirexion)によって、同じ日(2008年11月5日)にスタートしたETFです。
表の経費率・資産総額は2022年5月6日の記録です。現在も同じ条件とは限らず、取引前には現行の目論見書を確認してください。
但し、SPXLはブル型、SPXSはベア型です。
ではこれらのETFがS&P500に対してどのような値動きをしてきたのかを見てみましょう。


一見して明らかなのは、SPXLとSPYが右肩上がりなのに対して、SPXSは長期的に右肩下がりを続けていることです。
年毎の騰落率を並べてみると以下の通りで、一目瞭然ですね。


ここで比較しているのはSPXLとSPYです。旧版のSOXLという記載を訂正します。過去図の好成績は、今後も安定して増えるという意味ではありません。
SPYについても別の記事で詳しく解説していますので、これらを良く知りたい方は以下の記事を参考にされて下さい。
S&P500が長期的には右肩上がりになることから、それと逆相関するベア型のSPXSが右肩下がりのトレンドになることは想像通りでしょう。
ではSPXSが有用なタイミングにはどのようなシーンがあるでしょうか。
先ほどのチャートをよく見ると、SPXLが大きく下落しているタイミングでSPXSが上昇している場面がいくつかあるのが分かります。
直近の代表的なS&P500の下落ポイントである以下の2つのタイミングに絞って見てみましょう。
- コロナショック
- ウクライナ/ロシア侵攻


この図は、選んだ開始点からの成績を比較したものです。株価の絶対額や、投資額に対する利益がいつでも2〜3倍になることを示すものではありません。
市場がこれほど下落基調で、多くの投資家が利益を減らしているタイミングで、これほどの利益を上げられるのはベア型レバレッジ商品ならではの現象です。
ただし、お気づきの通りSPXSがSPXLを上回る成績を出す期間は極めて限定的です。



利益が出る局面はありますが、その始まりと終わりを事前に見極めるのは難しいものです。短期の下落への備えと、長期の資産形成を分けて考えます。
株式投資で損失を被る投資家が初心者を中心に多い印象が強いため、その逆を行おうとする心理も分からなくはありません。
米国株の過去の長期成績が良かったことと、将来も上がり続けることは別です。ベア型では特に、日ごとの値動きと複利の影響を理解する必要があります。
いつどのように株価が動くかは読めません、という前提をしっかり理解しておきましょう。
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まとめ
ブル型とベア型の金融商品を紹介しました。
中でもレバレッジをかけて投資が可能なETFの例として、SPXLとSPXSを例に挙げました。
レバレッジが3倍で値動きが極端なため分かり易いことと、米国株インデックスの中でも特に人気のS&P500がターゲットのためこの2つを選択しました。
しかし他にもこのようなETFや投資信託はいくつもあります。
NASDAQ100に2倍のレバレッジをかけたものであれば以下の2つが代表的です。
- QLD: ProShares Ultra QQQ(ブル)
- QID: ProShares UltraShort QQQ(ベア)
S&P500に2倍のレバレッジであれば以下の2つがあります。
- SSO: ProShares Ultra S&P500(ブル)
- SDS: ProShares UltraShort S&P500(ベア)
ダウ平均に2倍のレバレッジであれば以下の2つがあります。
- DDM: ProShares Ultra Dow30(ブル)
- DXD: ProShares UltraShort Dow30(ベア)
この他にも、レバレッジをかけずにベア型で運用するもの、特定のセクターにレバレッジをかけるものなど多岐に渡ります。
投資信託であれば日本株へのブル型、ベア型のレバレッジ投資なども充実しています。
日本株への投資については以下の記事を参考にされて下さい。
インバース型の目標は通常、指数の1日の値動きの逆方向です。数週間・数年のリターンを単純に反転させる商品ではありません。保有期間と費用、損失を確認してください。
もし、人類社会がこの先衰退の一途を辿ることが見えてきた場合、あるいは数十年単位で景気が後退し続けることが見えてきた場合にはこれらベア型の商品が脚光を浴びることになるでしょう。
将来の景気や株価の経路を、この記事で断定することはできません。大きな事件を想定しなければ下落が続かない、という説明は改めます。
経済が成長しても、買った価格や為替、保有期間によって投資の結果は変わります。
長期投資でも生活に必要なお金は別に確保し、自分が耐えられる損失額から配分を考えます。
見直した説明と参照資料
SEC:日次レバレッジ・インバースETFのリスク(2026年10月17日確認)
金融庁:資産形成の基本(2026年10月17日確認)





















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