2026年10月17日見直し:費用・構成・図表の時点を明示し、「素材株ならインフレに強い」と一律に扱わない説明にしました。販売価格と費用の差を見る視点を補っています。
素材株はインフレに強い?
何を買えば素材株投資出来る?
化学薬品やさまざまな製造業の原材料(鉄鋼や紙パルプ、ガラスなど)を取り扱う企業で構成されたセクターは、素材セクターと呼ばれます。
投資初心者にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、米国株は11のセクターに分けられており、いずれも経済産業を支えるために必要不可欠です。
中でも素材セクターは、構成比率こそS&P500のわずか3%程度とインパクトは大きく無いですが、S&P500をアウトパフォームする年も少なくありません(2005年〜2021年のうち8年はS&P500より好成績)。

そこでこの記事では、米国市場の素材株投資を行う方法と、その過去の成績を振り返り、素材株のパフォーマンスを分かりやすく紹介します。
細分化されたセクターの1つとして、その特徴を知っておきましょう。
素材セクターにどのような企業があるのか、個別銘柄の動向や配当、PERなどを把握したい方はヒートマップで確認してみてください。

- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴17年 (学生時代から)
- レバナス(為替ヘッジなし)とFANG+をメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
素材セクターに投資するには
素材セクターに連動するETFを購入することで同セクターインデックスに投資することが可能です。
代表的な素材セクターETFは以下の通りです。
| VAW | XLB | IYM | |
|---|---|---|---|
| 運用会社 | Vanguard | State Street | BlackRock |
| 設定日 | 2004.1.30 | 1998.12.22 | 2000.6.20 |
| 総資産額 | 5,022億円 | 9,469億円 | 1,308億円 |
| 経費率 | 0.10% | 0.10% | 0.41% |
| 5年トータルリターン | 12.30% | 13.18% | 12.82% |
| 配当利回り | 1.31% | 1.45% | 1.12% |
3大運用会社によるETFで、いずれも15年以上の運用歴があります。
それぞれ個別に簡単に説明します。
VAW: Vanguard Materials ETF
MSCI US Investable Market Materials Indexに連動するように運用されます。
米国素材セクターの大型株を中心に、小型株まで幅広く投資が可能です。
以下の銘柄数・費用・資産額と成績の図表は主に2022年4月の記録です。現在の経費率や構成ではありません。最新値は各運用会社の資料で確認してください。
運用資産は2022年4月現在で5,000億円を超え、かなりの規模になっているのが分かります。
XLB: Materials Select Sector SPDR Fund
Materials Select Sector indexに連動するように運用されます。
この指数はS&P500の素材セクターのパフォーマンスを計測するための指数で、従ってXLBはS&P500に含まれる大型株のみで構成されます。
2022年4月2日現在は28銘柄で構成されており、State Street社のHPで全銘柄構成をダウンロードして確認可能です。
資産額や運用年数だけで優劣は決まりません。この欄は2022年当時の数字であり、現在の費用・運用資産を示すものではありません。
IYM: iShares U.S. Basic Materials ETF
2021年9月20日より前まではDow Jones U.S. Basic Materials Indexに連動していましたが、変更されました。
2022年現在はRussell 1000 Basic Materials RIC 22.5/45 Capped indexに連動するように運用されます。
最新の詳細はiShares U.S. HPを参照して下さい。
Russell 1000はRussell Investments社が公表する指数の一つで、Russell 3000の構成銘柄のうち時価総額などを基準に選定された上位約1000銘柄で構成されます。
2022年4月2日時点で37銘柄に分散されており、大型株での構成になっています。
本稿で紹介する3つのETFの中では資産総額は最も少なく、経費率は最も高く、配当利回りは最も低くなっています。
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素材セクターのパフォーマンス
それではここで紹介した3つのETFの運用成績を見てみましょう。
ベンチマークとしてS&P500に連動するSPYと重ねてみました。
チャートの分析にはPortfolio Visualizerを使用しています。


素材セクターの3つのETFは概ね同様の成績です。
IYMが若干低く推移しているのは経費率の大きさも影響しているかもしれませんが、いずれも長期的に右肩上がりになっています。
17年間のチャートを見てみると、2009年のリーマンショック前までは素材セクターが強いですが、下落幅も大きく、まるでレバレッジがかかっているかのような印象を受けるほどです。
S&P500よりも成績の良い年もそこそこあるように見えますが、実際のところ1年当たりのパフォーマンスで整理してみると以下の通りです。


2006, 2007, 2009, 2010, 2016, 2017の6年間はSPYよりも3つの素材セクターETFが高パフォーマンスです。
2012, 2020はVAWについてみるとSPYを上回っています。
2022は3月末時点までで見るとIYMだけがプラスの成績です。
こうしてみると、S&P500のたった3%ほどに過ぎないセクターで目立たないですが、長期的に見ても決して見劣りするような運用成績では無いと思います。
セクターごとの値動きを把握する
セクターごとの日々の値動きは様々なサイトで確認することが出来ますが、CNBCは見易いのでおすすめです。
例えば2022年4月2日に開いてみると、以下のように表示されました。


全部で11あるセクターごとに、どのような値動きをしたかが一目で分かります。
英語表示なので、セクター名には日本語を付しておきました。
中央にある『% change』を見ると、どの程度の割合で値上がり/値下がりしたかが把握できます。
S&P500という巨大なインデックスも、大きく11のセクターに分けると一斉に同様の値動きをしているわけでは無いことが良く分かります。
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終わりに:素材セクターのまとめ


素材企業の利益は、販売価格と、原料・エネルギー・人件費の差に左右されます。景気がよい、物価が上がるという条件だけで、株価上昇は保証されません。
景気後退で需要が弱まる場合や、費用上昇を価格へ転嫁できない場合は利益が圧迫されます。「インフレに強い」という一言で選ばないことが大切です。
そのため、いわゆる景気敏感株(あるいは景気循環株)と呼ばれることもあります。
商品や取扱いの選択肢は変わります。2022年当時の一覧を現在の全商品とは扱わず、地域・業種・指数の範囲と買える商品を確認しましょう。
個人的にはそれで問題は無く、特段素材セクターに大きな旨味があるとは思わないのですが、データが示す通り好景気の時期にはS&P500を上回るパフォーマンスを見せますので魅力的ではあります。
素材関連ETFを含めてポートフォリオを組んでみるのも面白いのかもしれません。
投資信託とETFの違いについては、以下の記事を参考にされて下さい。
またETFの買い方について、馴染みが無くよく分からないという方は以下の記事が参考になると思います。
そのための情報を用意していますので、トップページからぜひご覧下さい。
説明の見直しと参照資料
State Street:XLBの公式資料(2026年10月17日確認)
Vanguard:ETF一覧と現行資料(2026年10月17日確認)
















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