レバナスで米国株にレバレッジ投資する上で気をつけておきたい活用方法を分かり易く解説します。
結論:レバナスは一括投資よりも積立が良いと考えられます。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
理由は以下の通りです。
どうせ上がるというのなら、今ありったけの資金をレバナスに突っ込んでおけば良いのでは?
下がるかもしれないからそもそも手を出さないほうが良いんじゃ。。。
この記事では、そんな疑問に答えるシミュレーションや実際の成績を元に解説します。
レバナスは優秀な投資信託だと思いますが、その使い方は自己責任です。納得のいくまで考えられるよう、役立つ情報を厳選しています。
この記事を読めば、レバナスへの投資を始めるモチベーションが湧くとともに、自分の投資スタイルに合わせた活用方法が見えてくると思います。
レバナスとは
この記事を読まれる方にはレバナスの詳細説明は野暮だと思いますので割愛しますが、詳細を知りたいという方は以下の記事を参考にされて下さい。
レバナスとは?儲かるの?今更聞けないレバレッジ投資信託
楽天レバナス登場:大和レバナスとの比較は信託報酬がポイント
レバレッジ投資信託徹底比較〜レバナスは何がどう優れているのか
なおこの記事では便宜上、略語として以下の通りとします。
大和レバナス=iFreeレバレッジNASDAQ100
楽天レバナス=楽天レバレッジNASDAQ-100
ツミレバ=レバナスの積み立て
ツミレバという言葉は大和アセットマネージメント社の作った造語で、公式HPで紹介されている投資法です。
大和レバナスを積立投資することに他なりません。
一般にレバレッジの掛かった商品は短期売買を行うことを狙ったものが多く、積み立てあるいは長期投資に向かないというイメージがあります。
それを払拭するためにインパクトのあるキャッチーなネーミングを用いたものと思われますが、実際に大変有用な投資法になると考えられます。
先ずはツミレバの過去の成績を見てみることにしましょう。
レバナス積立と一括投資のシミュレーション比較
レバナスは2018年10月に始まったばかりですので、実績がある期間は限られています。そこで、実績部分のみでの試算(事実)と、分かり易い架空の暴落シミュレーションとに分けて結果を見ていきます。
2018年10月以降の実績
モーニングスター社のシミュレーターを使うと、大和レバナス設定後の様々な時期から積立を開始した場合の、一括投資と積立投資との現時点までの資金推移を確認することが出来ます。
同シミュレーターを使って、毎月1万円を大和レバナスに『積立投資した場合 vs 積立額と同額を一括投資した場合』を比較してみました。
大和レバナスが設定された2018年10月を基点とした2021年11月末までの場合は以下のようになります。
この3年間はNASDAQ100が右肩上がりの傾向を維持しており、目立った大きな下落局面はコロナショック(2020年2月〜3月)くらいでした。
そのため一括投資が積立投資を上回っている状態が続き、大きな差が付いているのが分かります。
これを見れば、NASDAQ100は長期的に見れば上がるのだから投入出来る資金は出来るだけ早めに注ぎ込むのが良いのではないかと思えてしまうのも無理はありません。
しかし、長期に投資を行っていれば、こんな都合の良い時期がいつまでも続くことはありません。
レバナスが設定される以前の期間には、特にNASDAQ100が巨大なダメージを被ったITバブルの崩壊やリーマンショックといった、世界経済が傾くほどの大暴落が存在します。
こうした大暴落は時期の予測は不可能なものの、必ず訪れると考えておくべきです。
投資開始直後に暴落パターンのシミュレーション
そこで、それらの巨大な暴落がもしレバナス購入直後に訪れたらどうなるのか、見てみましょう。
実際のITバブル崩壊後をシミュレーションした結果は大和アセットマネジメント社のHPに詳しく解説が載っていますが、ここではそれを分かり易く架空の値動きで解説します。
レバナスに限らず、ブル型のレバレッジ商品に当てはまります。ここではレバレッジを2倍に設定しています。
積立投資、一括投資を行った時の資産総額は折れ線グラフ、積立投資の際の元本は棒グラフで示しています。
架空の値動きですので、縦軸は資産総額、横軸は時間とだけ設定しています。
投資開始の直後に大きな暴落が来る場合、レバレッジ2倍で一括投資していた場合の下落幅は凄まじく、その後の上昇局面を経てもなおマイナス評価が続きます。長期に渡って元本割れが続いているのが分かります。
一方でレバレッジをかけていない時の一括投資の方はダメージは小さく済んでいます。このイメージこそが『レバレッジは怖い』という感情そのものではないでしょか。
ところが、積立投資を行っていた場合は、序盤のまだ積立額が小さい頃に暴落を経験したこともあり、そのダメージは限定的です。
レバレッジ2倍の積立は、下落期間の後の少しの間はレバレッジなしの積立に後塵を拝すものの、上昇トレンドの続く期間で一気に追い越し、大きな差を付けて圧勝しています。
ここで大事なのは、一括だと暴落から這い上がるのに相当な上昇局面が必要になる一方、積立なら暴落後の安値で多く仕込めることから回復も速い、ということです。
積立は暴落をチャンスに変えることが出来るのです。
一括投資と積立投資、どっちが儲かる?
大前提として、大暴落が来たタイミングで『売却せざるを得ない』という状況にならないことが重要です。生活防衛費はしっかり確保した上で、償還期限のない投資信託(レバナスも償還期限なし)で投資を行うことが肝要です。
上に示したようなシミュレーションを目にすると、暴落タイミングがもう少し後になっていたらどうか、と様々なことを考えると思います。それについては2018年10月以降の実績の中にはコロナショックが含まれますので、一つの指標になるかもしれません。
或いはITバブル崩壊のような極端にNASDAQ100が下落する場面はもう来ないのでは?という予想もあります。
誰にも予測出来ません。
誰にも予測は出来ませんが、分析は出来ます。
ただ、一括で投資することのリスクは肝に命じておかなければなりません。
レバナスは大きな値上がりが期待されるだけに、調子のいい時は一括で買いたくなるものです。しかし、投資する時間を分散する積立も行っておくことで、リスクを分散しておくことも考えたいと思います。
ツミレバまとめ
レバナスへの積立投資をポートフォリオに入れてみたいと思ったら、少額でもまずは実際に投資してみることをお勧めします。
長期的な投資マインドは実戦でのみ身につくからです。基本を座学で学んだら、先ず動いてみましょう。積立であればタイミングが悪いということは考えなくても良いでしょう。
実際に運用してみると自分の資産が日々動き、シミュレーションを見ている時とは全く違った感情が芽生えます。
特に投資初心者は大きな下落時に狼狽売りをしてしまうなど、頭では理解出来ていても典型的な損失パターンに陥ってしまうことがよくあります。
そのようなことにならないように、少しでも早く投資を経験し、長期の積立投資の感覚を身につけておくことが重要だと思います。
少額投資を行うことの意味や、初心者がレバナスを持つべき理由についても知っておいて頂きたいと思います。
レバナスに興味を持ったことはとても大きなチャンスです。
投資初心者がレバレッジ商品に手を出さない方が良いということは全くありません。
是非実際に積立を行うことを検討してみましょう。
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