- レバナスは儲かる
- レバナスは大損のリスクがある
- レバナスを買っておかないと乗り遅れる
- 投資はギャンブルだから手を出さない方が良い
- 積立投資を長期に継続すればリスクを軽減して資産形成可能
- レバレッジをかけると投資開始後の暴落と逓減リスクのダブルパンチがキツい
この記事を読めば、何を信じれば良いのかの本質が分かります。
勝てば官軍ですが、官軍は概して声が大きいものです。
投資の世界では負けた賊軍の声はなお小さいですが、その声にも耳を傾け、真偽を自ら判断出来てこそ自己責任の投資が出来るようになります。
結論:レバナスは正しく使えば安全です。
レバナス否定派の意見を検証することについては、以下の記事を参考にされてください。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
本当に様々な情報が飛び交っています。
初心者はどれを信じて良いか分からず、『自分に都合の良い情報だけ』を信じがちです。
例えば冒頭に挙げた6つの意見はどれも一理あり、完全に否定出来るものはありません。
しかしレバナス肯定派はポジティブな面を、否定派はネガティブな面を意識して強調します。
中でも上昇局面ではポジティブな情報に偏りがちな上、儲けた人の声>損した人の声にもなりがちです。
恣意的に選り分けられた情報だけしか目にしなければ、正しい投資判断など出来るはずがありません。
この記事を読めば、情報収集の本質的な問題を理解し、レバナスのような値動きの大きな商品に対する投資判断を正しく行える目を養えるようになります。
本題は『レバナスにおける生存バイアス』ですので、前置き不要な方は目次をクリックしてジャンプしてください。
レバナスの人気
NASDAQ100指数の2倍の値動きを目指して運用される投資信託は、現在日本に2種類が存在しています。
長期的に右肩上がりが続く米国株、中でもGAFAMの比率が大きいNASDAQ100はその巨大企業の成長に牽引されて値上がり幅が大きいことから、魅力的な投資先として注目されています。
そのNASDAQ100に2倍のレバレッジをかけたこれらの商品は、2020年のコロナショックを契機に人気に火が付き、これまで投資を行なって来なかった人達をも巻き込んで資産額の拡大を続けています。
その運用成績については長期のシミュレーションも可能ですので、値動きが気になる方は以下の記事を参考にされて下さい。
このブログでも度々紹介してきたように、レバナスは大きな魅力を持っており、今後も上昇が期待されると考えられます。
今から買っても乗り遅れるのではないか、高値掴みになるのではないかと心配な方は、この記事を読んだ後に以下の記事を読んでください。
ただし、一般に言われる投資のリスクに加えてレバレッジ2倍の分のリスクも考えなければなりません。
逓減リスクをはじめとする『知っておかなければならない』不利益の可能性については以下の記事にまとめています。
この記事では、リスクを理解しているようでもしばしば人間は『自分に都合の悪いことは無視する』ような思考回路を持っている(認知バイアス)ことから、上昇相場では特に気付きにくくなってしまうリスクについて説明しておきます。
レバナスを盲信するあまり、冷静な判断が出来なくならないように長い投資人生で肝に命じておきましょう。
生存バイアス
始めに断わっておきますが、本ブログの他の記事で紹介しているレバナスへの投資の肯定的な意見は全て事実に基づいているものです。
以下に紹介する生存バイアスのかかった情報発信は私個人としては行なっていません。妄想部分には注釈を付しています。
このブログに限らず、シミュレーションの類は過去の分析結果を基にしているのであって、今後の予想精度を高めるものでは無いことに留意して下さい。
発信されている情報が正しくても、あるいはバイアスの無いものであっても、受け取る側にバイアスがかかってしまうことがあるためです。
これはいかなるメディアから発信される情報にも言えることです。
この記事でお伝えしたいことはその情報に偏り(偏見、バイアス)が無いかを見極める目を持つことの大切さです。
生存バイアスの具体例(身近なものから投資まで)
有名な例がいくつもあります。
中でも非常に分かり易い、生存バイアスの語源と言われる例を最初に紹介します。
被弾して帰還した戦闘機を分析すると、エンジンとコックピット以外に被弾の形跡があった。そのため、それら被弾し易い部分の装甲を強化する必要がある。
これは実際にあった第二次世界大戦中のエピソードとされており、この議論に数学者が『エンジンとコックピットに被弾した場合は帰還不能なためデータが無い』ことを指摘してことなきを得た、というものです。
生存したものだけを解析対象にすることの危険性が分かりやすい例です。
本当に強化すべき装甲を判断するためには、撃墜された機体のデータも全て揃えなければならないのです。
現代社会にもそのようなバイアスは潜んでいますので、気付くことが出来るかどうかは重要な情報処理スキルになります。
以下の文章を読んで、違和感の無い方は要注意です。
コロナ禍は経済に大きなショックを与えました。大企業の経営状況にも暗い影を落とし、財務状況の悪化が目立ちます。中小企業でも同様に業績は大きく悪化しました。その厳しい期間を乗り越え、現在では多くの企業で業績は大きく回復し、今ではコロナ禍前の水準を超える経済に成長しました。
2022年以降、明るい未来を希望しますが、しかしこの文章には大きな落とし穴があります。
いや、架空の話なので落とし穴も何も無く、これが真実であったのかもしれませんが、言いたいことは『疑ってかかることが大事』ということです。
この記事ではコロナ禍で倒産した中小企業の情報が抜け落ちている可能性があるのです。少なくともこの架空の記事を書いた私の意図は中小企業の悲惨さを隠すことにありました。
つまり、コロナ禍を乗り越えた中小企業はそもそもその過酷な期間を耐え抜く力とアイデアのあった企業ですから、コロナが収まり人流が回復すれば業績も回復/成長することでしょう。
しかしその頃、コロナ禍で潰れてしまった中小企業のオーナーたちは未だに路頭に迷って生活保護を受けているかもしれません。
もっと身近な例を挙げてみましょう。
人気YouTuberのヒカキンさんをはじめ、多くの若手がネットビジネスで成功を収めた姿は子供達に夢を与えました。将来なりたい職業ランキングに動画クリエイターが上位にランクインするなど、その人気と影響力は多大なものです。『好きな事で生きていく』ことを目指し、YouTuberになれば億万長者も夢ではありません。ヒカキンさんは大学への進学はされていません。ビル・ゲイツ氏(Microsoft創設者)、スティーブ・ジョブス氏(アップル創設者)、マーク・ザッカーバーグ氏(Facebook/Meta創設者)だって大学は中退です。大学など行かなくても、大卒者より大金持ちになれるのです。
事実ではありますが偏見に満ちています。
億万長者の背後にどれだけの『収入を得られない層』がいるのか、全く触れられていません。
一部の成功者に焦点を当て、あたかも『誰もが目指せる』という雰囲気を強く醸し出すのが、読者・視聴者の関心を寄せることが分かっているからです。
- それを信じて脱サラしてYouTuberになったものの収入を得られずに路上生活をする者、
- 何年も動画を作成し続けても何の成果も挙げられない者、
- そもそも撮影機材すら揃えられず動画作成環境を整えられない者、
- 理不尽にもアカウントをBANされて泣く泣く諦めた者、
数々の『失敗者』がいるのです。
パソコンソフトやガジェット、SNSの構想を持っていた者も数知れず、しかしそれら失敗に泣いてきた人達のことは語り継がれることは無く、人目に触れることなく消えていくのです。
しかも、成功者達の背景にある本人の努力ではどうにもならないこと、始める時代やジャンルなどランダム性のある事象など、自身の影響力の範疇外の要因についても無視されがちです。
参考にするのは良い勉強になるかもしれませんが、それが自分にも当てはまる再現性の高い内容と捉えることはしない方が良いと思います。
では投資の例を見てみましょう。
ウォーレン・バフェット氏は世界に名だたる投資家で、創業者利益では無い純粋な投資によって巨万の富を得ました。彼は自身の死後、その遺産の運用は米国S&P500を中心に行うよう妻に伝えているというエピソードは有名ですが、それだけ米国インデックスへの投資は優れた資産形成方法なのだと言えるでしょう。米国インデックスへの投資で資産運用し、老後に備えましょう。
よく聞くような話です。
この中にも生存バイアスが含まれています。
ウォーレン・バフェット氏という世界有数の投資成功者に焦点を当て、彼の投資手法を簡略化して伝えた上で、誰でも真似出来るかのような説明になっています。
事実ではありますが、少し角度を変えて見てみましょう。
こんな疑問が出てきます。
彼は一体何年かけて資産を形成してきたでしょうか、いつからどれだけの金融知識を身に付けていたでしょうか、彼の妻に伝えた投資手法は実際に彼が行なってきた投資そのものでしょうか。
さらに言えば、今後の世界経済は彼が投資を行なってきた時代と同様の成長をするでしょうか、誰もが彼のように時間をかけてお金持ちになることを望むでしょうか、極論あなたはウォーレン・バフェットですか?
そうです、生存バイアスとはこのように一部の成功者に焦点を当てることで、実際よりも良い話に見えてしまうこと(あるいは逆に悪い話に見えてしまうこと)です。
意図してそのようなバイアスを含ませる場合と、意図せず受け手側の問題でバイアスが含まれてしまう場合とがありますが、何れにしても私たち受け手側が気をつける事がそれを回避する唯一の手段です。
生存バイアスの回避方法
- 疑う癖を付けること
- 業界知識を付けること
- 生存バイアスというものがあることを知っておくこと
この3点です。
上で示した例1のケースで、このバイアスを指摘したのが数学者であったように、理論的な思考によってある程度回避する訓練が出来ます。
しかし皆が皆そのような思考法に慣れているわけではありません。
出来ることは、与えられた情報が全てなのか?という疑問を常に持つことです。
○○すれば儲かる、と言われた時に、『○○しても儲からなかった人はいないのか?』『○○しなくても儲かった人はいないのか?』を考えるようにしましょう。
それだけで投資に向き合うスタンスは変わり、無用な生存バイアスに惑わされにくくなると思います。
そして現代ならではの対応として、疑問に思ったことはネットで調べることです。
1人の意見や1つのメディアの情報にだけ頼るのは非常に危険なことです。
必ず複数の情報と、反対意見について調べるようにしましょう。特にデータに基づく『解釈』については、その解釈を発信した人の偏見(悪意が有る無しに関わらず)が入っている場合が多いからです。
レバナスにおける生存バイアスへの対処
ようやく本題です。
生存バイアスのかかったレバナスの代表的な表現を見てみましょう。
- レバナスへの投資を過去20年分でシミュレーションすると大幅高なので出来るだけ早く全力で突っ込むべき
- レバナスへの投資で億り人になった人を真似すればあなたも億り人
これを見た投資初心者や未経験者がこぞって投資を始めてしまったりします。
過去のシミュレーションはデータとしては正しくても、切り取る期間や一括投資と積立投資の条件の差などをしっかり考慮しなければなりません。
投資の心得がある程度ある方にとっては当たり前でも、初心者にはその感覚が無いので危険な場合もあります。
また大和レバナスは設定開始からの3年間で4倍に値上がりするという好調ぶりが目立ち、一括投資による巨額のリターンのイメージが先行してしまいました。
これは事実ではありますが、シミュレーションと同様で、今後の成績を保証するものでは無い上に、コロナショックで狼狽売りしてしまった方もいたことでしょう。
しかしTwitter上に溢れる情報は勝ち組の意見ばかり。
値動きの大きい商品は話題性もありますので、2017年〜2018年の仮想通貨ブームのように『乗り遅れたく無い』『自分も大きく稼げるチャンスがある』という気持ちを喚起させる情報が増えてきます。
大きく勝った人は、自己顕示欲に狩られて情報を発信したくなるものです。
それがビギナーズラックであったとしても、自慢したくなってしまうものです。
そうしてどんどん『レバナスに投資すれば大金持ちになれる』というイメージが膨らみ、リスクを理解せずに大枚を叩いてしまう人が現れるのです。
それらの偏見に満ちた情報から正確な理解を得ることが出来る目を持つためには、生存バイアスを理解し、見抜けるようにならなければなりません。
そのために重要な、知るべき情報は例えば以下のようなことが挙げられます。これを知らずに投資するのは待ったほうが賢明です。
- 投資信託とはどのような商品化?
- レバナスに投資するとどんな企業に投資することになるのか?
- 逓減リスクはどんな現象を指しているのか?
そして投資の全体イメージを明確に持っておくべきです。
生存バイアスに惑わされる人は、得てして情報収集が不足しています。
面倒がらずに納得いくまで調べましょう。
お役に立てる記事は本ブログの中にも多くありますので、ぜひご覧ください。
レバナスは危険か安全か:まとめ
投資に関する一般的な注意事項/リスクとは別に、生存バイアスのかかった情報に左右される投資判断の危険性を指摘しました。
レバナスでなくても言えることではありますが、特に値動きの大きな商品ほど大きく儲ける人がいること、そのせいで“ポジティブな話題”が多くなりがちなことが注意すべきポイントです。
良さそうな話があったらすぐに飛びつくのではなく、冷静に多角的に情報を収集し、特に投資初心者であれば少額から試してみるなどの安全策を取ることが重要です。
投資でリターンを得ることも、投資の経験を積むことも、時間が掛かります。
出来るだけ早いうちに投資を学び、実践し、先々の資産運用に備えておきましょう。
今では口座開設費用も掛からず手数料が抑えられたネット証券も増えてきましたので、早速アクションを起こしてみましょう。
レバナスは2商品とも楽天証券で購入が可能です(2022年3月現在、楽天レバナスは楽天証券のみでの取り扱い)。
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