2026年10月17日見直し:金鉱企業の採掘費用が一定とする説明と、安全な短期の置き場を連想させる表現を修正しました。過去図表と現在の倍率・指数を区別しています。
金鉱株は金とどう違う?
何を買えば投資出来る?
金鉱株とは、金の採掘や精錬に関する企業の株式のことです。
金は貴金属として、宝飾のためにも工業のためにも利用価値が高く、その需要と供給のバランスによって日々価格が変動しています。
金鉱企業の株価は金価格の影響を受けますが、それだけでは決まりません。採掘量、鉱石の品位、設備投資、燃料・人件費、税、為替、操業地域の条件も確認します。
この記事では、金鉱株へ投資する方法と過去の運用成績データを紹介しますので、自分のポートフォリオに組み入れるべきか考える際の参考にして頂ければと思います。

合わせて、なぜ金ではなくわざわざ金鉱株へ投資する意味があるのかについても解説します。

- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴17年 (学生時代から)
- レバナス(為替ヘッジなし)とFANG+をメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
金鉱株の買い方
金鉱株への投資は、一般に以下の3通りの方法が選べます。
- 個別株
- ETF
- 投資信託
それぞれのメリット・デメリットについては金鉱株に限ったことではない一般知識として知っておくべき事となります。
個別株、ETFと投資信託の違いについては以下の記事を参考にされて下さい。
また、それぞれの購入方法については以下の記事の通りに進めれば簡単です。
投資信託とETFについては以下の表の通りです。
| 投資信託:金鉱株 | 投資信託:金 | 金鉱株ETF | 金ETF |
|---|---|---|---|
| ブラックロック・ゴールド・ファンド | SMTゴールドインデックスオープン | GDX | GLD |
| GDXJ | GLDM | ||
| NUGT(レバ2倍) |
投資信託もETFも、金そのものに投資をするタイプと、金鉱株に投資するタイプとがあるので気を付けましょう。



ゴールドと名前が付いていても、中身は異なる場合があります。
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金鉱株の過去の成績
それぞれのこれまでの運用実績を確認してみます。
投資信託
| ブラックロック ゴールドファンド | SMTゴールドインデックス オープン (為替ヘッジあり) | SMTゴールドインデックス オープン (為替ヘッジなし) | |
|---|---|---|---|
| 運用会社 | ブラックロック・ジャパン | 三井住友 トラスト・アセットマネジメント | 三井住友 トラスト・アセットマネジメント |
| 設定日 | 2003.02.25 | 2017.11.28 | 2017.11.28 |
| 経費率 | 2.2% | 0.275% | 0.275% |
| 資産総額 | 161億円 | 36億円 | 34億円 |
| 3年リターン | 19.15% | 11.26% | 18.18% |
| シャープレシオ | 0.68 | 0.76 | 1.21 |
設定日が新しいSMTゴールドインデックスオープンに合わせて、価額推移を見てみると以下の通りとなります(楽天証券より)。


一見して、金鉱株への投資の方がボラティリティが大きいのが分かります。
上にまとめた表からも、シャープレシオは金鉱株への投資を行うブラックロックゴールドファンドが最も小さくなっているのが分かります。
また経費率はブラックロックゴールドファンドが最も高いなど、この情報からはあまり金鉱株への投資の妙味が見えてきません。
そこで次に、ETFで10年以上の運用成績を比較してみます。
ETF
以下の5種類を比較します。
- GLD: SPDR Gold Shares
- GLDM: SPDR Gold MiniShares Trust
- GDX: VanEck Gold Miners ETF
- GDXJ: VanEck Junior Gold Miners ETF
- NUGT: Direxion Daily Gold Miners Index Bull 2X Shares
| GLD | GLDM | GDX | GDXJ | NUGT | |
|---|---|---|---|---|---|
| 運用会社 | State Street | State Street | VanEck | VanEck | Direxion |
| 設定日 | 2004.11.18 | 2018.6.26 | 2006.5.22 | 2009.11.11 | 2010.12.8 |
| 経費率 | 0.40% | 0.10% | 0.52% | 0.53% | 0.95% |
| 総資産額 | 659億USD | 53.3億USD | 143億USD | 44.5億USD | 5.77億USD |
| シャープレシオ※1 (2010年末〜) | 0.18 | 0.81※2 | 0.04 | -0.03 | -0.11 |
※1. シャープレシオはPortfolio Visualizerより
※2. 2018年末〜
これらのチャートを確認してみましょう。


以下の過去図では、GLD・GLDMが金への投資、GDX・GDXJが金鉱企業への投資、NUGTが日次レバレッジ商品です。倍率・連動指数には変更歴があるため、NUGTの全期間を現在と同じ日次2倍の実績とは扱わないでください。
2008年以降にFRB(米連邦準備制度理事会)がゼロ金利政策から量的金融緩和政策に舵を切ると、ドルに対する信認は大きく低下して金を買う動きが強まり、2011年9月には金価格が1,923.70ドルまで高騰しました。
ただ、そこからはドルが落ち着きを取り戻し、NASDAQもS&P500も上がる中、金の値動きは緩やかになっていきます。
金への投資を行うGLD/GLDMは長い低迷期を経てコロナショックでの金価格の上昇もあり、価額の回復が見られました。
しかし金鉱株は低迷を続け、きれいに右肩上がりとはいかなかったことが見て取れます。
金鉱株への投資はそれほど魅力的には映りませんが、どのような魅力があるのでしょうか。
次はそのことについて触れてみます。
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なぜ金ではなく金鉱株なのか
よく知られたエピソードがあります。
2020年8月、かのウォーレン・バフェット氏が、カナダにあるグローバル鉱山会社バリックゴールド社に投資をしたことが公開されました。


一方で、2011年にバフェット氏が、彼が率いるバークシャーハサウェイの株主に送ったレター文書には、貴金属投資について次のように記されていたそうです。
“neither of much use nor procreative”
(貴金属それ自体は)あまり役に立たず、配当を生まない
これには所謂『業務レバレッジ』の存在が込められていると考えられます。
それこそが、金ではなく金鉱株への投資のモチベーションになるものです。
販売価格が上がり、単位当たりの費用が一定なら利益率が改善する、というのが営業レバレッジの簡単な考え方です。ただし、実際の採掘コストは固定ではありません。金価格が上がる局面で費用も上がることがあります。
同じ費用で生産量を維持できるか、増産に投資が必要かによっても結果は変わります。「金の値上がりがそのまま利益へ乗る」と一律には考えられません。
金そのものへの投資と異なり、金鉱株への投資であれば経済活動の成果を享受することが出来るわけです。
但し当然その逆も起こり、金価格が下落すれば、同じだけのコストをかけて採掘した金が安い値段でしか売れなくなるわけです。
こうした仕組みのせいもあって、金鉱株は延々と右肩上がりを続けてくれるわけではない金価格に振り回される宿命にあります。
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まとめ
金への投資、そして金鉱株への投資を投資信託、ETFを用いて行うことについて紹介解説しました。
金の現物は利息、配当を生むことは無く、経済活動や文明レベルの向上に連れて右肩上がりになっていくようなこともありません。
金は利息や配当を生まず、価格には需給のほか実質金利や通貨、投資家の資金移動などが関わります。長期保有の適否は、その役割と家計全体の配分から考えます。
「有事なら必ず上がる」「値動きは緩やか」とは限りません。金にも大きな下落があり、円建てで持つ場合は為替の影響もあります。
だからと言って、その金を生む企業への長期投資なら良いかといえば、必ずしもそのようなことはありません。



金鉱株は企業の株式であり、近く使う資金の安全な置き場ではありません。株価と操業のリスクを理解し、金そのものとも区別して配分を考えます。
金と金鉱株について、バックテストの結果と値動きのイメージを正しく持ち、資産形成に活かすようにしましょう。
見直した説明と参照資料
VanEck:GDXの投資対象とリスク(2026年10月17日確認)
Direxion:NUGT・DUSTの現在の目標と変更歴(2026年10月17日確認)














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