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米国『金鉱株』ETF:銘柄一覧とレバレッジ投資

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金鉱株は金とどう違う?
何を買えば投資出来る?

金鉱株とは、金の採掘や精錬に関する企業の株式のことです。

金は貴金属として、宝飾のためにも工業のためにも利用価値が高く、その需要と供給のバランスによって日々価格が変動しています。

その金を生み出す企業もまた、金の価格の変動を受けて業績が変化することから株価も当然影響を受けます。

この記事では、金鉱株へ投資する方法と過去の運用成績データを紹介しますので、自分のポートフォリオに組み入れるべきか考える際の参考にして頂ければと思います。

金鉱株ETFと投資信託の解説

合わせて、なぜ金ではなくわざわざ金鉱株へ投資する意味があるのかについても解説します。

目次

金鉱株の買い方

金鉱株への投資は、一般に以下の3通りの方法が選べます。

  • 個別株
  • ETF
  • 投資信託

それぞれのメリット・デメリットについては金鉱株に限ったことではない一般知識として知っておくべき事となります。

個別株、ETFと投資信託の違いについては以下の記事を参考にされて下さい。

また、それぞれの購入方法については以下の記事の通りに進めれば簡単です。

投資信託とETFについては以下の表の通りです。

投資信託:金鉱株投資信託:金金鉱株ETF金ETF
ブラックロック・ゴールド・ファンドSMTゴールドインデックスオープンGDXGLD
GDXJGLDM
NUGT(レバ2倍)

投資信託もETFも、金そのものに投資をするタイプと、金鉱株に投資するタイプとがあるので気を付けましょう。

Y-bow

ゴールドと名前が付いていても、中身は異なる場合があります。

金鉱株の過去の成績

それぞれのこれまでの運用実績を確認してみます。

投資信託

スクロールできます
ブラックロック
ゴールドファンド
SMTゴールドインデックス
オープン (為替ヘッジあり)
SMTゴールドインデックス
オープン (為替ヘッジなし)
運用会社ブラックロック・ジャパン三井住友
トラスト・アセットマネジメント
三井住友
トラスト・アセットマネジメント
設定日2003.02.252017.11.282017.11.28
経費率2.2%0.275%0.275%
資産総額161億円36億円34億円
3年リターン19.15%11.26%18.18%
シャープレシオ0.680.761.21
2022.04.28時点

設定日が新しいSMTゴールドインデックスオープンに合わせて、価額推移を見てみると以下の通りとなります(楽天証券より)。

金鉱株投資信託の値動き
クリックで拡大出来ます

一見して、金鉱株への投資の方がボラティリティが大きいのが分かります。

上にまとめた表からも、シャープレシオは金鉱株への投資を行うブラックロックゴールドファンドが最も小さくなっているのが分かります。

また経費率はブラックロックゴールドファンドが最も高いなど、この情報からはあまり金鉱株への投資の妙味が見えてきません。

そこで次に、ETFで10年以上の運用成績を比較してみます。

ETF

以下の5種類を比較します。

  • GLD: SPDR Gold Shares
  • GLDM: SPDR Gold MiniShares Trust
  • GDX: VanEck Gold Miners ETF
  • GDXJ: VanEck Junior Gold Miners ETF
  • NUGT: Direxion Daily Gold Miners Index Bull 2X Shares
スクロールできます
GLDGLDMGDXGDXJNUGT
運用会社State StreetState StreetVanEckVanEckDirexion 
設定日2004.11.182018.6.262006.5.222009.11.112010.12.8
経費率0.40%0.10%0.52%0.53%0.95%
総資産額659億USD53.3億USD143億USD44.5億USD5.77億USD
シャープレシオ※1
(2010年末〜)
0.180.81※20.04-0.03-0.11
2022.5.5時点

※1. シャープレシオはPortfolio Visualizerより
※2. 2018年末〜

これらのチャートを確認してみましょう。

金鉱株ETFのチャート
クリックで拡大出来ます

青系列の2つ(GLD, GLDM)が金への投資、紫系列の2つ(GDX, GDXJ)が金鉱株、黄色のNUGTが金鉱株に2倍のレバレッジをかけたETFです。

2008年以降にFRB(米連邦準備制度理事会)がゼロ金利政策から量的金融緩和政策に舵を切ると、ドルに対する信認は大きく低下して金を買う動きが強まり、2011年9月には金価格が1,923.70ドルまで高騰しました。

ただ、そこからはドルが落ち着きを取り戻し、NASDAQもS&P500も上がる中、金の値動きは緩やかになっていきます。

その煽りを最も大きく受けたのはNUGTで、レバレッジをかけて暴落していく様子はなんとも悲惨です。

金への投資を行うGLD/GLDMは長い低迷期を経てコロナショックでの金価格の上昇もあり、価額の回復が見られました。

しかし金鉱株は低迷を続け、きれいに右肩上がりとはいかなかったことが見て取れます。

金鉱株への投資はそれほど魅力的には映りませんが、どのような魅力があるのでしょうか。

次はそのことについて触れてみます。

なぜ金ではなく金鉱株なのか

よく知られたエピソードがあります。

2020年8月、かのウォーレン・バフェット氏が、カナダにあるグローバル鉱山会社バリックゴールド社に投資をしたことが公開されました。

一方で、2011年にバフェット氏が、彼が率いるバークシャーハサウェイの株主に送ったレター文書には、貴金属投資について次のように記されていたそうです。

“neither of much use nor procreative”
(貴金属それ自体は)あまり役に立たず、配当を生まない

これには所謂『業務レバレッジ』の存在が込められていると考えられます。

それこそが、金ではなく金鉱株への投資のモチベーションになるものです。

つまり、金の価格は市場での需要と供給のバランスで決まりますが、金を採掘・精錬している企業については例外で、金価格が上昇しても採掘コストが変わらないため、金の取得単価が上がりません。

同じ労力、コストで手に入れた金が、ただ高く売れるようになるだけです。

金そのものへの投資と異なり、金鉱株への投資であれば経済活動の成果を享受することが出来るわけです。

但し当然その逆も起こり、金価格が下落すれば、同じだけのコストをかけて採掘した金が安い値段でしか売れなくなるわけです。

こうした仕組みのせいもあって、金鉱株は延々と右肩上がりを続けてくれるわけではない金価格に振り回される宿命にあります。

まとめ

金への投資、そして金鉱株への投資を投資信託、ETFを用いて行うことについて紹介解説しました。

金の現物は利息、配当を生むことは無く、経済活動や文明レベルの向上に連れて右肩上がりになっていくようなこともありません。

その時代ごとに需要と供給のバランスがあり、ただそれだけで価格が決まるため、特に大きな利益を狙った長期的な投資には向いているとは言え無いかもしれません。

むしろ値動きは緩やかで、『有事の際には金』と考える投資家たちの行動次第で価格が動くこともしばしばです。

だからと言って、その金を生む企業への長期投資なら良いかといえば、必ずしもそのようなことはありません。

Y-bow

金鉱株についても過去のチャートからも分かる通り、あくまでも短期的な資金の置き場くらいの感覚でいる方が良いように私は思います。

金と金鉱株について、バックテストの結果と値動きのイメージを正しく持ち、資産形成に活かすようにしましょう。

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