- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
はじめに
株を買う、投資信託でレバレッジをかけて運用する、など魅力的な値上がり情報が至る所に溢れています。
当サイトでもそんな内容の記事は人気でよく読んで頂いています。
何だかお金持ちになれる気もしてしまう一方で、やっぱり投資は怖いものというイメージが先行してしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、給料も年金もあてに出来ない日本では今後ますます投資が避けて通れないものになっていきます。
そこで本稿ではどうしても投資を始める・勉強する前に抵抗感を払拭出来ない人に向けて、よりリスクを下げた投資を行う方法について紹介します。
その中で投資、自分の資産の値動きというものに慣れて、投資に親しみ、自身に合った投資を選んで行けるようになってもらえればと思います。
この記事のターゲット:
- 投資を始めたいけど最初の一歩が怖い人
- 安全な投資で経験を積みたい人
- 手軽に始められる資金運用を知りたい人
運用練習に最適:超低リスク
まずはとにかく低リスクと考えられるものを挙げてみます。
この辺りは特段の抵抗感も無く実行出来るはずです。
タンス預金
これは資産運用じゃないでしょ、と思われたでしょうか。
説明します。
自宅で保管、へそくりや金庫までお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
とにかく自分の手元に置いておきたいと考える方も少なくないようです。
どうせ銀行に預けても増えないし〜、というのも分からないではありません。
セキュリティの問題さえクリア出来ていれば、確かに安心感はあるでしょう。
これは運用の対極にあるようなお金の管理方法ですが、実はデフレが進行している社会においてはお金の価値が上がっていきます(物の価値が下がっていく=物が安く買えるようになる)ので、損をすることは無いどころかお得感もあります。
ただし、逆にインフレが進む場合にはお金の価値は減って行きます。
社会が成長するとインフレが起こりますから、勝手に資産が目減りします。
ハイパーインフレが急速に起きない限り緩やかな変化ですので言わばノーリスクノーリターンとも考えられており、特にインフレが進まない日本ではそのような感覚になります。
しかし、もし『収入は増えないのに物価が上がった』と感じるなら、それはインフレです。
その時あなたの資産は目減しているのだということに気付きましょう。
また火災や盗難などの被害にあった際に、火災保険で補償される金額にも上限が定められており、次に紹介する銀行預金よりも補償上限が低いことは知っておきましょう。
銀行預金
何と言っても最大の安全パイ、皆さん大好き安心安全の貯金です。
銀行、ゆうちょ、皆さん口座をお持ちの方がほとんどではないでしょうか。
大手メガバンク、地方銀行、ネット銀行と多種多様な機関が対象となり、給与の受け取り、電気代の支払い、車のローンなどなどとにかくお世話になるシーンも多いので馴染みもあり安心感もありますよね。
しかしこの記事の主旨である投資に関しては、大変効率の良くない手法です。
ご存知の通り預金の金利(貰える利息)はスズメの涙、国内金融機関では一般に0.1%以下である場合がほとんどです(2021年10月現在)。
大手メガバンクでは0.01%未満も当たり前。
0.01%未満ということは、100万円預け入れておいても1年後の利息が100円にすらならないということです。
ネットバンクでは0.1%程度である場合もあります(2021年10月現在、楽天銀行でマネーブリッジ設定を行うと0.1%になります)が、それでも100万円が1年後に100万1,000円です。
とはいえ、元本が保証されているので、預け入れた金額は減らないという最大の安心感があります(ただし保護されるのは1000万円までです:貯金保険機構HP)。
ここで意識して頂きたいのは、銀行への預け入れは“銀行への金貸し”であるということです。
銀行に保管してもらう、という意識の方も多いと思いますが、そうではなくあなたは銀行に利子付きでお金を貸しているのです。
つまり銀行は二束三文の超低金利であなたからお金を借りているということです。
金貸しとしては効率が悪い、という感覚が分かると思います。
楽天ポイント運用
いわゆる楽天経済圏のお世話になっている方も少なくないと思います。
日本ではAmazonと双璧を成す巨大ネット販売市場も持つ楽天ですが、こと“ポイント”についてはAmazonよりも圧倒的に貯めやすい仕組みになっています。
楽天市場でのショッピング以外にも様々なサービスでポイントを貯められる上、しばしばポイントアップキャンペーンを行ったり、ポイ活サイトなども多岐に渡っています。
そんな楽天ポイントですが、ポイントそのものをあたかも株や投資信託を扱うかのように運用可能なサービスが存在しています。
これは楽天投信投資顧問(株)が運用する投資信託の基準価額に連動して増減するようになっており、対象投資信託についてはHPから確認することが出来ます。
実際の金融商品に連動していますので、その時々の運用成績は実際に対象投資信託を購入していた場合と同じ割合で値動きするようになっています。
短期的には投資は心理戦の側面もあり、常に一喜一憂・不安と期待との戦いでもあります。
損をするかもしれない、という潜在的な不安が大きいほど投資に踏み切れないものです。
しかし、楽天のポイントであれば、しかも500ポイント、100ポイントなどの少額であれば『ちょっと試してみようかな』と思える方も多いのではないでしょうか。
投資に重要なのは経験です。
値動きがどんなものか、自分の資産が自分の意思とは関係なく増減する感覚に親しむことが目的です。
一括で運用した時、あるいは積み立ててみた時に、一体どのように増減していくのか。
感覚を掴むためには数ヶ月単位で様子を見てみると良いと思います。
もちろんそれはシミュレーションでいくらでも知ることが出来ますし、過去の実績を学べば頭では理解出来るでしょう。
しかし実際に自分の資産が変動するという状況に置かれた方が、ずっと理解が進むものです。
加えて、楽天ポイントは本物の金融資産に対する投資にも使うことが出来ます(通常ポイントを楽天証券で)。
私も行っていますし(楽天ポイントを含めて500円以上を投資に使うとSPU+1%)、投資に後ろ向きだった妻にもこの方法で経験してもらっています。
実際にお金を投資に回すよりも心理的なハードルが大幅に低く、かつ実際の金融商品と同様の値動きを経験することが可能であり、かつ単なるシミュレーションではなくポイントとして運用損益を身を以て体感出来る良い方法だと思います。
値動きの小さい/株式と異なる金融資産
投資先として低リスクと言われる代表格が債権です。
また有事の際の安全資産としては金がしばしば利用されます。
投資は始めてみたものの、まだ株式は怖いという方も、これらなら少しは安心感が持てるかも知れません。
国債
株式市場は日々大きな値動きを繰り返し、確かに長期的には右肩上がりではあるものの大損した人の話などを聞くと怖くなってしまうかもしれません。
そんな方でも国債と聞くと安心感があるのではないでしょうか。
個人向け国債は日頃お世話になっている銀行でも紹介を受けたことや資料を目にしたことがあるかもしれません。
言わずと知れた国産の安心・安全な『元本割れの無い』金融商品です。
国が発行する債券ですので、平たく言えば国が潰れない限りは持っていても大丈夫です。
比較的年配の方が保有されている割合が高いようですが、昨今では投資に対する若者の関心も高まり、MUFG調査によれば30代以下も増えてきているようです。
元本割れが無いと聞けば極めて安心感が強いものですが、年利0.05%〜とかなり利回りは低いのが現状です。
ただ“投資している感”を味わうには悪く無いですし、何より国にお金を貸すということを実感出来るのではないでしょうか。
金融機関で金融商品を取引することにも慣れることが出来るでしょう。
投資信託:債券
債券を対象とした投資信託も多く存在します。
株式を対象としたものと比較するとその値動きは緩徐であり、大きな利益を上げることは難しいですが大きな損失も招きにくいと言えます。
ただ実際に国債を購入するのとは異なり、元本割れの可能性があります。
また運用手数料もかかりますので、可能な限り手数料の低いものを選択するのが良いでしょう。
日本国債だけでなく諸外国の債券が対象になっているものも多く、日本国債よりも金利が高いものがほとんどです。
その場合にはそれだけリスクも上昇することから、投資信託の中身をよく吟味して検討してみましょう。
最近では100円単位から投資が可能なものも多くあり、より少額で始められるので間口が広がっています。
上で紹介した楽天ポイント投資でも試すことが出来ますので、株式を対象とした投資信託と、債券を対象とした投資信託を実際に比較してみるのも良い経験になると思います。
金
景気動向について、景気が悪化し株式市場が値下がりすると金の価格が上がる、と聞いたことがあるかもしれません。
金は株式や債券などと異なり、何かの信用に裏付けられて価格が定まるものではありません。
地球上の存在量に限りがあり、かつ工業用/装飾品としてそのものに価値があるものです。
従って、景気が悪化して株のようにリスクの高いものに対して資金を投入していた投資家達が、景気によらず安全な資産として金を買うことでその値段が需要と供給の原理で上がるのです。
値動きはあり、元本割れリスクももちろんありますが、株式よりも値動きは穏やかで、債券よりも大きいというのが特徴です。
不景気時には値上がりしますので、直近ではコロナショックの時にはかなりの高値を付けました。
株式に投資を開始してみようという方が、リスクコントロールのために金にも分散して投資をすることで、大きな暴落の際に資産を大きく減らすことがないようなポートフォリオを組むことが可能になるかもしれません。
終わりに
ここまで見てきたように、投資に敷居の高さを感じている方にも始めやすいサービスは多数あります。
投資は今後、育児や教育はもちろん自信や家族の老後の生活を守るため、より豊かにするための資産形成に向けて大変重要になります。
そしてその運用成績はより長期間に渡って行うほど利益を生みやすく、インフレに対するリスクヘッジにもなります。
マネーリテラシーが低いことが指摘される日本では金融商品の保有割合が諸先進国に比べて低い傾向にあり、資産を増やせていない世帯が多いのが実態のようです。
この記事を契機に、投資の勉強を始めてみたり値動きのある商品を手にしてみるなど、投資の入り口に立って頂ける人が1人でも増えるのを期待します。
あくまでも投資は自己責任、自己判断で行うものですが、正しい知識をもとに資産形成を進めて頂ければと思います。
始めてみようと思えた方は以下の記事も参考になると思います。
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