レバ4倍のSP500は使えるか?
危ない?儲かる?長期は大丈夫?
S&P500の日々の値動きに対して高い倍率を目指す商品です。ただし、分散された指数でも、レバレッジを4倍にすれば値下がりの影響も大きくなります。「幅広い指数だから安全」という見方はできません。
と言いたいところですが、、、
Y-bow4倍は流石にやり過ぎでは、、、S&P500ならせいぜい3倍(SPXL)で十分ではないでしょうか。
というのが率直な感想です。


ベジータが地球に初めて来た時に悟空が使った界王拳の最大倍率が4倍でしたが、身が持ちませんでしたよね。
ベストは2倍、頑張っても3倍までにしておくべきと言う、まさにあんなイメージです(ドラゴンボールをご存じない方、すみません)。
しかし面白い商品ではありますので、ほんのちょっとだけ持ってみても良いかなと密かに考えていたりします。


- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴17年 (学生時代から)
- レバナス(為替ヘッジなし)とFANG+をメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
S&P500・4倍ブル型ファンドとは
T&Dアセットマネジメント株式会社が2022年2月17日に誕生させた投資信託です。
その名の通り米国の人気インデックスS&P500に、4倍のレバレッジをかけた商品です。
4倍という倍率はなかなかに相当なものです。
2倍や3倍の商品は投資信託やETFでお馴染みですが、S&P500に4倍というのは私が知る限りこれが初めてです。


有価証券届出書が発行された当時から一部の投資家の間では話題になっており、大半の意見は『やり過ぎ』というものでした。
ただその意見は長期投資の視点に立ったもので、投機が好きな短期決戦を挑む者たちにとっては面白い商品だと思います。
4倍は高過ぎか?


4倍というレバレッジ倍率は果たして高過ぎと言えるでしょうか?
実際に4倍にして長期的に勝てるかどうかは誰にも分かりませんが、歴史的にそのようなETFが誕生してこなかったことからも分かる通り『尋常ではない』倍率であることは確かです。
では4倍にすると何か不都合があるのでしょうか。
一般に心配されるであろう2つの視点を解説します。
追証の発生や資産がゼロになる可能性は無い
高いレバレッジを採用すると、どうしても不安になるのは大暴落の時です。
4倍ということは、手数料等の仔細は省いて計算しても1日に25%の暴落が訪れた場合=100%の下落で理論的に資産はゼロになります。
そのようなことが起こる可能性はあるでしょうか。
結論から言うと、損失がほぼ投資額全体に及ぶ可能性を、サーキットブレーカーだけを根拠に否定することはできません。取引を止める制度と、投資信託の基準価額を守る制度は別です。
なぜなら、市場にそれほどの混乱が生じた際には『投資家の頭を冷やすため』に備わったサーキットブレーカーが発動するからです。
S&P500のサーキットブレーカー:
- 7%の下落=15分間取引停止
- 13%の下落=さらに15分間の取引停止
- 20%の下落=その日は取引停止
7%・13%・20%は市場全体の取引停止を判断する水準です。20%を超える価格変動が制度上絶対に起きないとか、先物等を使うファンドの損失が80%以内に収まるという保証ではありません。再開後の値動きや運用上のずれも考える必要があります。
仮に1日で80%下がれば、残高は元の20%です。元の金額に戻すには、その後400%の上昇が必要になります。「ゼロではない」と「資産形成に耐えられる」は、全く違う話です。
現物資金で購入する通常の投資信託では、投資家に追加の証拠金を請求する仕組みはありません。ただし、基準価額の大幅下落や繰上償還のリスクまでなくなるわけではありません。借入資金や信用取引などを使う場合は、別途その取引のリスクが加わります。
投資信託を購入する投資家は投資信託という商品に対して出資しているのであって、直接株式等に投資をしているわけでは無いので追証責任をそもそも負っていないからです。
逓減リスクはかなり大きい
4倍のレバレッジを用いたS&P500連動型商品が無いので、手近な投資信託で代用して様子を見てみましょう。
S&P500よりもショボい値動きの日本株に、4.3倍という高レバレッジ倍率を掛けた冒険的投資信託があります。
楽天日本株4.3倍ブル
この商品と、同じく楽天日本株の3倍の商品、そしてレバレッジ無しの商品です。
2021年2月から2022年2月の1年間で比べてみると、以下のようになります。


見事な逓減ですね。
この1年間はほぼ横ばいだった日本株、レバレッジ倍率が高いほど目に見えて大きな逓減を来しているのが明らかです。
これほど成長しないインデックスが対象であれば、レバレッジ3倍どころか2倍でも妙味は無いでしょう。
日本株ではこのような結果でしたが、しかし成長しているS&P500なら状況は違うのでは?という声も上がって来そうです。
次は、『勝てる見込み』について解説していきます。
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4倍でも長期積立で成長させられる?


長期で増えるかどうかは、指数の上昇率だけでは決まりません。日々の上下の順序と幅、費用、先物の運用条件によって結果は変わります。以下の古い比較図は、特定の対象・期間の例としてご覧ください。
その条件は以下の2つです。
- S&P500のボラティリティが小さいこと
- 長期的に右肩上がりになること
以下は元記事で紹介した過去の例です。日本株の商品や債券を使う商品の結果から、S&P500の4倍商品の将来成績を直接推定することはできません。
4.3倍でも5年スパンで見れば上がっている
まず先ほど例に示した4.3倍ブルですが、1年では無く5年間の成績を見てみます。
すると1年間での印象とは異なり、乱高下しながらも上昇しているのが分かります。


当然上がる時も下がる時も3倍レバレッジより4.3倍レバレッジの方が傾斜は急ですが、いずれもレバレッジ無しよりも上昇している傾向が見られます。
ただし気をつけたいのは、結局このチャートではレバレッジ3倍の成績が2022年2月の段階では最も高く、5年間を通しても4.3倍の大きなアドバンテージは無さそうであることです。
米国債券は27倍レバレッジでも上昇
株式とはまた概念が異なりますので、あくまでも参考程度に。
USA360は、投資元本に対して株式約90%・米国債券先物約270%の投資効果を目指す組み合わせとして理解します。「10%を証拠金として270%分を持つから27倍」という比だけで、ファンド全体のリスクや、株式4倍商品の有利不利を比べることはできません。


株式と債券では値動きの大きさも資金調達条件も異なります。異なる資産の高倍率の例を、4倍株式商品の安全性の根拠にしないことが大切です。



上昇が続く経路を事後的に選べば、高倍率の商品がよく見えることはあります。しかし将来の経路は分かりません。バックテストの前提条件も併せて確認してください。
S&P500・4倍ブル型ファンドのポイントと、、、
この投資信託の最大のポイントは、私が思うにターゲットとなるインデックスがS&P500であってNASDAQ100では無いところです。
要するに、長期的に値上がりはするものの、ハイテク銘柄に偏りが大きくボラティリティも大きなNASDAQ100で4倍は無謀。
しかし、さらに多業種に分散され、値動きが緩やかでも長期的に上昇を続けるS&P500であればレバレッジ4倍でも活かせる、という考え方です。
では、この商品を軸に積立投資を行いますか?と問われれば、、、



私の答えはNOです。
良さそうな話をしておいてそれか、とお叱りを受けるかも知れませんが、あくまでも私が積立の主軸に据えるかと考えた場合の一意見です。
投資信託を売る側はあくまでも手数料ビジネスですので、そう思わせて顧客の射幸心を煽り、儲かりそうな可能性を感じさせることが出来れば勝ちです。
従って、
- 購入する人は少なからずいるでしょう。
- そして儲けを出す人もいれば、狼狽売りに泣く人もそれぞれ大勢出てくることでしょう。
- 短期売買で利ざやを狙う人も出てくることでしょう。
ただ、この記事で紹介したデータからも明らかな通り、4倍ものレバレッジを活かして長期投資を行うには(あくまで私の主観では)リスクが大き過ぎます。
2倍や3倍も十分に高リスクです。倍率を下げれば利益が保証されるわけではありません。私は4倍を積立の中心にしないと考えますが、これは他の高倍率商品を初心者に勧める意味ではありません。
興味本位で少しだけ持ってみてもいいかなとは冒頭にも書きましたが、あくまでもその程度に留めておこうと思います。
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レバレッジ4倍:まとめ


投資信託の登場でX(旧Twitter)を賑わせたのは、2021年11月に登場した楽天レバナス以来でしょうか。
米国市場のインデックスにレバレッジをかける、という手法は誰もが期待感を持つため資金流入に繋げやすい側面があるのでしょう。
特に大和レバナスやQLD、TQQQの目を見張る成績が過去の実績としてあることが強みです。
しかしNASDAQ100に対しては未だに懐疑的な見方(ITバブル崩壊の再来可能性の指摘)をする投資家も少なく無く、それもあってS&P500の人気も衰えません。
そんなS&P500の最高レバレッジ商品は、これまではETFのSPXLでした。
SPXLは3倍でありながら2倍のQLDと同等の成績で、もう少し倍率アップを望む声が無かったわけではありません。


そんな折に登場したS&P500・4倍ブル型ファンド、相当以前から企画されていたのだと思います。
望みが叶ったと歓喜する投資家もいるでしょうから、利用される場合にはその成功を祈るばかりです。
個人的にはまずは5年程度、様子を見ながら遊んでみようと思います。
4倍の日次運用を数字で確かめる
次は指数の変動を単純に4倍しただけの計算例です。費用・為替・追随誤差を除いた仮定で、実際のファンドの予測ではありません。
| 指数の1日の下落 | 4倍の単純計算 | 残高を戻すために必要な上昇 |
|---|---|---|
| 5% | 20%下落 | 25% |
| 10% | 40%下落 | 約66.7% |
| 20% | 80%下落 | 400% |
計算式は、回復に必要な上昇率=下落率÷(1-下落率)です。また、指数が100→110→100と動くと、4倍の単純計算は100→140→約89.1。指数が元に戻っても同じ結果にはなりません。
確認資料:T&D公式:ファンド情報・目論見書の確認先、NYSE:市場全体のサーキットブレーカー。購入の前段階は投資初心者の資金の分け方も参考になります。(2026年10月16日確認)














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