はじめに
投資におけるレバレッジとは?
近年、インデックス投資にレバレッジ(テコの原理)を効かせた商品が多く登場しています。
なんだか怖いというイメージもあるかもしれません。
この記事は、レバレッジ投資信託に対する過剰な警戒感を解き、正しい知識に基づく効率的な投資の第一歩を踏み出す基礎知識を学べるようになっています。
時間はとても大事です。
子育て中の方であればお子さんの教育費のために、或いは自身の老後を見据えて、時間を有効活用出来るように考えましょう。
レバレッジを使った投資
投資信託の中にはレバレッジという単語が商品名に含まれているものも存在します。
iFreeレバレッジNASDAQ100などはその筆頭で、レバナスと略して呼ばれることも多いものです(公式にレバナスと称しているものは楽天の投資信託のみ)。
そもそも投資におけるレバレッジとはどんなものでしょうか。
簡単に解説します。
レバレッジって何??
レバレッジとは、テコの原理を意味する言葉ですが、経済活動においては『他者の資本を利用することで自己の資本に対する利益率を高めること』と説明されます。
利用、とは大体『借りること』を示します。
一般に、少ない元手で大きな投資が出来るため『大きく稼げる一方、大きく損をする』というのがざっくりした説明になります(みんなのFX: レバレッジとは?)。
100円を元手に1000円の投資を行い、1000円が1050円になったらその50円が利益となります。すると100円の投資で50円儲けたことになります。本来は5%分(1000円に対して50円)しか値上がりしていないのに、50%分(100円に対して50円)稼げた計算になります。この例ではレバレッジは10倍(100円に対して1000円)になります。
逆に、100円を元手に1000円の投資を行い、1000円が950円になったらその50円が損失となります。ここで、もし1000円が850円になってしまったらどうでしょうか。100円しか元手がないのに150円の損失。これではレバレッジを担保してくれている機関がそのマイナス分を補填するようなことになってしまうのでしょうか。いえ、その前に追証と言われる追加の元手を要求されます。つまり100円で150円の損失が出る以前に、追加で元手を入金しなければいけなくなるのです。もしそれが出来なければ、1000円が900円になった瞬間に強制的に解約させられます:強制ロスカット(auじぶん銀行)。
このようなことから、素人が手を出すと危ないとか、レバレッジは危険という考え方が広まっています。
これは確かに一理あります。
このパターンで破滅的な損害を被るケースは無いとは言えません。
例えばレバレッジの典型例の一つ、FXの場合についての解説がこちら:FXで破産する確率は?(マネーグロース)。
破産とは言わないまでも大きく資産を減らしてしまう人が多くいるのも事実です。
ではレバレッジは危険だから手を出さないに越したことは無いのでしょうか。。。?
レバレッジ投資信託の使い方
手を出さない方がいい、、、そんなことはありません。
何でも使い方次第、使う人次第ということです。
基本的に投資というのは短期間でがっぽり儲けようとすると失敗します(=投機:リスクが高すぎます)。
レバレッジも同様で、じっくり使えば長期的に強力なツールになり得ます。
インデックスに連動しながら、じっくりと資産は増やしていくものです。
それを体現すべく登場したような投資信託があります。
2022年現在はその知名度も上がり、多くの証券会社で取り扱われているのでご存知の方も多いかもしれません。
iFreeレバレッジNASDAQ100です。
“レバナス”などと呼ばれる場合もあります。
これはNASDAQ100というインデックスに連動しつつ、日々の値動きをその2倍になるように運用する投資信託です。
なんだか微妙な表現ですよね。
上で説明した証拠金の○倍の資産を運用、ということではないの?と思うかもしれません。
実はこれはファンド(投資家のお金を集めて運用する人達)が運用するので、その投資信託を購入する私達には証拠金とレバレッジという概念が直接反映されるわけではありません。
もっとかい摘んで言うと、この商品を購入することで暴落時に追証(追加の元手)を求められることはありません。
つまり、日々の値動きを元のインデックスであるNASDAQ100の2倍にしつつ、普通の投資信託と同じように購入することが出来るのです。
レバレッジの逓減リスク
逓減とは、次第に減ることを意味する単語です。
レバレッジをかけると次第に減るとはどういうことでしょうか。
簡単にイメージ出来るように下にグラフを用意しました。
このグラフは縦軸が資産残高、横軸は時間になっています。
スタート時点の資産を100とした時に、レバレッジなし(元のインデックス、仮にNASDAQ100)の価格が10%ずつ上がったり下がったりする場合を考えています。
現実にはそのような値動きは無いですが、便宜的に。
それが青いグラフです。
一方レバレッジ2倍(仮にiFreeレバレッジNASDAQ100)の場合にはその値動きが2倍になりますので、価格が20%ずつ上がったり下がったりしています。
こちらがオレンジのグラフです。
グラフからも明らかな通り、上がり下がりしながら価格が横ばいの場合、レバレッジ2倍の方は大きく値動きしながら元のインデックスから下方に乖離していく様子が見て取れます。
これがレバレッジによる逓減リスクと言われるものです。
高いところから落ちるときは大きく落ち、低いところからは上がりにくくなる、ということです。
現実にはこのような一定の値幅で上げを繰り返すことは極めて稀であり、長期的に右肩上がりになる(なってきた)インデックスにおいては元のインデックスを大きく上回る成績が得られています。
上で紹介したiFreeレバレッジNASDAQ100がその好例の一つです。
以下で説明するように、積み立てることでさらにその影響は軽減されます。
レバレッジ積み立て
結局のところ、長期的に見て成長する(と期待する)市場に積み立て投資をするのであれば、右肩上がりのグラフにレバレッジがかかり、短期間に大きく資産を増やすことが出来るということになります。
一般にレバレッジ型の商品は短期売買向けであるとか、素人向きでは無いと言われることがありますが、iFreeレバレッジNASDAQ100ではツミレバ(積み立てレバレッジ)を提唱し、大きく資産を成長させることを目指しているように、基本的にはインデックス投資で追証が不要なわけですからポートフォリオに入れておいても良いのではと思います(大和アセットマネジメント:ツミレバ)。
すでに価額が上がりすぎているのでは?という心配もあるかもしれませんが、その点は心配無用です。
もしそうであるならば、これから生まれてくる子供達の未来は地球の衰退を意味しますので。。。
終わりに
FIREに向けて積み立て投資をする様子を、複数車線のある大通りを目的地に向けて進む様子に例えてみましょう。
渋滞を縫って少しでも早く目的地へと急ぎ進むのをアクティブ運用とすると、レーンを変えず流れに身を任せて進むのがインデックス運用と言えます。
どう走ったら早く目的地に着けるでしょうか。
どんどんレーンチェンジして追い越して行った方が早い気がしますよね。
しかし実はどのレーンを走っても目的地までの所要時間は実は変わりません。
何なら一番左の走行車線をまったり何も考えずに進んだ方が早いくらいです。
同様に、インデックスに身を任せても、プロが運用しても、結局勝率は変わりません。
頑張って変わるなら苦労しませんから。
しかし“プロが運用する”せいで手数料が発生し、その分アクティブ型ファンドの成績が悪化する傾向にあります。
インデックスファンドの積み立てが無難、と言われる所以です。
そしてこの一連の例えにおいてレバレッジ投資信託はどのようなイメージか。
私のイメージですが、渋滞を尻目にスッと進むバイクのようなものでしょうか。
目的地までの所要時間は圧倒的に早く、しかし万一事故った時のダメージは大きいかも、という。。。
積み立て投資は早く始めるに越したことはありません。
複利効果を活かすには時間が重要ですから。
最後にiFreeレバレッジNASDAQ100の伝道師とも言える風丸さんの動画を共有しておきます↓↓↓
文字より動画がお好きな方は、彼のチャンネルでゆっくりどうぞ。疑問を持ったらまた当サイトに帰って来てください。
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