SPYは、安定した人気の米国インデックス『S&P500』に投資が出来るETFの一つです。
そしてS&P500に連動するETFの中ではもちろん、米国ETFの中でも最も歴史の長い(運用期間の長い)ETFです。
投資は長期に、かつ出来れば積み立てを継続することが重要ですが、そうした結果どのような資産形成が可能だったのかをSPYを例に見てみましょう。
1993年1月22日に設定されていますから、30年近いバックテストが可能です。
この記事ではSPYが設定された1993年から2022年までの長期投資、そしてITバブル崩壊直前やリーマンショック直前から投資を開始した場合のシミュレーションを紹介します。
ウォーレン・バフェット氏も勧めるS&P500への長期投資がどれだけ有用か、改めて良く理解出来ると思います。
なお、記事中のシミュレーションは全てPortfolio Visualizerによるものです。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
SPYとは
2022年3月現在、世界最大のファンドです(純資産4,000億ドル超:40兆円以上)。
経費率は0.094%とかなり低く設定されています。
配当金は四半期ごと(1, 4, 7, 10月)に支払われ、配当利回りは1.5%前後を推移しています。
最新の基準価額や資産額、利回り情報はステートストリート社のSPYD情報を確認して下さい。
そしてSPYの銘柄構成は、S&P500そのものです。
構成銘柄 | 構成比率(%) |
---|---|
アップル(AAPL) | 6.74 |
マイクロソフト(MSFT) | 5.95 |
アマゾン(AMZN) | 3.71 |
アルファベット(GOOGL) | 2.16 |
アルファベット(GOOG) | 2.02 |
テスラ(TSLA) | 1.94 |
エヌビディア(NVDA) | 1.75 |
バークシャーハサウェイ(BRK/B) | 1.66 |
メタ(FB) | 1.35 |
ユナイテッドヘルス(UNH) | 1.26 |
Top10合計 | 28.54 |
GAFAMの5社だけで40%を超えるようなNASDAQ100とは異なり、特定の業種・特定の巨大企業の影響がより小さいこともSP500=SPYの魅力の一つと言えるでしょう。
確かにそれは見方次第ですが、より小型の株も含め、分散が効いているという解釈から、分散投資を好む投資家からはポジティブな見解が得られるポイントです。
1993年からの長期投資
設定された時点で一括投資を行った場合
VS
2022年まで積み立て続けた場合
で見比べてみます。
一括購入とホールド
一括で購入した後、ひたすらにホールドし続けた場合の資産額の推移は以下の通りです。
Log表示(対数表示)で明らかな通り、この30年近くに渡って長期的には右肩上がりになっており、15倍以上に資産が成長したことが分かります。
積み立て
一方、積み立て続けた場合はどうでしょうか。
毎月100ドルづつ積み立てたシミュレーションは以下の通りです。
青い線がSPY、赤い線が元本(現金:CASHX)です。
値上がりしたところで買い増ししているために起こる現象ですが、しかし下落局面でもしっかり買い増ししますので2009年9月末以降は元本を上回り続けます。
上昇局面が続く場合には積み立てよりも一括の方が効果的ですが、投資を開始した直後に暴落が襲ってくる場合には積み立てが有効です。
次はそのような状況を見てみましょう。
ITバブル崩壊直前からの投資
1999年末に一括で投資を行った場合
VS
同じく積立投資を開始した場合
で比べてみます。
それぞれのチャートは以下の通りです。
先ほどと同じく青い線がSPY、赤い線が元本(現金:CASHX)です。
一括投資と積立投資とでそれほど大きな違いが無いように見えますが、例えばリーマンショック後の2010年4月末には積立であれば元本を上回ります。
しかし一括の場合には2010年4月ではまだ元本を上回ることが出来ていません。
一括投資の場合には2013年3月にならないとリーマンショックから立ち直れませんでした。
ITバブルの崩壊はS&P500よりもNASDAQ100の暴落が目立ちましたが(実態を伴わないバブル)、多くの業種が総崩れしたリーマンショックはS&P500にも多大な影響を及ぼしました。
→ 次はそのリーマンショック前から投資を始めた場合について見てみましょう。
リーマンショック直前からの投資
2007年末から、同様に一括で投資を始めた場合と積み立てを始めた場合の資産額の推移は以下の通りです。
青い線がSPY、赤い線が元本(現金:CASHX)です。
一括と異なり、積み立てでは2009年のうちに元本を上回ることが出来ています。
一括だと3年以上に渡って元本割れが続くことになり、精神的にかなりしんどい時期が続きます。
今見れば、チャートはその後上昇するのでさほど気にならないかも知れませんが、リアルタイムでこのような暴落を経験すると『元本割れの継続』は思いのほかダメージが大きいものです。
積み立ては暴落を『安く買うチャンス』と捉えられるという心理的な支えになると同時に、元本割れ期間を大幅に短縮してくれるという、長期投資にはこれほど心強い物はありません。
SPYの魅力は安定感
長期的な対数チャートを見れば明らかですが、コロナショックなどは『ほんの僅かな凹み』でしかありません。
いかに長期投資が重要かがよく分かります。
つまり、長期的に上げてきた後での下落は確かに大きなダメージではありますが、それまでの含み益を全て吹き飛ばすのは至難の業です。
積み立てであれば尚更で、概ね15年程度の投資期間があればマイナスになる可能性は極めて低いと言えるでしょう。
実際に米国株への投資が15年を超えるとリターンがマイナスになるリスクが大幅に減少し、リターンは年平均6〜7%程度に収斂していくことが知られています。
詳しくは以下の記事を参照して頂ければと思いますが、S&P500はこの米国株の値動きを象徴するように構成されていますので、その安定感が非常に魅力的なインデックスです。
SPYは経費率が極めて低いことを冒頭で紹介しましたが、それとほとんど変わらない信託報酬で配当の自動再投資や毎月の定額積み立てが可能な『eMAXIS Slim米国株(S&P500)』が楽天証券での買付ランキングでトップになるのも納得です。
楽天証券だけでなく、多くの証券会社で購入することが出来ますので、投資初心者で何を買ったら良いか分からないなら、まずはこの『eMAXIS Slim米国株(S&P500)』でスタートしてみても良いかも知れません。
楽天証券ならSPYの購入ももちろん可能ですし、2021年12月以降はETFへのポイント投資なども可能になりましたので、お得に資産を増やしていきましょう。
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