2026年10月17日見直し:100%を一律の売買基準にする説明と、指標は無意味という断定を見直しました。過去のグラフ、現在の水準、個人投資家の意図を分けています。
バフェット指数で投資はアリ?
あてにならない?
ウォーレン・バフェット氏の名を冠した指数ですが、算出根拠自体は極めて単純なものです。
株式市場の時価総額が、その国のGDPに対してどの程度の割合かを指します。
この後で分かり易く説明します。
GDPは言わずと知れた国内総生産のことで、1年間でその国で新たに生まれた付加価値の総計です。
時価総額は上場企業の全ての価値の総計です。
そのバランスの変化を捉えて、相対的に割安なのか割高なのかを判断することをウォーレン・バフェット氏が重要視しているとされたことからこう呼ばれます。

この記事では、過去の主なインデックスの値動きとバフェット指数とがどのように動いて来たのかを振り返り、実際に参考にするべき指標なのかを考察します。
Y-bow本人が現在この指標をどう使っているかを、保有株の変化だけから推測することはしません。


- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴17年 (学生時代から)
- レバナス(為替ヘッジなし)とFANG+をメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
バフェット指数とは
冒頭で触れた通り、以下の式で算出される指数です。
バフェット指数=(株式時価総額 ÷ GDP)× 100 (%)
100%は株式の時価総額が1年分のGDPと等しい水準です。それを超えたら必ず割高、下回れば必ず割安という普遍的な基準ではありません。
分子には、どの企業・市場の時価総額を含めるかを明示します。株価指数のポイントをそのままGDPで割るわけではなく、系列ごとの定義と単位を確認してください。
アメリカ合衆国を代表する株価指数の一つ。ニューヨーク証券取引所、NYSEアメリカン、NASDAQで取引され、アメリカ合衆国に本店を置く全企業の株式を対象としており、米国株式市場を最も広範にカバーする時価総額加重平均型株価指数である
Wikipedia『ウィルシャー5000』より
馴染みのあるETFの中だとVTIが一番近いかもしれません。
全市場の時価総額と、S&P500の株価指数は別の系列です。値動きが似ていても、分子として無条件に代用できるわけではありません。
バフェット指数は、2021年には200を超えるまでに上昇しました。
100を基準とするのであれば、相当な割高ということになります。
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バフェット指数とS&P500、GDPの過去の推移
実際に過去にどのように推移して来たのかを確認してみましょう。
これら3つの指標を同時に確認するには『gurufocus』が便利です。
過去20年間の推移
過去20年間のバフェット指数、S&P500、GDPの推移は以下の通りです。


いずれの指標とも基本的には右肩上がりになっていて、グレーで示したリーマンショックとコロナショックではそれぞれ大きく下げているのが確認出来ます。
この20年間の間にGDPが118%上昇したのに対し、S&P500は290%上昇しました。
GDP(バフェット指数の分母)よりも時価総額(バフェット指数の分子)の方が大きく上昇したため、バフェット指数も上昇し、その上昇幅は98%となっています。
バフェット指数はリーマンショック明けの2013年3月には100を突破し、以降2022年現在まで100を切ったことがありません。
コロナショックで株式市場が一時的に大暴落を来たした時でさえ、バフェット指数は120までしか下がりませんでした。
リーマンショックの底では50近くまで下げたことと比べると、いわゆる“バブル崩壊”ではないコロナショックではそこまで下げなかったと言えるのかもしれません。
ではもっと遡って、ITバブルの崩壊ではどうだったでしょうか。
過去30年間の推移
過去30年間のバフェット指数、S&P500、GDPの推移は以下の通りです。


2002年9月にはおよそ70にまで下げましたが、すぐにITバブル前の水準に戻したような印象で、リーマンショックの前には再び100を超える水準まで上昇しています。
世界経済の根幹を揺るがすような事態、バブルの崩壊が起きた時には確かに100を切り、そして経済の成長と共に100超えを目指すという流れは確かにありそうです。



ところが、2013年以降はそのような説明が出来ない状況が続いています。
改めてバフェット指数の推移を見ると、ITバブルの頂点でもバフェット指数は140余りまでの上昇に抑えられています。
確かにITバブルはドットコムバブルというだけあって、一部の業種に限ったバブルであったのは確かです。
しかしそれでもS&P500も大きく引っ張られ、米国市場全体が大きく上がっていたのも事実です。
それでも(たかが)140程度で止まったのは、2018年以降に140以上で推移していくことと比べればかなりの低水準とさえ言えてしまいます。
次はさらに遡って50年間を振り返ってみます。
過去50年間の推移
過去50年間のバフェット指数、S&P500、GDPの推移は以下の通りです。


1970年末から1997年6月までは、実はバフェット指数は一度も100に達したことは無かったことが分かります。
これは、2013年4月以降は2022年まで一度も100を切ったことが無いのと対照的です。
果たして、この現象は『1997年まではずっと割安、2013年以降はずっと割高』という意味なのでしょうか。。。
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米国以外のバフェット指数
米国以外のバフェット指数の推移を比較してみます。
こちらは『The World Bank』から引用します。
これまで見てきた米国と、世界全体、日本を比較すると以下の通りです。


インドや中国、ロシア、韓国については以下の通りです。


ここからは様々な情報が読み取れますが、本稿の趣旨に照らし、次の項目で説明する通りあまり細かく分析しても仕方が無いので、関心のある方は参考情報として活用下さい。
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バフェット指数はあてになるのか
この指標だけでは、次の下落時期や適切な売買日を特定できません。一方で、定義をそろえて過去や他国と比べる材料としての意味まで否定するものではありません。
そもそもウォーレン・バフェット氏は、2013年以降にバフェット指数が100を安定的に超えてもなお投資を続けています。
バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイ社がAppleへの投資を開始したのが2016年で、その後も株式投資で大きく資産を拡大させ続けました。



投資家の現金保有や狙いを、この記事の過去グラフから断定することはできません。
この記事の読者の記憶にもまだ新しいと思いますが、コロナショックの底付近、サーキットブレーカーが連発したその安値圏であってもなおバフェット指数は120もの高水準にあったのです。
その後の株高はもちろん、ウクライナへのロシア侵攻が始まって1ヶ月以上が経過してもなお200近い高水準で推移しています。
それでもバフェット氏は投資資金を全て引き上げるようなそぶりなど見せません。
ある投資家が株式を持っていることだけで、その人が市場全体の指標を使っていないと判断することもできません。個別銘柄の判断と、市場全体の評価は異なります。
恐らくバフェット指数が投資判断の参考になるということは、少なくとも100を割高/割安基準にする限りは現代に適用出来ないのだと思います。
バフェット指数は、米国株式の時価総額をGDPと比較する指標です。定義や推移はGuruFocusの指標解説(英語)で確認できます。単独の指標だけで短期の売買時期を決めず、金利や企業業績なども合わせて考える必要があります。
現在の売買は、利益、評価倍率、金利、家計の資金用途などと合わせて考えます。一つの指標が使えないと決めつけるより、何を測り、何を測らないかを知ることが大切です。
バフェット指数が100を切るまで待っていたら永久に投資が出来なくなってしまうかもしれません。
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まとめ
バフェット指数が一体どんなもので、過去にどのように推移して来たのか、そして今それを指標に投資を行うことに妥当性が無さそうであることを紹介しました。



今回の過去図は2022年頃までの掲載時点の記録です。現在の水準を示すものではありません。投資継続の判断は、現在の条件と自分の計画で考えます。
そもそも株式市場は長期的には右肩上がりを続けており、仮にGDPの成長速度が過去の株式相場と同じペースだったならバフェット指数は一定の値を取り続けることになります。
しかし必ずしもそうなるとは限らず、また人類が生み出す価値の種類や全世界への影響力、次の新技術へのステップアップの難易度なども時代によって大きく変わり、進歩・進化して行っています。
金利の変化はその一端を切り取った一つの側面に過ぎないのでは、と私は思います。
経済学者のコメントでは無いので、一投資家の戯言として捉えて下さい。
しかし実際にそのように考えなければ投資など出来ないのでは無いでしょうか。
国や時代を超えて100%を固定の売買線にすることは慎重に考えます。上場・非上場の割合や海外事業の広がりなど、比較の範囲が変わるからです。
なぜなら、人類の価値はどれだけの付加価値を生み出したかではなく、何が出来るようになったのかの方が重要だと思うからです。
時価総額とGDPは確かにどちらも貨幣価値で示すことが出来る数字であるかもしれません、そして互いに関連のある指標だとは思います。
しかし次元の違う話だなと思っておく方が良いように思います。
見直した説明と参照資料
世界銀行:株式時価総額/GDPの指標(2026年10月17日確認)
米国BEA:GDPの定義(2026年10月17日確認)















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