分散投資が重要というフレーズはよく聞くと思いますが、何をどう組み合わせれば分散になるのか分からずに投資を始める方も少なく無いようです。
そこでこの記事では、分散投資を考えるための基礎知識、用語について分かりやすく解説します。
横文字が並びますが、一度その意味を知ってしまえば投資の視界が開けます。
投資初心者はもちろん、これから投資を始めようという方も是非理解を深めて行って下さい。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
はじめに
投資を始めてみると、ポートフォリオという言葉に出会うと思います。
投資はしてるけど聞いたことない、という人もここで知って自分のポートフォリオについて考えてみて下さい。
どれくらいの金額を投資しているか、よりも重要な観点です。
この記事のターゲット:
- 投資を始めたばかりの人
- 分散投資を考えている人
- 専門用語は見聞きしたこともないが、投資デビューを考えている人
ポートフォリオとは
Portfolio(ポートフォリオ)とは、直訳すると紙挟み/書類カバンのことです。
このポートフォリオという単語、実は親しみのある業界によってイメージが異なり、金融/投資の範疇においては本稿で触れる“資産構成”を指しますが、クリエイティブ業界ではクリエイターが実績をアピールする作品集を指すようです。
また教育業界においては個人評価ツールを指すこともあるようです。
本稿は投資にフォーカスしていますので、以降は資産構成の意味でお話ししていきます。
分散投資の重要性
投資を始めると、資産の値動きが気になり始めます。
今日は上がったかな?下がったかな?と一喜一憂している方も多いことと思います。
もしインデックス投資(TOPIXやNASDAQ100などの指標に連動する値動きの投資信託など)を行なっているのならば、連日のニュースでも目にするそれらの値動きに沿った変動を体感しているでしょう。
ではもし、そのようなインデックスではなく、そのインデックスを構成する1銘柄(どこか1社)に集中して投資していたらどうでしょうか。
インデックスよりも大幅に上がるかもしれませんし、その逆かもしれません。
しばしば○○の株価が日経平均を押し上げた、などという報道を目にするかもしれませんが、これはその銘柄が大幅に値上がりしたことを受け、その銘柄を含むインデックスが釣り上げられたことを意味します。
そんな時はインデックスではなく個別にその株を持っていればなぁ、という思いもあるかもしれません。
しかしその逆もあり得るわけです。
例えば、
- 法改正の煽りを受ける業種が軒並み暴落
- 治験に失敗した製薬企業の株が売られる
- 業績が予想以上に悪化している
- 経営陣が揉めて会社が傾く
など、様々な要因で大幅下落する場合もあります。
つまり、どこか1つの会社にしか投資していない場合、当然ですがその会社の業績や業界の影響を極めて強く受ける事になります。
これは投資家にとっては大きなリスクであり、その会社と共に生きる覚悟が無い限りは避けなければなりません(自社の価値が大幅に上がり巨額の資産を手にした起業家達は皆、それだけのリスクを負っていたという事です)。
そこで、複数の会社に分散して投資することを考えるわけですが、その際にも全て似たような、関連する10社に投資するよりも様々な種類に分散する方がよりリスクが分散される事になります。
その種類を大きく分類したものをセクター、クラスなどとと呼びます。
それぞれの用語は以下で説明します。
用語の説明
セクターとクラスについて分かりやすく解説しますが、用語を覚えることよりも大事なのはその理屈を理解することです。
何となく投資するよりも、分かって納得した上で投資が出来るようになりましょう。
セクター
セクターとは、これも“ポートフォリオ”と同様に業界によって意味が様々異なりますが、金融/投資の世界においては業種やテーマ、また材料などそれぞれの企業が持つ特徴に着目して分類したグループのことを指します。
一般には部門・部署という意味で使われますし、宇宙を取り扱う時には星域を表します。
なんとなくイメージが付くでしょうか。
そして、ここで大事になるのが“セクターローテーション”という考え方です。
これは図(著者作)に示した通り、景気の循環タイミングにより強みを発揮するセクターが異なり、経済状況を反映しながら強いセクターが入れ替わっていくというものです。
必ずしもこのセオリーに従うとは言えませんが、ある程度の傾向は見られます。
アセットクラス
アセットクラスとは、投資対象となる資産の種類や分類を指す用語です。
セクターとは異なり、資産の種類そのものが異なるものを指す用語です。
例えば株式、債券、不動産、貴金属、現預金/為替、更には暗号資産なども含めてクラスが分けられます。
アセットクラスについても景気の影響を受け、傾向として不況の時には株価は下がる一方で貴金属は上がるなどの特徴が観察されます。
資産クラスによって運用成績もリスクも異なりますが、ここではまずクラスの意味を理解しておきましょう。
ポートフォリオをどう組むか?
ここまで見てきた通り、多くの企業に分散して投資をし、かつそれらが異なるセクター/クラスに属していれば、長期投資を行う際に景気の動向に大幅に左右されることなく安定した成長を期待することが出来ます(社会・経済自体が全体として成長する場合)。
加えて、国や地域ごとにも景気の波があります。
そこで、資産を安定させようとした場合にはこれら異なるセクター、国、クラスを織り交ぜて投資をすることを検討したいところですが、投資初心者が独自にこれほどのポートフォリオ(資産構成)を構築することは極めて困難だと思います。
そこで有用なのが投資信託やETF(上場投資信託)です。
投資信託はその名の通り投資を他者に信託(信用する他者に委託)するもので、多くの投資家から集めた資金で多彩なポートフォリオを組んで運用しています。
日本のみならず米国や全世界の株式に分散投資するもの、株式や債券を取り混ぜたものなど、1つの商品で幅広い分散が出来る商品もありますし、特定のセクターやクラスを対象とする投資信託を自分でいくつか選択して自分なりのポートフォリオを構築することも出来ます。
例えばNASDAQ100に連動する投資信託、日経225に連動する投資信託、国内REITに連動する投資信託を選べば、米国のハイテクセクターと国内の幅広い銘柄、そして国内の不動産に分散して投資するポートフォリオが出来上がります。
投資信託を利用した投資の始め方については以下の記事を参考にしてみて下さい。
先ずは第一歩を踏み出してみましょう。
終わりに
投資信託を利用した分散投資は手軽に始められる環境が整ってきていますので、世界中の様々なセクター、クラスに投資することのハードルが下がっています。
それらへの分散投資に加えて積み立て投資を長期に続けることで、より確実に資産形成を進められるように引き続き情報を整理・発信していきたいと思います。
成人年齢も2022年度から18歳に引き下げられたこともあり、高校生でも自分の意志で投資を始められるようになりました。
早いうちから資産形成を始めることは大変重要ですから、ぜひ真剣に情報を集めるようにしましょう。
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