SOXL、TECLと比較されることが多い3倍レバレッジETF、WEBL。
この3つの中では最も歴史の浅いETFですが、スタートダッシュが良かったので注目を浴びています。
しかしその後は冴えない成績が続き、今後が気になっている方も少なく無いでしょう。
そこでこの記事では、スタートアップ投資や数々のレバレッジ投資を行ってきた投資家目線でWEBLについて解説します。
結論:
- WEBLはレバレッジETFとして資産運用に活用するのはアリ
- ただし長期目線では積立を推奨
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
3倍レバレッジETFの使い方を概説した記事ではTECLと合わせてレバナスとの比較という観点で紹介しました。
この記事ではもう少し具体的にWEBLについて解説します。
WEBLとは|知らないと大損するかも
WEBL:Direxion Daily Dow Jones Internet Bull 3X Shares ETF
<Dow Jones Internet Composite Indexの300%の運用を目指すETF>
運営:Direxion Shares ETF Trust
レバレッジ投資に関心のある方なら一度は聞いたことがあるであろう、3倍レバレッジETFシリーズの一つです。
しかしWEBLはレバナスやSPXLなどと比べればまだ知名度は低く、2019年11月7日に設定された、3倍レバレッジETFの中では後発商品と言えます。
ETFとは、という基本が分かっていた方が理解が進みますので、ETFって何?という方は是非まず以下の記事を読まれてから戻ってきて下さい。
WEBLは以下のような銘柄で構成されています(ブルームバーグ【WEBL】より、2022年3月時点)。
銘柄(Top10) | ファンドの割合 (%) |
---|---|
Dreyfus Government Cash Management | 5.35 |
ゴールドマンサックス(FTIXX) | 2.72 |
Amazon | 1.77 |
メタ(旧Facebook) | 1.42 |
セールスフォース | 1.02 |
ネットフリックス | 0.97 |
シスコシステムズ | 0.96 |
アルファベット(GOOGL) | 0.96 |
アルファベット(GOOG) | 0.86 |
ペイパル | 0.75 |
この中でGAFAMに含まれるのはAmazon、Meta、アルファベットです。
AppleとMicrosoftが登場していません。
GAFAMとWEBLのチャートを比較してみると以下のようになります。
Log表示で見る重要性は以下の記事で詳しく解説している通り、特に値動きの大きいインデックスのトレンドを見るには必須の表示形式です。
WEBLは設定されてから間も無くコロナショックの洗礼を受けることになりました。
しかし3倍レバレッジの威力でその後の回復も速く、2021年初頭には設定時の3.8倍にまで値を上げます。
ところが、その後は堅調な上昇とは行かず、2022年初頭にはコロナショック前の水準まで一気に急落してしまいました。
その後2023年にかけて最安値付近で低迷を続けています。
チャートをよく見ると、GAFAMの中でも軟調なFacebook(Meta)やAmazonのチャートによく似たパターンになっています。
とは言え、NASDAQ100のようにGAFAMの占める割合が4割越えということはなく、特定の企業に引っ張られる傾向は弱いと思われます。
そこで次に、主な3倍レバレッジETFとの比較を見てみましょう。
WEBL設定以降のチャートで比較します。
なんということでしょうか、2021年後半からWEBLの一人負けです。
SPXL、SOXL、TECLについて良くご存知ない方は以下の記事を参考にされて下さい。
※ TQQQは国内大手ネット証券で購入することが出来ないので除外しています
2022年初頭の段階でコロナショック前の水準まで下落したのはこの中ではWEBLだけでした。
2021年初頭の段階ではWEBLの一人勝ちだったにも関わらず、3倍レバレッジETF同士で比較しても非常に大きなボラティリティです。
この後説明する長期投資に対する考え方で重要になるポイントですので、覚えておきましょう。
WEBLの長期投資で資産形成するには
WEBLがどんなETFなのか、イメージは掴めたと思います。
ではこのWEBLを使って、長期的な資産形成を目指すことの妥当性について考えてみましょう。
長期投資に向いている金融商品の必要条件は以下の二つです。
- 長期的に右肩上がりになること
- 償還期限が設定されていないこと
2点目は、投資信託では注意が必要ですがETFなら気にする必要は無いでしょう。
問題は1点目です。
投資における本質的な条件ではありますが、レバレッジをかけ過ぎると逓減リスクや下落のインパクトが大きすぎて、必ずしも達成出来ない条件です。
本サイトでは何度もこの点を強調して紹介していますが、Log表示グラフで右肩上がりの傾きトレンドが維持されているか?が一つの指標になります。
もう一度、Log表示の3倍レバレッジETF比較グラフを見てみましょう。
コロナショック前の時点ではいずれも同じような傾きで右肩上がりになっています。
コロナショック後の立ち上がりも似た傾きですが、2021年初頭まではややSOXLが好調と言えそうです。
問題なのはそこからで、WEBLが横ばいになる中、そのほかのETFはまだ右肩上がりを続けています。
これを見るとWEBLに対して投資をする自信が無くなりますよね。
WEBLホルダーは隣の芝(SOXL/TECL/SPXL)が青く見えたのでは無いでしょうか。
WEBLを使って長期的な資産形成をするのは辞めておいた方が良いのではないか、とさえ思えてくるかもしれません。
投資は自己責任ですので、その考えを否定することも肯定することも出来ませんが、私の考えを以下に示しておきます。
- WEBLも長期的には右肩上がりになることが想定されるものの、ボラティリティが大きいことから積立を推奨します。
- 利ざやを狙った短期トレードを行うことは時間の無駄なのでオススメ出来ません。
本質的には技術の発展に伴って上昇するインデックスだと思いますので、長期的な値上がりは見込めるでしょう。
ただ、SOXLをはじめとするレバレッジETFの成功を見て生まれた、二番煎じ的な雰囲気は否めません。
投資信託よりも経費率の低いETFとは言え、手数料ビジネスの一つです。
3倍レバレッジETFというだけで一定程度の顧客を確保できることが分かった今、やや無理矢理感のある設定なのではないか、これならSOXLやTECLでも良いのではないかと個人的には思ってしまいます。
一括投資ではなく積立の方が良いと考える理由、短期トレードはオススメ出来ない理由はそれぞれ以下の記事を参考にして下さい。
簡単に言ってしまえば、買ってすぐ暴落が来たら終わりますし、いつ上がるか/下がるかは誰にも分からないから、ということです。以下の記事ではそれを分かり易くデータで示しています。
WEBLはどこで買える?
楽天証券を始め、大手証券会社で取引が可能です。
楽天証券では2021年12月から自動積立が可能になり、ポイント投資も出来るようになるなど使い勝手が大幅に良くなりましたのでオススメです。
大和レバナスも楽天レバナスも、少額からの積立OK
SOXL、TECLなどのETFも積立・ポイント投資が可能に(2021.12〜)
楽天カードでの投資ならポイントも貯まり、ポイント投資でSPU+1%upも!
WEBL:まとめ
以上のことから、WEBLはその他の主要3倍レバレッジETFとやや異なる値動きをしてきており、長期投資にはより慎重にならなければならない存在のように見えます。
ただし、以下の点は考慮に入れておかなければならないでしょう。
- 設定からあまり時間が経過していないこと
- 設定直後にコロナショックに見舞われたこと
- まだ資産総額が十分に大きくないこと
WEBLの実力はまだまだ未知数で、ひょっとしたらTQQQをも上回る成績をこれから出してくれるかもしれませんし、全く冴えない成績で10年、20年が経過する可能性も十分にあります。
従って個人的には、よほどWEBLが好きならポートフォリオの一部で積立を行う、ぐらいがちょうど良いのではないかと思います。
コメント