- ブロガー・投資家・医学博士・個人事業主
- 1歳児(心室中隔欠損症)の父親
- 既に診察券は5枚 (産科、小児科、皮膚科)
- 親子ともコロナ、ノロ経験済
- FIRE可能な資産あり、好きで働いてます
心室中隔欠損症の診断を受け、生後間も無く病院通いが始まった我が子の経過記録記事です。
ベビーカーで初めての外出
生後1ヶ月半の段階で、また大学病院を受診しました。
計画的な経過観察での通院です。
前回から3週間ぶりになります。
たまに自宅でも体重は測定しますが、病院での測定により体重はこの3週間の間は毎日40〜50gのペースで増加を続けていました。
見た目にも丸っとしてきて、完全な二重顎〜三重顎です。
私自身が乳児だった頃も相当に丸々していたようで、誰に似たのか。。。(笑)
手足もむちむちしてきて、栄養状態は良好な様子です。
初めてベビーカーに乗っての通院でした。
因みにベビーカーはエアバギーを使っています。
三輪のエアーの入ったタイヤタイプで、重量はありますが取り回しは軽く、安定感抜群で多機能で助かります。
非常に使いやすいので、良ければ以下の記事も参考にされて下さい。
生後1ヶ月半での診察
さて、1ヶ月半の診察ではレントゲン撮影とエコー検査のみ実施しました。
本当はレントゲン撮影のみで予約されていたのですが、その結果を受けて急遽エコーも実施されました。
ちょうどこの時期までに肺の血流量が最大値となり、左心室からの短絡(逆流)があると肺への血流量が大幅に増し、肺が血液でいっぱいになる現象が起こりだします。
そうなるとレントゲン撮影でも肺の陰影が濃く映るようになります。
下のグラフは日本小児循環器学会雑誌からの引用です(引用元は図中に記載)。
例えば一番左のグラフは右肺動脈の血流速度が生後1ヶ月でピークに達することを示しています。
中央のグラフの主肺動脈の場合はそのピークが生後2ヶ月ですから、つまり通常この段階までには肺の血流量が増加する可能性が高いのです。
ところが、予想に反して肺の陰影は生後9日目の時とほとんど変わらず、主治医も予想外だったとのことでした。
そのせいもあってか、心不全の症状も強く出ることなく、呼吸も苦しくないのでミルクもしっかり飲めています。
生後1ヶ月半の段階で、生後9日の段階と同等の肺の陰影(短絡による血流量の大幅増加が無い)ということは、一見症状が無いだけで喜ばしいようにも見えます。
ただ、これは現段階では良いこととも言い切れない現象です。
主治医とも話をしましたが、心臓から肺に繋がる血管の圧力、延いては肺全体の血管の圧力が高いために短絡が抑えられている、という現象と背中合わせだからです。
どういうことかというと、左心室の高圧な血液が右心室に逆流し、肺にも高圧が掛かった状態が生じると、肺の血管が痛んできて肺高血圧と呼ばれる状態になる場合があるのです。
この状態になると肺に血液を送るのに抵抗が大きくなり、右心室(肺に血液を送る側)の圧力も上がるため左心室からの逆流が抑制されるのです。
もし肺高血圧が起きている場合、そのまま放置していると最悪のケースではアイゼンメンゲル症候群と呼ばれる病態となり、こうなってしまうと肺と心臓を同時に移植するしか手がなくなります。
その場合、心室中隔欠損を塞ぐ手術をしても改善が見込めないため、その手術の適応も無くなります。
手塚治虫の名作ブラックジャックの中にも『空から来た子ども』というエピソードがあり、この物語においてはブラックジャックでさえも手術による治療は不可能でした(作中では移植手術が出来るようになるまで母子の循環系を繋ぐというとんでも無い手術をやってのけましたが)。
この最悪のケースに陥らないための施策が現在はしっかりコントロールされています。
通常、1ヶ月半の段階で肺高血圧になることはないため、今回の検査結果は決して悪いものではないと考えられますが、そのメカニズムは不明です。
たまたま心臓と肺の血圧バランスが絶妙なためでは無いかと考察されます。
孔が早くも小さくなってきてくれているのであれば喜ばしいことではあります。
今後の方針
そこで念のため、次回3週間後に再度診察を受ける際にエコーで逆流具合を精査し、場合によりカテーテル検査を行うための日程予約をしてきました。
カテーテル検査というのは、実際に心臓の中のどの部屋でどの程度の圧力が生じているのかを正確に測定するため、血管の中をセンサー付きの管を通して心臓まで進め、直接心臓内で測定する検査方法です。
ちょっと注射する程度では流石に済まないので、2泊3日の入院になります。
我が子にとっては産院以来の入院になります。
3週間後の診察で検査の要否を確認し、必要と判断されればさらにその2週間後にカテーテル検査を実施する予定です。
加えて今回は、10月からシナジス(RSウイルス感染症を予防する抗体医薬品)の投与を開始することになりました。
RSウイルスは先天性心疾患を持つ乳児の天敵です。
呼吸器に負担が掛かるため、予防が重要な疾患の乳児には使用が認められているお薬です。
昨今の新型コロナの影響でRSウイルスの流行パターンが読みづらくなっているようですが、通常は冬季に流行する感染症であり、またシナジスは月1回の投与で6ヶ月間のみの投与が可能であることから、10月〜3月までの6ヶ月間で投与する方針としました。
診断直後からの経過と、この記事の続きは以下のリンクからお読み頂けます。
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