SOXL, WEBL, TECLなどのテーマ型3倍レバレッジETFは、とんでもなく値上がりして爆益を生む反面、落ちる時も凄まじいものがあります。
特に日本で注目を浴び始めた時期から投資を始めた人はその後の下落が大きく、含み損を抱えたケースも多いのでは無いでしょうか。
大きな含み損を抱えている時こそその真価が問われますし、保有し続けていて大丈夫なのか不安になりますよね。
この記事ではこれらの3倍レバレッジETFが下げ始めた時、手放すべきなのかホールド/買い増しするべきなのかを自身で判断できるようになるための情報を提供します。
テクニカル分析でどうこう言う話ではありません、もっと長期的な目線で投資を行いたい方向けの記事です。
結論:
長期的に上がると考える根拠が崩れたのか否かを判断基準にして、インフルエンサーの意見に振り回されないことが最も重要です。
Youtuberらは煽ってなんぼ、再生数稼ぎに躍起なせいで発信する情報にバイアスがかかりますので気を付けましょう。
この記事には物販もアフィリエイトもありません、投資家として日本人(特に非富裕層)の資産を増やして日本を住み良い所にしたいだけです。皆んなお金持ってた方が楽しくないですか?
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
SOXL|WEBL|TECLの住み分け
長期的に持っておくべきかを考えるためには、これらETFの中身が重要なので、知っている方も一度改めて確認してみましょう。
この3つのETFはそれぞれ異なるテーマで集められた銘柄で構成されています。
- SOXL:半導体
- WEBL:ウェブ
- TECL:テクノロジー
半導体とウェブはまだ分かるけど、テクノロジーって範囲広すぎでしょ、、、と私も思います。
簡単におさらいしておきます。
そもそもETFとは、と言うところが分からない方は以下の記事に先にさらっとで良いので目を通しておいて下さい。
まず大まかには、SOXL/WEB?/TECLの3つのうちSOXLだけがGAFAMを含みません。
それ故に、NASDAQ100などのGAFAM比率が高いインデックスとの組み合わせであればSOXLがもっとも分散投資に向いていると考えられます。
その意味で、レバナスとSOXLは相性が良いと言えるかもしれません。
一方TECLとWEBLにはGAFAMの一角がそれぞれ含まれ、時世によりNASDAQ100との連関具合が変わります。
TECLとWEBLの詳しい紹介はここでは割愛しますが、いずれも値動きの激しい商品です。
これらの商品に手を出す際には、長期で持つか短期の売買を行うのか、様々なケースでのメリットとデメリットを説明しますので、理解した上で臨みましょう。
レバレッジ無しの商品よりも値動きが大きいので特に注意です。
長期投資・積立投資のメリットとデメリット
まず、長期に保有し続けるあるいは積立を続ける場合のメリットとデメリットを見てみましょう。
長期投資・積立投資のメリット
インデックスは人類が進歩を続ける限り上がり続ける、というのはNASDAQが上がり過ぎかどうかを詳しく解説した記事で触れました。
ムーアの法則然り、人類史を紐解いてもその発展は指数関数的に上昇スピードを早めてきていて、その傾向は今なお続いています。
その影響をこれら3種類のETFが受けるのであれば、当然長期的な視点で投資を行うことはプラスになることでしょう。
例え一時的に大きな暴落があったとしても、積立のルールを守る限りは全く問題ありません。
レバナスを例にとって一括と積立のどちらが良いかを解説した記事で紹介した通り、10年や20年以上の長期スパンで投資を行える体制を整えた上で積み立てをすれば、仮に終盤で暴落に見舞われても含み益のまま逃げ切れる確率が上昇します。
長期投資・積立投資のデメリット
つまり、これら3つのETFが抱えるテーマ(半導体、ウェブ、テクノロジー)が長期的に衰退する場合です。
半導体に代わる技術が登場すれば半導体は不要になるでしょうし、通信技術やテクノロジー全般に影響を及ぼすような革新が訪れればGAFAMが凋落する可能性もゼロではありません。
例えばガソリンエンジンのパーツや技術に特化した産業は電気自動車の台頭で衰退するでしょうし、全個体電池が普通に汎用されるようになればリチウムの消費も大きく下がるかもしれません。
私たちの知らない技術やその種は数え切れないほど存在していますから、今強い企業が10年後も強い保証はどこにもないのは明らかです。
このデメリットを見定める最良の方法は企業の業績を知ることでも、世界情勢に気を配ることでも無いと考えます。
そもそもどの企業が先々どうなるかは分からないですし、少なくとも情報収集力で個人が機関投資家に勝てないのは明白だからです。
- デメリットを見定める方法は、これらのETFがどの程度の銘柄入れ替えを行うキャパシティを持っているか、だと考えられます。
特定の業種にこだわり過ぎるあまり、構成銘柄の一部と運命共同体になってしまうのでは個別銘柄に投資をしているのと一緒になってしまいますから。
FANG+のように指数そのものに企業名が入っているようなものは要注意と思いますが、これらのETFには柔軟性がありそうにも思いますので、注視しておきたいところです。
短期売買のメリットとデメリット
長期的にどうなるかをそもそも気にしたく無い、下がるなら損切りして底でまた仕込めば良い。
短期売買の真骨頂で、上手く振る舞えれば大きく勝てるのも事実です。
ただし、そのメリットとデメリットはしっかり頭に入れておきましょう。
短期売買のメリット
なんと言っても『安く買って高く売る』、利鞘を狙った売買が成功すれば大きく利益を上げることが出来ます。
ETFとはいえ構成銘柄は公開されていますから、どの銘柄が割安で割高か、バランスシートを読むことが出来れば、またその業界に詳しければ積極的な売買で利益を確定させていけるかもしれません。
機関投資家にスピードで勝てるかと言われれば難しいですが、ウォーレン・バフェットのような手腕を見せる方も中にはいるでしょう。
情報収集の戦いになりますが、2000年以降はレギュレーションFD(Regulation Fair Disclosure:公平情報開示規則)によって投資家が手にすることの出来る情報には公平性が担保されています。
その気になれば機関投資家と同等に取引が出来るでしょう。
短期売買のデメリット
メリットであげた『タイミングを見計った売買』はそもそも極めて困難です。
困難というよりも不可能と言っても過言ではありません。
アクティブファンドはインデックスファンドに勝てないという事実があることを念頭に置いておかなければなりません。
同様に個別株で勝つことはインデックスで勝つよりも難しく、名著『敗者のゲーム』に代表されるように、インデックス投資を上回る成績を狙うこと自体がナンセンスと言えます。
加えてETFは投資信託と異なり市場が開いている間は常に売買が可能ですので、チャンスを伺うためには相場の動きに気を配っておかなければなりません。
何より貴重な『時間』の浪費は何よりも大きなデメリットです。
あなたの人生において、ETFの売買にどれだけの時間を費やすことが許容されるのか。
死の間際に『もっとETFの売買をしっかりやっておけば良かった』と思うかどうかを、一度考えてみましょう。
今後のSOXL|WEBL|TECLは危ないのか?
調子の良かった2021年末までについても見る人にとっては十分に危なかった訳ですが、2022年末にかけての1年間は最悪とも言える状況でした。将来についてはどうでしょうか。
結論としては分からないのですが、今後の社会経済・科学技術の発展を見据えると、将来的には大きな進展が見込めるテーマになっていることから上がっていくものと予想します。
今なお半導体不足の影響は色濃く、大手自動車メーカーでは2023年に入ってもなお生産やオプションに影響を与え続けています。
半導体の需要と供給のバランスによってSOXLは大きく変動するものの需要は右肩上がり、ウェブやテクノロジーは今後さらにデータ通信量の増大が予想される中ですから、進歩は必至でしょう。
通信速度も上がり、デバイスの小型化も進むでしょう。
今の生活からは予想も出来ないような進歩を遂げるのがテクノロジーです、それを楽しみにしながらホールド/積立を行うことは投資の本分でもあると思います。
ただしそれは、10年や20年といった長期的な視点で投資を行える人に限ります。
短期的にはその高いレバレッジのせいで大きな含み損を抱える瞬間は幾度も訪れるかもしれません。
そのタイミングで現金化を迫られるような可能性が高いと、安心して投資を続けることは難しいでしょう。
投資スタイルはそれぞれですし、あくまで自己責任ですので自由ではありますが、自身のリスク許容度に合わせた投資を行いましょう。
暴落時にどうするか?
いつでも投資家は高値掴みをし、また底値近くで狼狽売りをしてしまうものです。
原則として、下がったら買い・上がったら売るというパターンを正しく続けることは不可能である、というスタンスでいるべきです。
当サイトでも繰り返し警鐘を鳴らしていることですが、それが出来ると思ってしまうことが投資で失敗する最大の要因と言えるでしょう。
頭では分かっていても、お金が動くとどうしても抗えない心理というのも理解は出来ます。
しかしそんな気持ちになった時こそ、投資家としての真価が問われる時です。
その時は本サイトを思い出し、気持ちを抑えるのに活用頂ければと思います。
自分が投資したタイミングで想定していたこと(長期的に上がる)の前提が崩れたのか否か、を判断基準にして付和雷同しないことが最も重要です。
コメント