よく聞くワード、でもよく分からない。
グロースが良いという人もいれば、バリューが良いという人もいる。
実際のところどっちの方が儲かるの?
そんな疑問に端的にスッキリ答えるのは難しく、条件によって本来は回答内容が変わり得るものです。
しかし、この記事の読者でこのような疑問を持たれる方にとっては、割と答えは簡単です。
グロース株への投資の方が圧倒的におすすめです。
何故なら、バリュー株で儲けるにはグロース株で儲けるよりもより株式市場、財務諸表に精通している必要があるからです。
そして主要インデックスは多くのグロース株で構成されています。
少なくとも個別株の選定作業を的確に機関投資家と同等の精度・スピードで出来ないならバリュー株はやめましょう。
それが出来てもなお、儲けるのが難しいのがバリュー株です。
この記事では、その事を初心者にも分かり易く解説しています。
投資を始めよう、始めたけど不安、という方も一度頭を整理する意味でおさらいしておきましょう。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
グロース株とは
グロースは英語でgrowthと書き、成長を意味する単語です。
グロース株とはつまり、成長株のことです。
今現在の企業価値がどうこうという概念ではありません、これから成長していくか、株価は上がっていくか、という観点が全てです。
そのため、企業価値が著しく大きな企業、代表的には2022年に入った頃に時価総額が3兆ドルを超えたと話題になったApple社なども含まれます。
ただし、今後期待されるような製品群の開発もままならなくなり、市場がAppleに期待しなくなるような状況になれば、それはもうグロース株とは呼ばれなくなります。
何しろ業績が頭打ちになり、株価の値上がりが期待できない、つまり成長が見込めない企業は“Growth(成長)”株とは呼べませんから。
NASDAQ100に含まれるような企業はグロース株と言われる株になります。
バリュー株とは
バリューは英語でValueと書き、価値/値打ちを意味する単語です。
バリュー株とはつまり、お値打ち価格の株ということです。
かつてマクドナルドに『バリューセット』なるものがありましたが(今もあるのかな?)、そのイメージで考えると分かりやすいでしょう。
本来の価値よりも安く買える、割安という意味でバリューという単語が用いられています。
従って、これも企業価値自体は問題ではなく、本来あるべき評価を今その企業が受けているのかどうかがポイントになります。
これは期待感とは異なり、どれだけ割安感があるのかが大事な指標です。
一般にPER(株価収益率)などが指標として用いられます。
PERは株価が1株当たりの利益の何倍かを表す数字です。
3倍、10倍、30倍の会社があれば、この中では3倍の会社が最も割安感がある、というように使われます。
グロースとバリュー|どっちが儲かる?
先に本質的な結論を書いておきます。
どちらとも言えません。
銘柄選定に成功すればどちらであっても大きなリターンが得られますから。
しかし、より確実なのはグロース株である、と言うことが出来ます。
何故なら、個別株の選定を行って投資を行うことは極めて困難であり、歴史的にもアクティブファンドがインデックスファンドに勝てないことが明らかだからです。
インデックスを構成する企業は主にグロース株であり、それ故にコンスタントに右肩上がりを続けていきます。
グロース株であれば、深い見識がなくてもインデックス投資を行うことでその成長によるリターンを享受出来るわけです。
一方で、バリュー株はPERが低かったとしてもその企業価値が今後上がるのかを見定める必要があります。
特に日本の市場には多くのポンコツ企業がひしめいていますから難易度は高く、米国市場であってもなお見極めは困難です。
バリュー株を見極めるためには企業価値を見抜く目を養わなければなりませんし、その企業の業種にも詳しくなければなりません。
本業として、そうした投資の世界に身を置く人たちまでもが損失を出していることを考えた上で、あなたはその中で勝つことが出来るでしょうか?
そう言う理由で、グロース株の方が儲かると言えるのです。
グロース株/バリュー株の成長は予見出来るか
企業の成長予測は誰にも出来ないでしょう。
出来ていれば誰も損しません。
有名なエピソードを一つ紹介しましょう。
先ほども例に挙げたグロース株の筆頭、Apple社について。
世界的な、もはや生ける伝説とも言える投資家ウォーレン・バフェット氏がApple社に投資した時のことです。
彼がバークシャーハサウェイ社を通じて初めてAppleに投資を行ったのは2016年前半でした。
Apple社の株価は2015年にかけて、2004年頃から見ても30倍にまで跳ね上がり、2016年は一服した頃です。
スティーブ・ジョブズ氏が亡くなって5年が経とうとしていた頃、そしてiPhone7の登場が待たれる頃でもあります。
そんな時代のAppleは既に企業価値は大きく膨れ上がり、多くの投資家が『流石に今からAppleが大きく伸びることはないだろう』『さしものバフェットも気付くのが遅すぎた』と揶揄する声を上げていました。
ところが、蓋を開けてみればバフェットが参入した時期こそがApple社の助走期間であり、そこから2022年にかけてずっと上り調子が続いています。
2016年当時は25ドル程度だった株価は、そこから5年ほどで150ドルを軽く超えるところまで急成長したのです。
2016年当時、ファンダメンタル的にバフェットに追従する投資家は多くありませんでした。
Appleに対する見方が高い期待を抱かせるようなものでは無くなっていたのかもしれません。
これだけ成長することが予め分かっていれば、誰もが投資していたことでしょう。
そして2021年には、アップル株がバークシャーハサウェイ社のポートフォリオのおよそ4割を占めるまでになっていたのです。
しかしそこまでのApple社の躍進は誰にも予見出来ないばかりか、バフェットほどの投資家が手を出したのを見てもなお、主観的にそれを否定する考えが頭をよぎるのです。
予見できないからこそ一般人はインデックスを使うべきなのです。
個別株を漁ることがどれだけ難しく、いかにナンセンスかが良く分かると思います。
グロースとバリュー|まとめ
投資の世界は“勝てば官軍”。
一部の成功した投資家のポジショントークや自慢に付き合わされてはいけません。
グロース株で大成功を収めた投資家もいれば、大失敗をした投資家もいます。
バリュー株で大成功を収めた投資家もいれば、大失敗をした投資家もいます。
大事なのは、誰の真似をするかではなく、投資の本質を理解出来ているかどうか、です。
歴史が証明しているのは、株式(時価総額)インデックスは人間社会の発展と共に常に右肩上がりだったという事。
その中には大きく成長した企業もあれば、凋落して廃業に追い込まれた企業もあります。
個々に業績評価・株価予想することは不可能(少なくとも外す可能性の方が高い)であることを踏まえれば、企業集団全体に投資して、全体としての発展利益を享受することがベストであるのは火を見るより明らかです。
株価が既に上がりすぎだとか、過去は過去、今後も上がるかどうかは分からないとか、、、確かにそれはそうです。
しかし社会の、科学技術の発展は既に頭打ちでしょうか?
これ以上人類は進歩することは無いのでしょうか?
全くそんなことはありません。
伸び代は無限大、今後もさらに発展を続けていくでしょうから、この文明の価値は右肩上がりになることでしょう。
上には上がいますから。
それが明らかだからこそ投資という行為が成立するのです。
下手に欲をかいてバリュー株投資、個別銘柄選定に集中してしまうことが無いように気を付けましょう。
※ 投資は自己責任です、本稿は注意喚起であって特定の商品を推奨するものでも否定するものでもありません。
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