ブラックホールの中?表面って何?今も銀河の中心にあるヤバい天体

サイエンス:ブラックホールの中?表面って何?今も銀河の中心にあるヤバい天体を題材にしたイメージ

2026年10月17日見直し:シュバルツシルト半径と直径、事象の地平面、時間の見え方、質量とエネルギーの説明を修正しました。既存の画像・動画は保持し、模式図と観測の違いを補いました。

ブラックホールって本当にあるの?
SFの世界だけでは?
あるならどれだけ分かってる?

謎に満ちた天体、ブラックホール。

ダークマター、反物質と並んで厨二心をくすぐる最強ワードの一角です。

地球上で何が起ころうがこれらの持つ力には遠く及ばず、どんな天才科学者も理解出来ない神秘的なイメージもあります。

本稿では特にブラックホールに着目し、これまでに人類が知り得た事実を分かり易くピックアップして紹介します。

本サイトは育児・投資・副業を主軸にしています。そんな疲れた日頃の気晴らしに壮大な宇宙に想いを馳せて見てはと用意したシリーズです。

関連記事はサイエンス記事一覧からご覧頂けます。

ブラックホールの謎と、今分かっている事

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目次

ブラックホールとは

ブラックホールとは、高密度・高重力のため物質および光さえも脱出不可能とされる天体のことです。

宇宙には他にもヤバすぎる天体が多く存在していますが、その中でも一般の知名度が高く、ひときわヤバさが光ります。

よくSF映画に登場することから架空の設定と思ってしまいそうなほどの存在ですが、現実に存在していることが確実です。

私たちの住む太陽系が所属する天の川銀河の中心にも超巨大ブラックホールが存在することが知られていて、いて座A*(エー・スター)と呼ばれています。

いて座A*の周囲を公転している恒星S2の観測によって、銀河系中心に超大質量ブラックホールが存在する証拠と、ブラックホールに関するデータがもたらされ、いて座A*がその存在位置であるという結論になっている。

Wikipedia いて座A*より引用
  • 何がどうなればブラックホールになるのか
  • どんな特徴を持つ天体なのか
  • 近年急速に解明が進むブラックホールの謎とは

早速見ていきましょう。

Y-bow

難しく考えず、何やら凄いのが宇宙にはあるんだな、程度で見て頂ければストレス解消になると思います。

先ずは何がどうなればブラックホールになるのか。

答えは物体がそのシュバルツシルト半径以下になることです。

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シュバルツシルト半径

ブラックホールは一定の条件をクリアすれば誕生することが出来ます。

あらゆる物体が固有に持つ“シュバルツシルト半径”以下にまでそれぞれの物体質量が収まれば、それはブラックホールです。

回転せず電荷もない球対称のモデルでは、質量Mに対するシュバルツシルト半径を2GM/c²で計算できます。すべてのブラックホールに共通する一つの密度のしきい値がある、という意味ではありません。

Y-bow

理屈上は『地球がブラックホールになるには?』という問いにも回答が出来るわけです。

ここでは、質量に対応する境界の半径を考えています。地平面の内側を球と見なして求める平均密度と、内部の局所的な状態は別で、内部の物質の様子を直接観測した説明ではありません。

計算で求めることが出来、1916年にカール・シュバルツシルト氏が明らかにしたものです。

物理的な計算や説明は省き、とにかく例を挙げて説明しましょう。

  • 太陽のシュバルツシルト半径は約3km
  • 地球のシュバルツシルト半径は約0.9cm

地球と同じ質量に対応する半径は約9mm、直径なら約18mmです。旧版の「イクラくらい」という表現は半径と直径の区別が曖昧でした。これは非回転・無電荷の理想化したモデルの計算で、地球を実際にその状態にできるという話ではありません。

下の図は、同じ質量を小さい範囲へ集めるという考え方の模式図です。描かれた物体の大きさや過程を実測・再現したものではなく、数値は上記の半径と直径を区別して読んでください。

地球のシュバルツシルト半径

想像しただけでも尋常では無い高密度な物体になりますよね。

中性子星とブラックホールは異なる天体です。中性子星は重力に抗して支えられた物質の天体で、ブラックホールの単なる「なり損ない」ではありません。すべてのブラックホールの平均密度が、中性子星を上回るとする比較も適切ではありません。

ここで重要なのは、そのシュバルツシルト半径の内側と外側には明確な違いがあり、内側からは光であっても脱出出来ない空間になります。

その境界面のことを事象の地平面と言います。次はその境界線について説明します。

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事象の地平面

事象の地平面は、内側から外へ光や情報を送れなくなる時空の境界です。地球の地面や星の物質の表面のような、触れる殻ではありません。

情報は光や電磁波などにより伝達され、その最大速度は光速であるが、光などでも到達できなくなる領域(距離)が存在し、ここより先の情報を我々は知ることができない。この境界を指し「事象の地平面」と呼ぶ。

Wikipedia 事象の地平面より

つまり、ブラックホールの外側にいる我々にはブラックホールの内側を知るすべがない、ということになります。

これは一般相対論での事象の地平面の性質についての説明で、単に観測技術がまだ足りないというだけの話ではありません。

ただ、事象の地平面までのことは計算である程度の確度で知ることが出来ます。

そこで、この面を超えてブラックホール内部に侵入することをシミュレーションして見ます。

その答えは、ブラックホールに向かう者を外から観測した場合と実際に突入する場合とで大きく異なります。

外から見る場合:

ブラックホールに向けて無限に落ち続けるが、いつまでも到達出来ない

自ら突入する場合:

普通に突入、内部へ侵入

単純な非回転ブラックホールのモデルでは、遠方の観測者に届く信号は、地平面に近い場所から出たものほど遅れ、赤方偏移し、暗くなります。地平面の直前に物体がいつまでも明るく止まって見える、という意味ではありません。

一方、実際に突入する側から見ると、いともたやすく内部に入れます(入った人工物はありませんが、計算上です)。

落下する側の時計で測る時間と、遠方の座標で表す時間を区別する必要があります。落下者が外の宇宙の無限の未来を一瞬で見られる、という単純な結論にはなりません。

これは重力と時間の進み方の問題で、強い重力によって時間の進み方が遅くなることからこのような現象が起こります。

重力が異なる場所の時計の比較や、落下する時計の比較は、条件を指定して計算します。静止した時計の式を、自由落下する観測者の体験へそのまま当てはめないようにします。

この他にも、近付くだけで潮汐力でスパゲッティ現象が起こるなど様々な物理現象が知られています。

そしてしばしばブラックホールの想像図に描かれる円盤状の取り巻きは降着円盤と呼ばれ、凄まじいエネルギーを発しています。

原子力発電など言うに及ばず、太陽でさえもそのエネルギー効率は足元にも及びません。

一体どういうことか、次はエネルギー変換効率の視点で見てみましょう。

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周囲に存在する降着円盤

周囲に落下するガスがあるブラックホールでは、降着円盤ができることがあります。すべてのブラックホールが明るい円盤を持つわけではありません。

中心のブラックホールの巨大な重力に引かれながら、質量を持った物質が吸い込まれていく過程で生じる構造物です。

降着円盤(Accretion disk)のイメージは以下の動画が参考になります。

ブラックホールの極近傍では、回転しながら落下する物質は超高温になりX線を放つほどで、質量のエネルギー変換効率が格段に高まっています。

質量→エネルギー変換効率は以下の通り:

核融合  0.7%
降着円盤 10〜40%
対消滅  100%

ここで言う効率とは、質量が持つエネルギーをどれだけ取り出せるか、と言うものです。

質量とエネルギーは等価である、というのはアインシュタインの発見した以下の式が有名です。

質量とエネルギーの等価性は、アインシュタインが1905年に論じた関係です。旧版の1907年という記載を訂正します。

E=mc2

Eはエネルギー、単位はJ [ジュール]
mは質量、単位はkg [キログラム]
cは光速、単位はm/s [メートル/秒]

質量とエネルギーの等価性、つまり質量はエネルギーそのもの、エネルギーは質量そのものであると言う宇宙の摂理です。

c(光速)は恐ろしく高速で、299,792,458 m/sです。

従って、

1gの質量は9×109 [J]

のエネルギーと等価です。

広島の原爆のエネルギーを軽く超えています。

これは質量に対応する静止エネルギーの計算です。1円玉を置いたり普通に燃やしたりすれば、そのエネルギーが解放されるという意味ではありません。

絶対そんなの嘘でしょ。。。

Y-bow

そう思いますよね、直感的には理解し難いと思います、、、しかし事実です。

人類の2022年現在の文明レベルでは、質量をこれだけ高効率にエネルギーに変換することは出来ません。

核反応や降着の効率を比べる場合は、どの質量を分母にするか、回転などの条件をそろえる必要があります。電力設備の発電効率と、静止質量から放射へ変わる割合も異なる指標です。

凄まじい大質量をこれだけの変換効率で消費し続けるブラックホールは本当に化け物、もはや人類の言葉では形容し難い存在です。

ブラックホールにはこの他にも驚異的で謎に満ちた性質が沢山あります。

それらが近年急速に紐解かれ始めています。

最後にその一端を紹介します。

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解かれ始めたブラックホールの謎

これだけ人知を超えた存在であるブラックホールも、近年急速にその謎が解かれ始めています。

2020年のノーベル物理学賞がブラックホール研究に対して与えられたことからも、その重要性が窺い知れます。

簡単にキーワードだけを集めて見てみても、これだけの発見が相次いでいます(独断と偏見でピックアップしたほんの一部です)。

超巨大ブラックホールの位置を特定(2011年)

ブラックホールの撮影に成功(2019年)

ブラックホールを大容量ストレージとして利用出来る可能性(2020年)

ブラックホールから吹く風の謎を解明(2020年)

ブラックホール同士の衝突を確認(2020年)

近隣銀河に隠れたブラックホールを発見(2021年)

太陽系は天の川銀河の中心の周りを公転しています。ただし、太陽の軌道を決める重力は中心のブラックホールだけによるものではなく、銀河全体に分布する恒星・ガス・暗黒物質なども関係します。

夜空を見上げて見える天の川の奥にそれは存在しています。

身近な気もしますし、非現実的な気もします。

今後の更なる謎解きに期待したいところです。

説明の見直しと参照資料

NASA:ブラックホールと事象の地平面(2026年10月17日確認)

NASA:地平面の外側と降着円盤(2026年10月17日確認)

NASA:ブラックホールの理論的な時計の比較(2026年10月17日確認)

NASA:1905年の質量・エネルギーの等価性(2026年10月17日確認)

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