ヒートマップとは、時価総額を面積で、上昇と下落を緑と赤で塗り分けた以下のような表示のことです。
これは『SP500 map』などでググればトップに出てくるFinvisというサイトで確認することが出来ます。
- どの企業がどの程度の規模なのか、その相対的な関係性が視覚的に一目で分かります。
- またどれだけの銘柄が上がったのか下がったのかも一目で分かります。
また、この他にも様々なパラメーターの表示パターンがあります。
それが分かったからといって儲かるわけではありませんが、自分が投資しているインデックスの中身が見えるというのは重要です。
誰でも無料で使用することが出来る上、時価総額や株価以外にも様々な表示機能が備わっています。
そこでこの記事では、ヒートマップの見方と便利な無料ツール『Finvis』の使い方を解説します。
便利なオンラインツールは使い方を知っているに越したことはありません。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
SP500のヒートマップの見方
S&P500 Mapで簡単に見ることが出来ます。
セクターごとの区分け
マップは米国株を11のグループに分類したいわゆる『セクター』ごとに分けられています。
セクターの意味は以下の通りです。
英語 | 日本語 |
---|---|
Technology | テクノロジー(情報技術) |
Financial | 金融 |
Communication Services | 通信サービス |
Health Care | ヘルスケア(医療全般) |
Consumer Cyclical | 一般消費財 |
Consumer Defensive | 生活必需品 |
Industrials | 資本財 |
Real Estate | 不動産 |
Energy | エネルギー |
Utilities | 公共事業 |
Basic Materials | 素材 |
テクノロジーセクターの、特にアップル(AAPL)やマイクロソフト(MSFT)、通信サービスセクターのグーグル(GOOG)、一般消費財セクターのアマゾン(AMZN)がいかに巨大な時価総額かがよく分かります。
一方で、通信サービスセクターの元Facebookのメタ(FB)はGAFAMの一角としては規模が小さく、テクノロジーセクターのNVIDIA(NVDA)や一般消費財セクターのテスラ(TSLA)、金融セクターのバークシャーハサウェイ(BRK-B)の方が目立つほどです。
このように、“面積”で時価総額を表現する表示方法は視覚的にその特徴を捉えられますので、数字を並べられるよりも分かり易いという方も多いのでは無いでしょうか。
その代わり、時価総額が小さな企業はあまりに面積が狭いため、ティッカーが表示されないという問題もあります(別に見なくて良いという人にとっては何の問題もありませんが)。
個別銘柄情報の確認方法
見たい箇所にマウスを当てれば、以下の通り銘柄名リストと個別の簡易的なチャートを表示出来ます。
ここではテクノロジーセクターの情報技術サービス分野(アップルの右側の部分)を見た例を示していますが、赤く塗られたティッカーの記載の無い部分にマウスをホバーさせると、その銘柄がEPAMであることが分かります。
この要領で、ティッカーの記載のある銘柄もその値動きは一目瞭然です。
また、ダブルクリックすることでその銘柄のチャート表示のページが別タブで開きます。
時価総額から個別銘柄のチャートまで、直感的に操作して確認することが出来ます。
表示される期間の切り替え
左端にあるタブで切り替えが可能です。
表示される面積は現時点での時価総額に基づいて表示されています。
そのため、1日の値動き表示でも1年の値動き表示でも、マップの形(面積比)は変わりません。
米国株式全体のヒートマップ確認方法
S&P500だけではなく、米国株全体の表示に切り替えることが出来ます。
左端にあるメニューから『Full』を選択するだけです。
米国株式全体となると、ETFで言えばVTIの中身が並ぶことになります。
見た目で分かる通り相当にごちゃごちゃします。
一部を拡大した画像も載せていますが、凄まじい細かさで最早小型株はどんな企業が並んでいるのか判別出来ません。
トラックパッドでスワイプすることである程度拡大表示は出来ますが、それでも小型株を全て認識するには至りません。
一般的には全体の色味や、セクターごとに目に付く大型株の存在を認識するに留める程度の使い方になると思います。
個別銘柄の情報を見ることも、S&P500のヒートマップと全く同じように可能です。
全世界株式のヒートマップの確認方法
S&P500から米国株式全体に切り替えた要領で、『World』を選択することで切り替えることが出来ます。
世界と言っても流石にETF『VT』のように8,000もの銘柄を表示すると、米国株VTですらごちゃごちゃだったのに見分けが付きません。
ということで、世界の主要国、主要企業に限定した表示になります。
右上には日本が表示されており、その部分をダブルクリックすると上の図の下段のように一覧表が表示されます。
これを見ても分かるように、日本の銘柄は13社しか表示がありません。
またこの表示には米国株は表示されません。
『S&P500』と『Full (米国株全体)』で十分、ということもありますが、そもそも米国株は桁違いに大きいので日本株などと一緒に表示させると日本株の雑魚さ加減が際立ってしまいます。
アップルの時価総額はトヨタの時価総額の10倍ですので。
ちなみにこの世界株の表示で最も面積が大きいのは、右下あたりに表示されている台湾の半導体メーカーTSMCです。
ETFのヒートマップの確認方法
同様にして、ETFのヒートマップも見ることが出来ます。
左端のメニューにある『Exchange Traded Funds』を選択するだけです。
本サイトでもお馴染みのETFも並んでいます。
米国を中心とした世界中で、いかに多くの投資が行われているかがよく分かります。
この表示は2022年4月2日現在のものですが、左上にある米国株『VTI』で時価総額はおよそ35兆円です(2023年1月現在では値下がりの影響で20兆円程まで時価総額が低下しています)。
同時点で、日本の投資信託で最も時価総額が大きい『A・バーンスタイン・米国成長株投信D』で1.8兆円、『eMAXIS Slim 米国株S&P500』で1.1兆円ですから足元にも及びません。
割安株(低PER)、高配当株の確認方法
Finvisではこれまで紹介したようなパラメーター以外にも、PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)や配当割合などの表示を行うことも出来ます。
例えばS&P500の表示で、『P/E』を選択することでPERによるヒートマップを表示することが出来ます。
テスラは割高過ぎてバブル的な過熱とはよく言われますが、こうしてみると圧倒的にPERが高いことが分かります。
また『Dividend Yield(配当利回り)』を選択すると、高配当株が一目瞭然です。
人気の高配当株は明るい緑で表示されている一方、グーグルやテスラなどは配当なしなのが目立ちます。
まとめ:ヒートマップで視覚的に把握する
投資をするにもインデックスの中に埋もれる個別銘柄の特徴を掴むのは簡単ではありません。
GAFAMのような巨大企業についても、巨大なのは知っていても相対的にどの程度なのか分かりにくいこともあるでしょう。
そんな時にヒートマップを使うことで、全体を把握しやすくなります。
投資信託やETFで分散投資を行う際にも参考になると思います。
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