FANG+とNASDAQはどう違う?
どっちが儲かるの?
レバナス?レバFANG+?
FANG+とは2017年に生まれた新しい指数で、その値上がり幅はNASDAQ100を上回る好成績です。
国内ではFANG+を指標とする投資信託を使うことで投資することが可能です。
この記事では、FANG+とは一体何なのか、NASDAQ100より儲かるならレバナスよりレバFANG+の方が良いのかなど、特にリスクを取って大きなリターンを狙いたい投資初心者に向けて情報を整理します。
結論として、FANG+はその構成10社が強いうちはレバナスより儲かる。
ただし時代の潮流に乗り遅れる (=儲からなくなる) リスクもある、ということになります。
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投資は自己責任です、この記事を読んで自身の判断で正しく評価出来るようになりましょう。
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- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
FANG+とは
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FANG+は米国と中国の厳選10社の株式からなる、比較的新しい株価指数です(2017年11月策定)。
その中身は以下の10社です。
FANG+はこれら10社が原則として全て10%ずつになるように組み入れられています。
これはNASDAQ100が、組入銘柄の時価総額の加重平均で割合が決定されているのと大きく異なるポイントです。
またGAFAMの中ではMicrosoftが含まれない状態で運用されてきました(2021年12月にTwitterとMicrosoftの入れ替えが行われました)。
つまりFANG+はGAFAMの占める割合がNASDAQ100に比べて大幅に低くなっています。
(FANG+は約50%、NASDAQ100は約80%:2022年1月現在)
またNASDAQ100は100社、FANG+は10社ということで、分散具合はFANG+の方が低いと言えます。
(純粋に企業数をカウントした場合)
FANG+とNASDAQ100はどっちが儲かる?
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FANG+は上記の通り2017年に策定されたため、まだ長期間の運用実績はありませんが、国内で投資信託が設定されて以降の成績を比較してみます。
レバレッジ無しでの比較
コロナショック以前、2018年8月に国内で購入可能な投資信託が設定されていますので、そこから3年4ヶ月間の運用実績を比較してみましょう。
FANG+ vs NASDAQ100(投資信託による比較)
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コロナショック後の立ち上がりの差は一目瞭然で、FANG+はNASDAQ100よりも大きく上昇しているのが分かります。
一方でコロナショック前に目を移すと、FANG+の方がNASDAQ100を下回る時期が多いのが目に付きますね。
FANG+は特に2021年までの市場を牽引してきたGAFAMの組入比率が低いですから、GAFAMの伸びが圧倒的であるほどそれらの組入比率がより高いNASDAQ100に負けることになります。
逆にNASDAQ100はTESLAやNVIDIAなどの企業の株価上昇の影響をほとんど受けませんから、それらGAFAM以外の勢力の大きな値上がりがあった場合にはFANG+が優勢となります。
レバレッジ2倍での比較
2020年8月にはレバレッジ2倍のFANG+投資信託が登場しました。
そこで、2020年8月から2021年末までの1年4ヶ月間で大和レバナスと比較をしてみました。
レバ2倍:FANG+ vs NASDAQ100(投資信託による比較)
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FANG+が勝つかと思いきや、実際にはレバナスの方が2021年末時点では上でした。
途中、ほとんどの期間でレバレッジFANG+がレバナスを上回っていますが、2021年末にかけて伸び悩み、結果的にレバナスの後塵を拝した形となりました。
FANG+の10社とNASDAQ100の、2021年末までの5年間の値動きを比較してみるとよく分かります。
TwitterとMicrosoftはどちらも比較対象とします。またNASDAQ100はQQQ(ETF)で代用します。
FANG+構成銘柄 vs NASDAQ100(QQQ)
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TESLAとNVIDIAの成長が際立つ一方で、BaiduやAlibaba、Facebook、TwitterはNASDAQ100に及ばない成績となっていることが分かります。
TwitterからMicrosoftに銘柄入れ替えを行ったことで、成績の向上が見込まれます。
しかしそれ以外の銘柄はいずれもNASDAQ100(QQQ)を大きく上回る伸びを見せています。
将来性は?
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FANG+はわずか10社への分散かつ均等割合に調整された指数です。
NASDAQ100に勝つ場面もあれば負ける場面もあり、個別株の影響がとても強く出る側面があります。
また“FANG”という名を冠している以上、この4社は少なくとも外されることは無いのでしょう。
因みに、“F”のFacebookはMetaという名前に社名が変更されています。
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印象として、時代の流れにそぐわなくなる可能性がありそうです。
何が言いたいのかというと、FANG+は銘柄の入れ替えがもし今後されないのであれば一部の企業の凋落によるダメージが極めて大きくなるリスクを考えなければならないということです。
もちろんその逆で、これら10社が今後突出した成長をするのであれば良いのですが、成長が鈍ってきている銘柄もあるので注意が必要です。
NASDAQ100は毎年定期的に銘柄の入れ替えが行われ、非常に新陳代謝が活発な指数です。
FANG+は設定からまだ歴史が浅いとは言え、4年間で一度しか銘柄の入れ替えが行われていません。
強さを維持するためには銘柄入れ替えは必須ですから、“FANG”の名前に縛られるようなことになればいずれは凋落すると思っておいた方が良いかもしれません。
FANG+:まとめ
FANG+は厳選10社の株価指数で、NASDAQ100に勝つ時もあれば負ける時もあります。
わずか10社への分散のためそれぞれの株価の影響が大きく、それ故FANG+はインデックス投資というよりも個別株投資に近いと言えます。
2021年末に銘柄入れ替えが実施されたことから、今後もさらに入れ替えが活発化することも期待されます。
しかしFANGの4社は指数の名称にもなっていることから恐らく入れ替え対象にはならず、この4社が今は考えにくいかも知れませんが将来的には足を引っ張る可能性も無きにしも非ずです。
特にレバレッジをかけてFANG+に投資する場合には値動きの激しさから狼狽売りに繋がるシーンも多く出てくる可能性があり、また低迷する銘柄の存在のために逓減の影響を強く受ける可能性も否定出来ません。
レバレッジ商品には共通の、ありがちな失敗パターンに陥らないように気を付けましょう。
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個人的にはFANG+はポートフォリオのメインに据えることはおすすめ出来ず、ハイリスク個別株投資としてサブに置いておくのが良いのではと思います。
GAFAMに引っ張られたく無いということであれば、SOXLなどのETFをポートフォリオに加えるのも良いかもしれません。
レバレッジ商品を調べ始めると多くの魅力的な右肩上がりの話が出てきます。
その中から本当に大事な事実を知り、偏った情報だけに捉われないように気をつけましょう。
レバナスが最強なのか、生存バイアスはかかっていないか、特に気をつけて頂きたい点についてまとめた記事がありますので参考にしてみて下さい。
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