この宇宙には地球・人類以外の文明が存在する、と考えるのは自然なことです。
何しろ無限と言える広さのある宇宙ですから、否定する方が難しいでしょう。
実はそんな文明のレベルを測る尺度が用意されており、地球はその中でも最底辺であることをご存知でしょうか。
カルダシェフ・スケールによる文明レベルの分類。
地球はその最低レベルのさらに下ですが、100〜200年で最低レベルの段階には到達出来るのではないかと言われています。
人類もまだまだですね。その頃までこの記事が読まれていれば感慨深いものです。
本稿では、宇宙のスケールで地球がどのようなレベルなのか、その上のレベルにはどのような文明が規定されているのかを紹介します。
本サイトは育児・投資をメインにしていますが、その息抜きのために用意しているサイエンスジャンルの記事です。
難しく考えず、しかし地球の大いなる伸び代を実感頂き、将来性をマクロな視点で考える面白い機会になると思います。
宇宙に文明がある確率
この広い宇宙に、文明が地球・人類のみであると考えるのはむしろ不自然なことです。
では一体どの程度の数、文明が存在するのでしょうか。
その数を推計する方法が知られており、『ドレイクの方程式』と呼ばれています。
その計算式自体は単純で、以下の7つのパラメータを掛け合わせることで、『天の川銀河系に存在し、人類とコンタクトを取る可能性のある地球外文明の数』を求められます。
AxBxCxDxExFxG = 銀河系内の知的文明数
A. 人類がいる銀河系の中で1年間に誕生する星(恒星)の数
Wikipedia ドレイクの方程式 より
B. ひとつの恒星が惑星系を持つ割合(確率)
C. ひとつの恒星系が持つ、生命の存在が可能となる状態の惑星の平均数
D. 生命の存在が可能となる状態の惑星において、生命が実際に発生する割合(確率)
E. 発生した生命が知的なレベルまで進化する割合(確率)
F. 知的なレベルになった生命体が星間通信を行う割合
G. 知的生命体による技術文明が通信をする状態にある期間(技術文明の存続期間)
ここで恒星系とは、地球で言えば太陽系のことです。恒星は自分で光る星、太陽のようなものと考えてください。
夜空を見上げて光っている星は、太陽系の惑星と月を除けば原則として全て恒星です。
太陽系の惑星と月だけは、非常に近隣に存在しているため太陽光を反射して光っているように見えているだけです。
実際にドレイクの方程式で銀河系内の文明の数を推計されています。
ドレイク氏がこの方程式を発表して、1961年に当時の観測・推計によって算出された一例が以下の通りです。
A. 10 [個/年] (銀河系の生涯を通じて、年平均10個の恒星が誕生する)
Wikipedia ドレイクの方程式 より
B. 0.5 (あらゆる恒星のうち半数が惑星を持つ)
C. 2 (惑星を持つ恒星は、生命が誕生可能な惑星を二つ持つ)
D. 1 (生命が誕生可能な惑星では、100%生命が誕生する)
E. 0.01 (生命が誕生した惑星の1%で知的文明が獲得される)
F. 0.01 (知的文明を有する惑星の1%が通信可能となる)
G. 10,000 [年] (通信可能な文明は1万年間存続する)
この計算結果の答えは10です。
つまり、人類とコンタクトを取る可能性のある地球外文明がこの銀河系に10個程度ある、という推計です。
7つのパラメーターのうち、Aについては実際の観測結果ですので(少なくとも100年単位では)大きく変わることは無いものと考えられます。
B以降は議論の余地があり、新たな惑星の発見が相次ぐ昨今の観測結果を踏まえて精度を上げることが出来るでしょう。
実際にハビタブルゾーンと呼ばれる生命誕生の条件が揃う液体の水が存在するとされる惑星も見つかっています。
一方で、例えばGについて見ると通信を行わない文明(余りに高度であれば外部との通信を制限する可能性も)も存在するでしょうし、隕石の衝突などで1万年の継続前に滅びる可能性もあるでしょう。
さらに発展した文明では無用に外部に通信が漏れないような対策もされるかもしれません。
このように、確かに現在の地球の文明レベルでは正確に推し量ることの出来ないパラメーターが多いのも事実ですが、しかし掛け合わせているパラメーターは妥当性が高く、これだけの数の星があれば文明もあるだろうことを想像するには十分では無いでしょうか。
そして、この数は天の川銀河内に限定した話です。
観測可能な宇宙には銀河が少なくとも2兆個存在する(2016年の研究)ことを考えると、文明が地球以外に無いと考える方がもはや不自然では無いでしょうか。
宇宙文明のレベルを測る尺度
宇宙には数多くの文明があるという前提で、その文明の科学技術レベルをどのように分類することが出来るのか。
1964年にニコライ・カルダシェフ氏が考案した3段階のスケールが今もしばしば参照されます。
その3段階は以下の通りです。
カルダシェフ・スケール:
Wikipedia カルダシェフ・スケール より
タイプI文明:惑星文明。その惑星で利用可能なすべてのエネルギーを使用および制御できる。
タイプII文明:恒星文明。恒星系の規模でエネルギーを使用および制御できる。
タイプIII文明:銀河文明。銀河全体の規模でエネルギーを制御できる。
最もレベルの低いタイプI文明が消費するエネルギー量は推計値でおよそ4兆W、太陽を基準に計算した場合は17.4京Wという計算になります。
これは現在の地球の達成度の10,000倍にあたります。
つまり、地球はタイプI文明の標準レベルに遠く及ばず、タイプI基準のわずか0.01%しか太陽のエネルギーを使えていないことになります。
それでも人類史を紐解けば非常に大きな進歩であり、数百年もあればタイプI文明レベルまで発展可能であるとも考えられています。
タイプII文明からは想像を遥かに超えてきますので、もはやSF映画でも見ている感覚で見てください。
タイプII文明はタイプI文明の100億倍のエネルギーを利用できる文明です。
例えば太陽が360°放射するあらゆるエネルギーを余すことなく全て自分達で利用できる科学技術を持っていることになります。
その方法は理論的にはダイソン球の構築で説明されます。
SFや漫画、アニメでは登場することもありますが、太陽(恒星)を人工物で完全に覆う構造体で、信じられないような規模感です。
ダイソン球は下の動画が参考になります。
タイプIII文明は銀河全体を牛耳るわけですから、さらに途轍もない文明です。
そんな文明がもし本当に存在しているのであれば、この宇宙の創造の謎も知っているのでしょうね。
知ってはいけないような宇宙の謎もありそうな気がします、、、なんだかワクワクしますね。
人類のこれから
これだけ強烈な宇宙文明(の可能性)を見せつけられて、驚いてばかりではいけません。
その第一歩として、先ずは人類が地球から飛び出すことが計画されています。
地球の環境的に養える人類の数にも限界はありますし、地球が永遠に存在しているわけでもなく、隕石の衝突による絶滅リスクも抱えているからです。
テラフォーミングと呼ばれ、まずは近隣の火星と金星がターゲットとして考えられています。
イーロン・マスク氏(テスラ、スペースXの創設者)が火星移住計画を打ち出したことで話題になったり、火星移住計画を取り扱った映画『オデッセイ』などの影響もあり、火星に住むという発想は浸透しつつあるように思います。
数々のSF作品(アニメも多数)が取り扱うテーマだけに、逆に空想と思われてしまう向きもありますが、スペースコロニー計画も検討されています。
一朝一夕に進歩は訪れませんが、逆にそれだけの伸び代を持っているとも言えます。
当サイトでは投資をする際の情報として人類の進歩について触れた記事がありますが、その成長がまだまだ指数関数的に続くことを予想するには十分過ぎるほどの世界観を感じて頂けたのではないでしょうか。
後世の発展を長期的に(数千年、数万年単位で)見ることが叶わないのが残念ですが、非常に楽しみです!!
コメント
コメント一覧 (1件)
銀河系まで使えるようになるなんて…何十何百万年先か分かんないけどワクワクします!