- 投資したら配当金で生活することが目標!
- 配当金をさらに投資に回して資産形成!
- 配当金でちょっと贅沢したい!
そんな方に人気の高配当ETF、中でもS&P500を構成する銘柄のうち『配当比率が高いトップ80銘柄』を厳選して組み入れたのがSPYD。
なんかめっちゃ儲かりそうだな。これでFIRE出来るんじゃない?
しかし投資について調べると、
- インデックス投資が良い
- 高配当株はやめた方がいい
- 値下がりで突然減配もあり得るので長期的には期待出来ない
と言った声も聞かれます。
- SPYDは一体どんな運用になっているのか?
- 安心して高配当を長期にわたって期待していいのか?
高配当投資について関心の高い特に投資初心者に分かりやすく解説します。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
SPYDとは
State street社が運用する、米国高配当ETFの一つです。
正式名称はSPDR® Portfolio S&P 500® High Dividend ETF。
ETFは上場投資信託と呼ばれ、投資信託でありながら通常の株式と同様の特徴(指値取引含む)を持つ透明性の高い商品です。
ベンチマークはS&P500高配当指数です。
S&P500高配当指数とは、S&P500の採用銘柄のうち配当利回りが高い80銘柄のパフォーマンスを表す指数です。 配当利回りの算出に際しては以下のルールが適用されます。
- (特別配当を除く直近の配当)×(年間の配当頻度)=(年間予想配当)
- (年間予想配当) / (リバランスが行われた日の株価)=(年間予想利回り)
SSGAより
従って、その運用成績自体はS&P500の運用成績に近く、しかしこのルールに沿って抽出された80社に偏ります。
どのセクターに偏るかは常に公表されていますので、気になる場合にはチェックしてみましょう。
組み入れ銘柄で減配が行われ、配当比率のTop80に入れ替えがあった場合には、SPYDの組み入れ銘柄も変更が行われます。
減配とは上記ルールに基づきますので、以下の2パターンになります。
- 【株価が上がっても配当額が変わらない場合】
- 【株価が変わらないか下がって配当額をそれ以上下げた場合】
構成銘柄と配当ってどれくらい?
SPYDのファクトシートから、構成銘柄トップ10の情報を見ると以下の通りです。
リバランス時には全ての銘柄が1.25%(1/80)になるように組み入れられますので、ここに示された銘柄はそれから相対的に値上がりしていることになります。
つまり、トップのファイザー社はもともと全体の1.25%を占めていましたが、それが1.73%に上昇したことは、ファイザー社の株価がその他の組み入れ銘柄79社と比較して相対的に大きく上がったことを示しています。
2021年11月の権利確定日におけるファイザー社の利回りは3.56%でした。
2位のブロードコムは同様に2.31%、3位のシーゲートは2.66%です。
株価の変動で配当比率も変わりますので、組み入れ銘柄の比率順位と配当比率とは必ずしも一致しません。
ファイザー社は新型コロナワクチンで大活躍した企業の筆頭ですが、そうでなくても2021年末まで12年連続で増配している優良銘柄です。
SPYDの運用成績
SPYDはS&P500のうち80社に偏っていますので、全くS&P500と一緒というわけではありません。
また設定されたのが2015年とまだ歴史が短いので、長期的な動向は読めません。
それを前提に、他のインデックスとのチャート比較を先ず見てみましょう。
主なインデックスとの比較
設定されて以来の値動きを、同じState street社が運用するS&P500をベンチマークとするETF【SPY】と比較してみました。
大きな理由は、例えばGoogle(アルファベット)は配当を出していないなど、大きく株価を上げて急成長している企業は配当比率が低い(研究開発に利益を回す)という傾向があるためでしょう。
成長著しく、配当を出さない企業はSPYDには含まれません。
また、NASDAQ100やそれに2倍のレバレッジをかけたレバナスなどと比べると、SPYDがいかに低迷した指数であるかがよく分かります。
SPYDはNASDAQ100はおろか、S&P500よりもパフォーマンスが低いのが分かります。
ただし、だからSPYDは全く使えないというわけではなく、使い所だと思います。
大きな値上がり益を狙うのではなく、リタイア後にまったり配当を受け取りながら生活の足しにしたいなどの需要を満たしてくれます。
これだけ低いパフォーマンスであっても、銀行預金より圧倒的に高い運用成績であることは間違いありませんから。
引退したら1億円分くらいは持っておいても良いかなとは思います。元本は増えながらも毎年400万円のお小遣いがもらえるわけですから。
高配当ETFとの比較
SPYDの他に、HDV(iシェアーズ コア 米国高配当株ETF)とVYM(バンガード 米国高配当株式ETF)が高配当ETFとして知られています。
配当利回りを比較してみます。
配当利回り(2022年1月時点)
SPYD:1.16%
HDV :4.06%
VYM :3.26%
SPYDは圧倒的に低いじゃ無いか、全然高配当じゃ無いね。。。前はもっと高くなかったっけ??
その考えは正確ではありません、これだけで年間の配当額は読めません。
2021年末、SPYDは大幅な減配かと心配されましたが、実際は必ずしもそのようなことはありません。
先ほど説明した通り、この配当利回りは毎回の配当タイミングで計算し直されます。
つまり、年4回の配当があり、それが均等額ではないため見た目の配当利回りは大きく変動します。
このタイミングではSPYDは1.16%でしたが、年間通してこの利回りであることを示しているのではありません。
仮にこのタイミングの配当額が全ての四半期で続いた場合の年間利回り、を意味しています。
GDPの変化率のようなものですね。『この変化が1年間続いた場合』に換算されて発表されますが、あれと一緒です。
従って、今後の配当利回りについても年間通して見ていかなければなりません。
ただし、SPYDは80社に分散されていますから、これだけの企業が突然一斉に配当を下げるようなことは考えにくいと思われます。
SPYDの配当利回りが大幅に下がったと感じた時には、組み入れ銘柄を個別に確認して年間通しての配当額を見てみると真実が分かりますのでおすすめです。
次にこの3つのETFの値動きも見ておきます。
HDVは75銘柄、VYMはおよそ400銘柄で構成されています。
VYMがやや優勢ですが、大差は無いと見て良いでしょう。
大きな差が無いことから、配当利回りを基準に選ぶことで良いのでは無いかと思います。
配当受取と再投資
ただし、ETFは投資信託と異なり、出した配当の分だけ基準価額が下がるようなことは原則としてありません。
配当金を受け取ることで元金が減る、という心配はSPYDの場合は無用です。
配当は受け取らずに再投資した方が複利効果によって大きく資産額を成長させることが出来ます。
ただし、この手の高配当ETFを持つ方は配当金を再投資に回さずに受け取り続けることを好む場合が多いですので、複利効果で資産を増やす際には値上がりの期待できる投資信託/ETFを選びましょう。
SPYD:まとめ
日本でもETFを使った投資が一般に浸透してきたように感じます。
それでも投資信託よりはまだ馴染みがなく、またその名称もアルファベットのティッカーだけでは中身が分かりづらい、商品の詳細説明が英語などのハードルから使いにくさを感じる方も少なく無いようです。
本サイトでもQLD(≒レバナス)、SOXL(3倍レバレッジ半導体)、TECLやWEBL(テーマ型レバレッジETF)など値動きが大きく日本でも話題になったETFについて詳しく解説しています。
投資信託に関する情報と合わせて、是非参考にして自分に合った投資法を考えてみてください。
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