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宇宙の7割はダークエネルギー|2割はダークマターで出来ている

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ダークマターって本当にあるの?
宇宙ってどうなってるの?

SFの世界やゲームの中でのイメージが先行して、見上げた空の先に本当にそんな世界が広がっているという意識はなかなか持てません。

しかし、現代科学の進歩によって情報収集と分析が進み、何となくの世界観が見えてきました。

Y-bow

その実態は実に厨二感に溢れているものです。

  • 宇宙の9割はダークエネルギーとダークマター
  • 残りのわずかが我々の知る物質

※映画の設定でもゲームの設定でもありません、科学的な事実です

私はドラクエ/FF世代ですので、ダークマターと聞くとゲームの中のアイテムを連想してしまいますが(ドラクエには出て来ませんが)、私たちを取り囲む宇宙にはそれが実際に沢山あるということです。

有名な学術雑誌『Nature』を見ていると宇宙関連の論文が非常に多く、中身は難しくて理解出来なくてもタイトルだけで楽しめたりもします。

『Nature astronomy』ともなれば、素人目には完全にSFの世界観が広がっています。

その中にもダークマターダークエネルギーネタは相当ありますので、興味のある方は是非覗いてみると面白いと思います。

宇宙の構成成分まとめ

この記事では、ダークマターやダークエネルギーというものについて今どの程度のことが分かっていて、どんなものなのかを簡単に紹介します。

宇宙の彼方に思いを馳せて、たまには少しぼーっと妄想してみるのも悪くないでしょう。

目次

ダークマターとは

銀河のイメージ

ダークマター(dark matter)とは、日本語では『暗黒物質』と表現されます。

これもSFの世界の設定ではなく、サイエンスの世界で実際に用いられている正式名称です。

天文学的現象を説明するために考えだされた「質量は持つが、光学的に直接観測できない」とされる、仮説上の物質である。”銀河系内に遍く存在する“、”物質とはほとんど相互作用しない“などといった想定がされており、間接的にその存在を示唆する観測事実は増えているものの、その正体は未だ不明である。

Wikipedia『暗黒物質』より

つまり、『こういうものがあるとしか思えない』として設定されたものです。

まだ誰も『これが暗黒物質です』と言って、手に取ることが出来ないものです。

その存在根拠や、なぜ『あるとしか思えないのか?』はこの後説明します。

その前にもう一つの暗黒、ダークエネルギーについて紹介します。

ダークエネルギーとは

ダークエネルギーのイメージ

ダークエネルギー(dark energy)とは、日本語では『暗黒エネルギー』と表現されます。

Y-bow

繰り返しになりますが、SFの話ではなく本当に科学者がこう呼んでいます

現代宇宙論および天文学において、宇宙全体に浸透し、宇宙の膨張を加速していると考えられる仮説上のエネルギーである。2013年までに発表されたプランクの観測結果からは、宇宙の質量とエネルギーに占める割合は、原子等の通常の物質が4.9%、暗黒物質(ダークマター)が26.8%、ダークエネルギーが68.3%と算定されている。

Wikipedia『ダークエネルギー』より

ダークエネルギーもまたダークマターと同様に正体は不明ですが、その存在自体は“あるもの”として認識されています。

アインシュタインが一般相対性理論の中に置いた『宇宙定数で表される真空のエネルギー』なのか、はたまたクインテッセンスと呼ばれる第五の力(重力、電磁気力、弱い力、強い力以外)なのか。

結論は出ていませんが、その存在の裏付けは出てきていますので、次はそれを紹介します。

暗黒物質/暗黒エネルギーの存在の裏付け

地球からどんどんと視野を広げて見てみると、太陽系があり、天の川銀河があり、無数の銀河が存在している広大な宇宙が広がっていますが、その全体的な構造が明らかになって来ています。

その構造そのものがダークマター/ダークエネルギーの存在の裏付けになり得ます。

宇宙の大規模構造

石鹸の泡

宇宙の大規模構造と呼ばれますが、それは実はかなり“スカスカ”で、いわば石鹸の泡のような構造になっていることが分かっています。

実際に『宇宙の泡構造』と呼ばれることもあり、ビールの泡のようなきめの細かいものではなく石鹸の泡のイメージです。

その泡の表面部分、膜を張っている部分に銀河が存在していて、泡の内部の空気に当たる部分(超空洞=ボイド)にはほとんど何も無い、というのが宇宙の大規模構造です。

宇宙の大規模構造は銀河フィラメントと超空洞が複雑に入り組んだ構造であるが、これはあたかも石鹸を泡立てたときにできる、幾重にも積み重なった泡のような構造である。つまり、泡の膜面たる銀河フィラメントには銀河が存在し、泡の中の空洞たる超空洞には銀河がほとんど存在しない

Wikipedia『宇宙の大規模構造』より

この構造が発見されたことが、ダークマター/ダークエネルギーの存在を肯定することに繋がりました。

  • こんなに物質が少ないのに宇宙がでかくなり過ぎ!
  • 宇宙の加速膨張を説明するにはエネルギーが足りない!

宇宙には何か我々の知らない・気付いていない“何か”があるとしか思えない。

その存在なくして現在の宇宙の成り立ちを説明することは出来ない。

しかも驚くべきはその量です。

普通の感覚だと地球上は物質であふれていて、どこにダークマターが転がっているんだろう?と思ってしまいます。

しかし宇宙全体でみると物質は極端に少なく、なんと宇宙のたった4.9%を構成しているに過ぎないことが分かって来たのです。

その反面、ダークエネルギーはおよそ70%ダークマターはおよそ25%を占めます。

これら暗黒物質/暗黒エネルギーが宇宙を押し広げ、また銀河の回転曲線問題を解く鍵にもなっているというのですから、全く無視出来ない重要な存在です。

ダークマターは観測出来るの?

ダークマターは不可視物質なので、直接目視は出来ません。

しかしその存在や分布を検出する試みは多く、代表的な報告の一つとして2012年の論文があります。

A filament of dark matter between two clusters of galaxies(Jörg P. Dietrichら、Nature, 2012)

この論文では、フィラメント状に分布するダークマターを実際に確認したとされています。

重力レンズ効果などを駆使し、本当に確認されたのはこれが初めてでした。

その後も液体キセノンによる検出などの試みが継続的に行われています。

いつの日か、その正体が掴める日が来るでしょう。

宇宙の末路

宇宙のイメージ

暗黒物質/暗黒エネルギーは正体が不明なため、これらが今後の宇宙をどうしていくのかが正確に読めていません

宇宙は無限に膨張を続けるのか?どこかで膨張は止まって潰れていくのか?

確たる証左をまだ人類は見つけられていませんが、2018年に一つの答えが発表されました。

すばる望遠鏡により1,000万個にも登る銀河を観測した結果、ダークエネルギーの増加はそれほどでもなく、そこから導かれる宇宙の寿命は1,400億歳程度、というものです。

ざっと今の宇宙の年齢の10倍程度ですが、これがどの程度の精度なのかはまだまだ疑問です。

宇宙を支配している物質やエネルギーについて理解を深め、地球を含むこの世界がどのような末路を迎えるのか、人類が知る日がいずれ訪れることでしょう。

その時に、人類は避けられない滅亡を知るのか、はたまた希望があるのか、そんな時代に生きてみたいとも思いますし、怖くて知りたくないとも思います。

その前にきっと明らかになるであろう数々の謎をこれからの世代が紐解いていくことになるでしょう。

まずは文明の発達を待ち、そしてゆっくりと成長していくのを待ちましょう。

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