全世界株に投資する時、そのインデックスにおける構成比率の上位銘柄はどのような顔ぶれになるのか。
なんとなく米国の巨大テクノロジー企業が大きそうなイメージがあると思いますが、視覚的に見るとどうでしょうか。
この記事では、投資する時に正しく持っておくべき世界観を、アップル社の巨大さに焦点を当てて紹介します。
投資先としての米国の強さが良く分かると思います。
- 投資家・個人事業主・医学博士
- 投資歴15年 (学生時代から)
- レバナス/USA360/3倍ETFをメインに積立中
- 地銀→野村證券→ネット証券
- FIRE済み:好きで働いてます
世界のトップ100企業ランキング
VISUAL CAPITALIST “The Biggest Companies in the World in 2021” より、2021年3月末時点では以下のようになります。
それぞれの円のサイズが企業規模を表し、ロゴの上に小さく記載された数字が世界ランクです。
米国は、企業の大きさと世界トップ100以内の企業数が圧倒的であることが一目で分かります。
左側半分はほぼ米国株で埋まっています。
中でも内側の大きな円はお馴染みのGAFAMです。
ただ、それ以外にもこれだけの企業が世界トップ100に入っていることに改めて驚かされます。
実に半数以上の59社が米国企業です。
米国の次に多くの企業を抱えているのは中国で、右側に張り出した扇型部分を占めます。
中国は11社で、世界トップ100に2桁の企業数が入るのは米国と中国だけです。
テンセント、アリババなどは聞いたことのある企業だと思います。
世界2位の規模を誇るのはGAFAMではなくサウジアラムコ(サウジアラビア)です。
サウジアラムコはこれだけの規模を誇りながらも全世界株に投資するETF『VT』の構成上位銘柄にいないので馴染みが無いかもしれません。
100年近い歴史を持つ世界最大のサウジアラビア国有石油会社で、2019年12月に上場しました。
そして日本はと言うと、右端に3社が並んでおり、トヨタ(32位)、ソフトバンク(62位)、ソニー(96位)です。
トップ100に3社以上がランクインしているのは米国、中国を除けば日本とドイツ、オランダ、イギリス、スイスだけです。
米国や中国に比べると圧倒的に見劣りする日本ですが、そこを拠点に活動する大型企業がまだあるのはありがたいことです。
アップルの時価総額は1社でインデックス並み
アップルは1社で時価総額300兆円超にまで成長し、東証一部の全企業価値の半分を占めるほどとなりました。
2022年4月から東証は再編され、東証プライムには1,800社余りが上場していますが、その中で最も時価総額の大きい会社がトヨタで約36兆円ですから、アップルは正に桁違いです。
その規模は、世界のインデックスを1社で上回る規模になり、それを示したのが以下のグラフです。
VISUAL CAPITALIST “Apple’s Colossal Market Cap as it Hits $3 Trillion” より
2022年の年初、ついにアップルは1社でFTSE100、CAC40、DAX40の時価総額を上回ることになりました。
FTSE100:
Wikipedia『FTSE100種総合株価指数』より
ロンドン証券取引所(LSE)における株価指数。LSEに上場する銘柄のうち時価総額上位100銘柄で構成される、時価総額加重平均型株価指数である。この100銘柄で、LSE上場企業の時価総額の約8割を占める。算出はLSEの子会社であるFTSEグループが行っている。旧植民地やアメリカ合衆国など、イギリス国外での売上高の比重が高い企業が多く、イギリスに拠点を置くグローバル企業指数としての性格を有する。
CAC40:
Wikipedia『CAC40』より
ユーロネクスト・パリ(2000年以前はパリ証券取引所)における株価指数。同取引所に上場されている株式銘柄のうち、時価総額上位40銘柄を選出して構成される、時価総額加重平均型株価指数である。
DAX40:
Wikipedia『DAX40』より
フランクフルト証券取引所で取引されるドイツの主要40銘柄(ブルーチップ)で構成される時価総額加重平均型の株価指数である。算出開始以来、構成銘柄数は30となっていたが、2020年11月に指数改革実施が発表され、採用基準の厳格化を順次実施、2021年9月20日より銘柄数が40に変更された。
このグラフは、リンク先では時系列で順位が変化する様子を1分程度の動画で見ることが出来ます。
アップル社の時価総額が特にコロナショック以降で一気に伸び、追い上げていく様は圧巻です。
パンデミックをチャンスに変え、成長を加速させたのは流石だと思います。
アップルといえばiPhoneやMac、Apple Watchなど身近に多くの製品があるので馴染みもあると思いますが、実際のところ何を売ってこれだけの規模になったのでしょうか。
次はその商売の内訳を見てみましょう。
アップルは何を売って成長したのか
ラインナップは有名ですし、実際にユーザーも多いと思います。
私も今この記事をMacで執筆しながらiPhoneを傍に置いています。
そのアップルの事業における収益がどのように推移してきたのか、まとめたのが以下のグラフです。
VISUAL CAPITALIST “Chart: Apple is Becoming a One Trick Pony” より
2005年にはまだiPhoneはありませんでしたので、メインはMac(PC)とiPodです。
これを読まれている人の中でも20代以下の方は、そもそもiPodをご存じない方も多いのではないでしょうか。
iPadではなく、iPodです。
こんな製品です。
今では信じられないかもしれませんが、音楽を聴くためだけのアイテムです。
CDプレーヤーからMDプレーヤーになり、さらに進化したものと思って頂ければ良いと思いますが、そもそもCDやMDで音楽を聴く時代が終わって久しいので、もう骨董品の域です。
それだけ技術の進歩が著しいと言うことの証拠でもあります。
そして2007年以降は一気にiPhoneが躍進し、iPodは姿を消していきました。
アップルはゲーム業界でもトップに
GAFAMの強いところはそれぞれのプラットフォームの強さが要因の一つだと思いますが、iPhoneを普及させることに成功したアップルはApp Storeを通じて各社のアプリを販売することで巨大なビジネスを生みました。
VISUAL CAPITALIST “Visualizing Apple’s Rise to the Top of the Gaming Business” より
ここまで来るともう何をやっても稼げると言っても過言では無いでしょう。
老若男女、これだけ世界中に広くユーザーを抱える端末・プラットフォームを作り上げれば、そりゃ儲かるでしょう。
その地盤を固めた故スティーブ・ジョブズ氏の功績が讃えられるのも納得です。
終わりに
投資を行うには投資対象のことをある程度知っておかなければなりません。
インデックスが長期的に右肩上がりになることは何となく分かっていても、そのインデックスを構成する企業がどのようにして企業価値を高めているのか、普段はあまり考えないかもしれません。
インデックス投資ならそんなことは考えなくても良いのですが、知っておくことでより安心して長期投資に臨めるようになります。
それを考えるキッカケにこの記事がなってくれればと思います。
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